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◇追悼 巴里夫2016年12月15日 02時02分14秒


「5年ひばり組」傑作選 / 巴里夫(復刊ドットコム)

今年の7月に、巴里夫という漫画家が亡くなった。
私はりぼんで掲載されていた「陽気な転校生」などで知ったが、最初はあまり好きな作家ではなかった。
絵が古臭いのと、少し幼いストーリーが馴染めなかったからだ。
時は70年代初頭。小学生女子もこまっしゃくれていた時代だった。
しかし、どこか共感が持てるところがあったりして、なんとなく印象に残る作品も多くあった。
友達とささいなことで仲たがいしたり、しゃれっ気が出てきてみたり、親に反抗したり。
作品の中の少女達も、時代が進むにつれてクラスの中で大きな貧富の差があったりするのはなくなってきて、少しずつおしゃれで活発な少女達が登場するようになると、テンポのいい作品に親しみを持つようになった。
しかし、私も中学生になり、高校生になるにつれ、巴里夫の作品は読まなくなった。
そして、しばらくは忘れていたのだ。

20年くらい前に、古本屋で「5年ひばり組」の単行本がセットで売られているのを見て、思わず購入した。
あまりにも懐かしい絵柄と印象深いストーリー。
個性豊かな5年ひばり組のクラスメイトとやさしい大ユリ先生。そして生徒と共に成長するお母さんやお父さん。
ぷっくりしたくちびると大きな目、ちょっと上を向いた鼻は、巴里夫の作品に共通して登場する主人公の特徴だ。
悲しい物語も楽しい物語も、主人公はだいたいこのタイプ。


巴里夫先生 おまけ

ここ数年、彼がどうしているかが気になって調べてみたら、ご自身で自分の作品を復刻し公式サイトで通販し、コミケなどにも参加されていたというので驚いていた。
セットで購入したと思っていた「5年ひばり組」は全8巻のうち6巻までしかなく、最後の2巻を購入すべきかどうか逡巡していた。
ちょくちょく公式サイトは覗いていたのだが、しばらくみないうちに訃報が発表されていたらしい。
朝日新聞でもニュースになっていたが、私のところにそのニュースは届かなかった。

今は公式サイトも見ることができなくなっているが、Little Spot NEWSによると、

「巴里夫(本名・磯島重二)は、平成28年7月1日に永眠いたしました。ファンの皆さま、これまでのご厚情に厚くお礼申し上げます。本サイトは、今月一杯で閉鎖しますが、近々、巴里夫マンガを伝承するサイトを立ち上げる予定です」


と書かれていたとのこと。
復刊ドットコムからも「5年ひばり組」の傑作集が発売された。
もうこんな気持ちになる漫画に出合うことも少ないだろう。
近々立ち上げる予定という伝承サイトが、予定通り立ち上がることを願うばかりである。
巴里夫さん、安らかにお休みください。

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