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◇たぬきケーキを食べて昔のことを思い出す2014年09月09日 23時39分40秒

たぬきケーキ「ぽんたくん」
たぬきケーキ「ぽんたくん」

昔、町のケーキ屋さんには、いちごショートの他に動物ケーキシリーズが存在していた。
最近、そのうちのたぬきケーキが復活しているとメディアで紹介されてから、むしょうにたぬきケーキが食べたくなったので、近くで探して買ってみた。

そのお店は、昔からある町のケーキ屋さんという雰囲気。おしゃれさはないが、親しみやすいお店だった。
ショーウインドウを見てみると、たぬきケーキは見当らない。
買いに行ったのは金曜日の夕方。お店の人に聞くと、たぬきケーキはだいたい週一ペースで作っているとのこと。
バタークリームのケーキなので日持ちがするため、一度作ると大量購入する常連さんで週の初めにはなくなってしまう。一度に50個買っていく人もいるらしい。

仕方がないので別の日に買いに行くと、ショーウインドウにたぬきケーキが並んでいた。名前は「ぽんたくん」。
さっそく2個購入し、夫と2人で食べることにした。

私が昔食べたたぬきケーキは、顔がでかくて胴体と同じくらいの大きさであった。
全体にチョコレートがコーティングされているが、顔の部分はバタークリームで、胴体がスポンジだった。
顔から先にかぶりつくと、濃厚なクリームだけ先に食べてしまい、後に残された胴体はクリームなしで食べなければならず、食べ方が非常に難しいケーキであった。
頭がクリームだけというのは鉄則であったが、クリームの種類はお店によって異なっていた。
くどいバタークリームよりも生クリームが好まれてくると、頭の部分は生クリームにするお店もあった。
胴体はスポンジだったり、チョコクリームだったりとお店によって異なっていた。
たぬきではなくクッキーの首をつけたスワンケーキという、同じような仕様のケーキも存在していた。



今回購入したたぬきケーキ「ぽんたくん」は、手が作られている。
顔は思ったよりだいぶ小さい。等親のよいたぬきだ。
この店の仕様を確認するため半分に切ってみると、頭の部分はバタークリームで、胴体の部分はバターチョコクリームのようで、スポンジは使用されていない。それを全体にチョココーティングしてある。

たぬきケーキを食べたことがないという夫は、ちょっと期待していたようだったが、一口食べてびっくり。
バタークリームのこれでもかというくどさに「何これ」と面食らっていた。
私は、バタークリームのケーキ自体が懐かしいと最初は思ったが、頭部の白いバタークリームよりも、胴体のチョコクリームの方がくどく感じた。

ああ、そういえば昔、クリスマスケーキが生クリームではなかった時代、バタークリームがくどくてホールで買っても嬉しく思えなかったことを思い出した。
最初はケーキとはそういうものだと思っていたのだが、生クリームの高級なケーキを一度食べたら、そちらの方がいいに決まっているのだ。
しかし、当時ホールのケーキは小さいサイズでも20cmくらいあり、バタークリームのケーキと生クリームのケーキでは数千円の価格差があった。
大人はあまりバタークリームのケーキが好きではないし、家族の人数も20cmのケーキでは大きすぎるため、日持ちのするバタークリームは人気があったが、そのうちケーキには生クリームが一般的になり、バタークリームのケーキは店頭ではあまり見かけることはなくなった。
たぬきケーキも最初はよかったが、だんだんと食べなくなっていったのを思い出した。

そういう意味では、このぽんたくんは、なつかしいバタークリームのケーキがきちんと継承されている。
バタークリームのケーキが好きだという人には、これとない一品だろう。
くどいと思うバタークリームだが、この店のバタークリームは昔よりは洗練されているようにも思う。
いろんな意味で、昔いろいろなものが高級で、いろいろなことを我慢させられた時代のことを思い出した。



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