◇下町の猫達 ― 2006年09月02日 03時50分25秒
谷中ぎんざで買った招き猫 左は今戸焼き風の白土のもの。 右は日本のものではないような変な顔。 |
町中を歩いていて猫に出会うと、つい立ち止まってしまう。
たいていは、猫はこちらを気にもとめずそしらぬ顔をしていることがほとんどだが、こちらを気にせず「私はいつもここにいるのよ」という顔をしていたりするので、じっと見入ってしまったりもする。声をかけることもあるが、たいていは「なんだよ」という顔をして無視されたり、「うるさいなあ」といわんばかりに逃げられたりすることがほとんどだ。
8月に東京下町に行ったときも、たくさんの猫に出会った。
食事が終わって満足した黒猫 | 熱中症(?)の猫。 写真をクリックすると、 よだれの瞬間の写真が見られます。 |
日暮里から谷中ぎんざに入ってちょっと行ったところの休みの喫茶店の前に、園芸用の容器の中に大量の餌が用意されていて、黒猫が懸命に餌を食べている。一心不乱に食事中で、こちらが近付いていっても私なんかはいないも同然の様子。
それではと、写真をとらせてもらったが(ことわったわけではない)、カメラを持って近付いていってもそしらぬ顔で食事に専念し、一通り満足したかのようにこちらをちょっと見ながらのびをしてどこかに行ってしまった。
その横で、 グレーの猫が日陰で休んでいた。
本人(猫)は日陰にいるつもりのようだが、アスファルトから日ざしが反射するせいか半ば熱中症になっているかのよう。半眼を開けてよだれをたらし、犬のように舌をだしたままあらぬ方向を見ている。かなり近付いてみたが、私などは眼中にない様子でびくともしない。目の前に水が入った皿があるのにそれを飲もうとする気配さえない。
しばらく眺めていたが、ぴくりとも動かなかった。
谷中霊園を散策している間にも、墓地を根城にしているのら猫が道を横切ったりもした。この時期はお盆の墓参りの人が多かったので、猫達にとっては餌に不自由することはないのか、どの猫も忙しそうに足早に走り去っていった。
上野公園不忍池で出会った猫は、ボート乗り場の近くで餌をもらっている。
4匹いる猫はどれもトラ猫で、餌を与えている夫婦にはなついている様子だが、道行く人間を警戒しながら食事をしている。
たまに餌を食べる姿に立ち止まって「かわいい〜」と言う人に、猫達も餌係の夫婦も猫も困った顔をしていたので、写真をとることができなかった。
猫はどれも大きさにかわりはないが、4匹のうちの1匹が親のようだ。餌係の夫婦が守ってくれている中でも、親猫が子供が食事をしている周囲を警戒している。
鳩を狙う猫と、その横でそしらぬそぶりでグルーミングする猫。
|
不忍池の池の端付近では、鳩が人から餌をもらって集まってきている場所で、鳩のすきをうかがっている猫。そして、その横で別な猫が一心にグルーミングしている。
ハンター猫は、私が近付くと「じゃまするな」といわんばかりに睨み付け、またすぐにハンティングに精を出す。
グルーミング猫は、「あんなでかい獲物は無理じゃないの?」といわんばかりに、たまに鳩をちらっと見たりしながらまたグルーミングに精を出す。
下町の猫はどれもうまく人間や他の動物と共生しているようで、必要以上に人間に警戒心を持っている猫は少ないように思う。
狩をしたり、のんびりしたり、適当に人間に世話になったりして、毛並みもきれいで自由に暮らしている雰囲気。人通りの多い場所でも、必要以上に人間になつく姿も、物を食べている人間にこびを売る姿も見る事はなかった。ある意味、上野公園に集っているホームレスや観光客などの人間なんかよりも、ずっと都会のオアシス生活を満喫しているようにさえ見えた。
旅先のお土産物屋で招き猫を物色するのも楽しみの一つで、谷中ぎんざの中にある陶器の置き物などを売っている店で、今戸焼き風の手作りの白土招き猫を発見し、その表情に一目惚れしてしまった。ふと横を見ると、変な顔の招き猫もいる。どちらを買おうか大変迷うが、結局二つとも購入してしまう。
旅の一番最初の買い物がこれだったので、この後散策する間中重い荷物を持つはめになってしまった。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。