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◇トルコ旅行記 〜6月2日 メヴレヴィー教団の旋舞とブルーモスク〜2007年06月19日 04時51分49秒

メヴレヴィー教団の旋舞のステージ。
※クリックすると、WindowsMediaPlayerのムービーを別ウインドウで見ることができますが、一部のバージョンでは見られない場合もあります。

■メヴレヴィー教団の旋舞を見る

以前「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」という映画で、モスクの中でトルコのイスラム教神秘主義教団の一つメヴレヴィー教団の旋舞のシーンがあり、旦那はそれが大変印象深かったと言っていた(私は途中で寝てしまったので、うすぼんやりしか覚えていない)。男性が白いスカートを着て、すそを広げながら音楽に合わせてくるくると回って踊ることが祈りとなるというものらしい。
イスタンブールではガラタ・メヴラーナ博物館がその教団を知るための施設なのだが、この博物館でも旋舞を見ることができるのは月に一度とガイドブックには書いてあり、旋舞は見られないかもとあきらめていた。イスタンブールの中には、旋舞を見ることのできるレストランなどもあるようだったが、どこも高い値段だったので行く予定はまったくしていなかった。

トプカプ宮殿見学を諦めベッドに横になって3時間ほどで目が覚めると、比較的身体がすっきりとしていた。私が寝ている間に旦那は観光計画の見直しをしていたらしく、歩いてすぐのブルーモスクは夜でも見学が可能なのでこれから行こうということになった。

アラスタバザールに入って朝とは逆に右に行くと、ブルーモスクのまん前の公園に出る。アラスタバザールでは相変わらず揚琴の演奏が行われていて、水タバコのための練炭が階段に置かれていた。
ホテルを出た時間は19時すぎ。そのまま行けばモスクの夜の祈りの時間を避けて行くことができたのだが、ブルーモスクから公園をはさんだ正面にオープンエアのカフェがあり、そこから笛と太鼓で演奏されるトルコの古い音楽が聞こえてくる。カフェの前に観光客がむらがっていたので見てみると、店の奥の小さなステージでメヴレヴィー教団の旋舞が披露されていた。
カフェの前で入ろうかどうしようか躊躇していると、中から店員が出てきて「前の方の良い席が空いている」と教えてくれる。チャイは一杯トルコ式のグラスで1.5YTL。それほど高い値段ではなかったので、チャイでも飲んで舞踊を見ることにした。

ちょっと小腹がすいていたので、チャイの他に「バクラヴァ」というトルコのめちゃくちゃ甘いナッツ入りパイ菓子、トルコ名物のアイスクリーム「ドンドルマ」を注文した。
注文したドンドルマは昔日本で流行った「のびるトルコ風アイス」ではなかったが、ベリー味とバナナ味とチョコレート味のトリプルで、溶け始めるとそれが微妙にまざりあって美味だった。しかし、ナッツ入りの日本で食べたのより数倍は甘いバクラヴァと一緒に食べるのは非常にヘヴィーで、結局チャイをもう一杯注文しなければならなくなった。


 
ダンスを披露していたカフェの看板。トルコの古代の音楽家の名前が店名の由来のようだ。   トルコのアイスクリーム「ドンドルマ」と頭がきんきんするほど甘いパイ菓子「バクラヴァ」。
ドンドルマは、舞台に夢中になって最初に写真を撮るのを忘れ、気づいたときにはちょっと溶けていた。


ダンサーの男性は一曲おきに旋舞を披露する。あやしげに両手をあげて、物憂い表情でただひたすら片足をじくに回転する。白い衣装のスカートのすそが綺麗に広がり、ただ回っているだけなのに非常に幻想的である。振り返れば夕暮れの中、幻想的に浮かぶブルーモスクが一望できる。

20時30分にはモスクから町中にコーランが流れ、ブルーモスクでは21時までは礼拝の時間だったため、カフェの舞台は20時30分前に終了した。それまで舞台にいたダンサーは、ステージを降りた後私たちの左前方のテーブルに座ってコーラをらっぱ飲みしていた。舞台では非常にうつろで無表情だったが、椅子に座ったとたん明るいトルコの青年の表情に戻る。
私たちがブルーモスクに向かうために席を立つと、彼は私たちに気づいて手を振ったので私も笑顔で手を振って挨拶をした。会計はチャイ4杯とドンドルマ、バクラヴァとサービス料込みで29YTLだった。

Wikipedia「メヴレヴィー教団」:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%B4%E3%83%AC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%BC%E6%95%99%E5%9B%A3





夜のブルーモスク。
夜景モードで撮影。金色に輝いてとても幻想的。

■ブルーモスク

カフェ前の公園を抜けてブルーモスクへ行くと、モスクの前にある水道で礼拝者が足などを洗っている。この洗い場は大きな建物の前に必ずあり、それらは現在使用されているのかどうかわからない感じなのだが、建物の中に入るときは身を清める習慣があったのかもしれない。モスクの入口にあるものは古くても現役で、塀の一部が奥まっていくつか蛇口が並び、礼拝者はそこに並んでそれぞれ身を清めるのだ。形は違うが、日本で神社に入るときの手水のようなものなのだろうと思う。

ブルーモスクへ入ると、礼拝堂の入口に「現在礼拝中につき、信者以外は入れません」という看板が置いてあった。入口付近は観光客と礼拝者であふれている。観光客の中には巡礼者も多く、暑いのに黒い服で顔まで隠している女性や、スカーフをしている女性を多く見かける。
割礼式の帰りの巡礼者もいて、スルタン風のかっこいい衣装に身を包んだ子供連れの家族もいた。子供の写真を撮りたかったが、場所が場所なので言い出せなかった。

モスクの広い中庭の向こうに、黒い猫がいて観光客を眺めていたので写真を撮りに行く。真っ黒の顔に鼻のあたりだけ白い毛足が長く目も切れ長の猫。白いエプロンをしているようでかわいい。イスタンブールの猫は人が近づいても逃げる様子もなく、カメラを向けてもお構いなしなので、猫好きな私には大変嬉しい。
礼拝が終るのを待っている間に陽もとっぷり暮れて、モスクの塔には金星が見えてくる。その横を飛行機雲が走っていくのが見える。



 
信者以外立ち入り禁止の看板。さまざまな言語で書かれている。   夕暮れのモスクの塔。金星の上に飛行機雲が走る。
     
 
ブルーモスクの中にいた猫。
じゃりんこチエの小鉄のよう。
  礼拝堂の入口。礼拝が終わるのを待つ観光客と、礼拝に訪れた信者がごった返している。


21時が過ぎ、礼拝の人と入れ替えに観光客の入場を許可される。私はスカーフを持参していったが、多くの女性は入口でスカーフを借りている。レンタルのスカーフは微妙に色味は違うがどれもトルコブルーだった。もともときちんとスカーフをしている女性は巻き方がとてもかっこ良いが、観光客はにわかイスラム教徒になるためスカーフをしてもどこかだらしなくなってしまう。

ブルーモスクの内部はひんやりとして静まり返っており、礼拝を終えていない信者が奥のほうで祈りを続けている。観光客の話し声はみんなひそひそしていて、さすがに大声で話してる人はいない。キリスト教や仏教の寺院のように信仰の対象となる神様の像のようなものはどこにもないが、内部に流れている空気は神の存在を知らしめるような清浄な空気で満ちあふれている。
昼間に来ると外の採光が中のタイルに反射してブルーに見えることから「ブルーモスク」の名前がついているらしいが、夜に見ると白を貴重にした壁が黄色の電球に照らされ、ベージュを基調とした内装に見える。さまざまなタイルで彩られた独特の模様が大変美しい。
端の方には、昔のブルーモスクの銀細工でできたミニチュアが展示されており、その横には控え室で礼拝を終えたお坊さんが休んでいるのが、部屋のガラス越しに見えた。

ロシア人らしいカップルがお互いに写真をとりあっていたので、「めいあいへるぷゆー?」と声をかけると、一瞬伝わらなかったような顔をしたがすぐにわかってくれて、「Thank you. Please.」といって持っていたカメラを渡してくれた。それで「あふたー みーとぅ」と言うと「no problem」と言ってくれ、へぼへぼの私の英語が通じたことに驚いた。
しばらくすると、黒いイスラムの衣装を来た年輩の女性がボディランゲージで「写真を撮ってあげよう」と声をかけてくれた。カメラを渡して写真を2枚撮ってもらい、返してもらうときに「どこから来たのか?」と英語で聞かれたので「じゃぱん」と答えると、「Welcome to Istanbul」と笑顔で答えてくれたので、笑顔で「てしぇっきゅれでりむ、さんきゅーべりーまっち」とトルコ語と英語でお礼を言った。
でも、その人も英語はあまり話せない様子だったのでそれ以上会話はできなかったが、ボディランゲージで足が痛いのだというようなことを言っていた。その女性が座っていたところには「座ってはいけません」と書かれていたのでたぶんそれを見逃してほしかったのだろうと思い、にっこり笑ってその場を離れた。


30分ほど見学をし外に出るとあたりはすでに真っ暗。ブルーモスクに入る前にいたカフェでは新しいステージが行われている様子で、前とは趣向の違う音楽が流れている。ブルーモスク前の公園を抜けるところで、芝生の中に猫を見かける。自分では人間に気付かれていないつもりのようだったが、写真を撮ろうとするとめずらしく逃げてしまい、茂みの中から顔だけだしてこちらを伺っていた。


 
礼拝堂の中。照明の関係で黄色っぽく見えるが、昼間は外の採光でブルーに見えるらしい。   礼拝堂の隅に展示されていた、昔のブルーモスクのミニチュア。銀で非常に細かい細工が見事だった。


つづく

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