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◇【BS-TBS Song to Soul】サイモンとガーファンクルに見る、テツ&トモとの共通性2014年10月23日 01時09分56秒

BS-TBSの水曜の夜に、Song to Soulという番組があり、好きで録画して見ている。
歴代の名曲のエピソードを、その曲に携わった人などのインタヴューを交えて紹介していくという番組だ。
今日の夜に紹介されたのは、サイモンとガーファンクルの「Sounds Of Silence」だった。

私が音楽を自分で聴くようになった頃、サイモンとガーファンクルはすでに解散して過去の人だった。
日本でもフォークからニューミュージックに徐々に変わり始めた時代。
フォークソングはすでに過去のものとして扱われていたが、映画「卒業」のサントラなどの影響か、サイモンとガーファンクルの音楽は70年代半ば当時でもラジオで聴くことが多かった。
日本国内のフォークソングはすでにニューミュージックと姿を変えていたし、60年代に流行った政治的なメッセージを含んだフォークは、70年代半ばには特集でもしない限りは耳にすることも多くなかった。
そういう意味では、あの時代の中でもサイモン&ガーファンクルは特別な存在であったのだろうと思う。

Song to Soulの中では、三つのパターンの「Sounds Of Silence」が紹介されていた。
ファーストアルバム『水曜の朝、午前3時』に収録されているアコースティックバージョン、その後プロデュースしなおされ「卒業」でも使用されたエレキギターバージョン、そして彼等がデュオで売れる前に収録されたポール・サイモンのソロバージョン。


The Sound of Silence (Original Version from 1964)
アコースティックバージョン



Simon & Garfunkel - Sounds Of Silence (Lyrics)
エレキギターバージョン



Paul Simon - The Sounds of Silence

私が一番最初にラジオで聴いたのは、『水曜の朝、午前3時』という特徴的なアルバム名からセレクトされた、アコースティックバージョンだったように記憶している。
ラジオのDJがわざわざこのアルバム名を紹介していて、それが記憶にあるからだ。
2人のハーモニーとちょっと悲しげな旋律がとても美しいと、小学生の私は思った。
しかし、その後で聞いたエレキギターバージョンは、まったく違和感なく聞いていて、この番組で詳細を知るまでは二つは同じものだと思っていた。
1981年のセントラル・パークでの再結成コンサートのときには、アコースティックバージョンで演奏されたが、それはコンサートのときのアレンジの違いだろうくらいにしか思っていなかったのだ。

比較して聞けば、ドラムなどが挿入する部分などで曲はドラマティックに盛り上がりをみせるのだが、アコースティックバージョンでもこの部分はギターの音が強調して演奏されているので、ここは演奏で盛り上がるところという認識で一致していた。
もちろん、好きな曲ではあったがそこまで掘り下げて聴くこともなかったし、異なるバージョンを比較することもなかったので、それが違うものであったことに触れずにここまできてしまったのだろう。

番組の中で、坂崎幸之助がこの三つのバージョンについての想いを語っていたが(この番組で直接関係のない人が出演することは珍しいように思うのだが、今回は日本人のコメンテーターが多数出演していた)、彼がイチオシしていたポールのソロバージョンは、実は私はあまり好きではない。
坂崎幸之助自身も指摘していたが、ポール・サイモンの声は単独で聴くと非常にもっさりしているように思う。
確かに歌詞の意味を最大限に伝えようとするならば、美しいハーモニーは逆にメッセージを消してしまう場合もあるのだろう。
でも、このバージョンのポール・サイモンの歌い方は、ボブ・ディランを非常に意識していて、サイモンとガーファンクルで歌う彼のパートとも違うためか(ガーファンクルの主旋律を歌っているので、当り前なのだが)、何か違和感の方が先にきてしまう。
もっと聴きこなしていけば違うのかもしれないが、最初に聞いたインパクトというのがやはり一番強烈なのかもしれないと、説明を聞きながら思ったのだ。

年齢的にはサイモンとガーファンクルはリアルタイムではないが、1981年の再結成のときの盛り上がりは克明に記憶に残っている。
解散時の頃には2人に大きな確執が生まれてしまい、再結成自体不可能だろうと当時あちこちの雑誌に書かれていたのは、記憶に残っている。
そんなメディアの推測もふっとばされるほど、再結成コンサートはすばらしいものだったと雑誌でもラジオでも話題になっていた。

当時、中学生だったウブでおボコな私は、こんなに美しいハーモニーを生み出す二人が、なぜ仲たがいしてしまうのかと思った。
ポール・サイモンのソロの「Sounds Of Silence」を聴いたのもこの頃だったし、アート・ガーファンクルのソロの歌を聞いたのもこの頃だが、ソロになった2人の歌を美しいとは全然思えなかったし、ある意味凡庸でまったく心に届かなかった。
ポール・サイモンの曲は好きだけど声がメインになるのはやはりちょっとと思うし、ガーファンクルは普通の歌だと普通に歌のうまい人になってしまう。美しい歌声なのはそうなのだけど、やっぱり何か足りなく思うのはなぜなのか。
まして、80年代に入ってからのポール・サイモンの曲は、当時の音楽シーンの流れから見るとやはり凡庸に見えてしまった。
リアルタイムでない私にとっては、一番輝いていた当時の音は手にとれても、その後の2人には触手が動かなかった。
天使の歌声と言われるアート・ガーファンクルの歌声に沿うように、聞こえてくる低音のポール・サイモンの歌声。
それは、光と影のようにどちらがどちらというものではなく、二つ揃って初めて一つになるものなのだろうと、その頃から漠然と思っていた。

Song to Soulの番組の途中で、アート・ガーファンクルがソロで来日するというCMが流れていた。
ポール・サイモンはというと、ちょっと前にゴシップ記事で名前を見かけた程度。
CMを見たとき、この2人ってテツ&トモみたいだなとちょっと思った。
ソロも評価している人には怒られるかもしれないが、やっぱり2人揃って初めて絵になり、アートになるんじゃないかと思ってしまうのだ。
テツ&トモのマンネリネタだって、テレビで見なくなっても営業では非常に絶賛されているらしい
でも、この2人がもしピンで地方に来ても、誰だかすぐにわかる人はいるのだろうか。
また、どちらか1人で2人のネタをやって成り立つのだうろか。

ポール・サイモンやアート・ガーファンクルは、ソロでも成功しているのだからいささか乱暴な感想なのだが、やっぱり2人揃わないとダメなんだよってところでは、非常に共通点のあるコンビなのではないかと、番組を観て思ったのだった。

(最後にテツ&トモを貼ろうと思ったけど、さすがにサイモンとガーファンクルとそこまでいっしょにするのは心情的にイヤだったので、自粛しました。)

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