◇トルコ旅行記 〜6月3日 トプカプ宮殿3〜 ― 2007年07月06日 00時39分17秒
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スルタンの嫡子のための割礼の部屋の前から時計展示室へ続く、大理石の長い廊下。 |
■トプカプ宮殿3
レストランから第四内庭に入ると、そこにはスルタンのためだけのいくつかの建物がありその中央に噴水が設けられている。建物の内部は見事なタイルで覆われており圧巻だ。このタイルはスルタンやスルタンの家族のために特別に作られたもので、継ぎ目などが目立たないよう細かい細工が施されている。各部屋にしつらえられたステンドグラスも特に見事で、外の日差しがガラスを通して美しく輝いている。床は大理石で、外は暑いけれど建物の中はどこもひんやりしていて気持ちがいい。思わず床にねそべってしまいたくなる。
トプカプ宮殿の一番端にあるバグダッドの館は、工事中で入れなかったのが残念だった。バグダッドの館から割礼の部屋に続くバルコニーの中心にある青銅の天蓋のついたイフタールのポーチからは、イスタンブールの町が一望でき、その下にはスルタンのためだけに作られた蓮が植えられた泉もある。スルタンがここで断食月の一番最初の日没後の食事をとった場所とのこと。たったこれだけのことで特別に場所が設けられていることに驚くが、イスラムでは断食は特別のことでイスラム教徒でない私たちにはたぶん理解できないくらいすごい日なのだろうと想像する。
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イフタールのポーチ下の泉。 バグダッドの館の工事のため、資材が散乱していた。 |
特別に作られたタイルの壁とステンドグラス。 | |
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特別な大理石で作られた小さな階段。 | 枢密院議事場の金色に輝く扉。 |
スルタン居住区を出て第三内庭を抜けて第二内庭に戻ると、時間はすでに3時近い。日差しは多少おだやかになって昼下がりの雰囲気だが、まだまだ暑いのはかわらない。あまりにも絢爛豪華でもうお腹いっぱいである。オーディオガイドを持つ手も疲れ果てて、なんだかもう説明も聞きたくない気分。
第二内庭の左手にある武具展示室で、昔の戦争の様子が描かれた絵画や武器、鎧などを見る。その一画に何故か日本の鎧が飾られていた。
その隣の枢密院議場に入り中のドームの装飾のすばらしさに圧倒された頃には、気分はもうへとへとで「ごめんなさい、もういいです」と心の中で叫んでいた。食事の時間30分を除いたとしても、すでに3時間半近くこれでもかというくらい豪華攻撃にあっているのだ。朝飲んだアミノバイタルとキューピーコーワゴールドのおかげか身体はそれほど疲れていないが、街中の喧騒がやけに恋しくなっている。チャイでも飲みながらのんびりしたい気分。自分が庶民の出であることを痛感する。
本当だったら別料金・大本命のハレムの中も見たいのだが、オスマンさんのところでワン猫を見せてもらい買い物もする約束をしていたので、少し休んでトプカプ宮殿を出ようということになった。
ハレムの入口のところに簡単な売店があったのでそこでチャイを頼むと、店員は「え〜、チャイ?」というような感じで笑い、コカコーラの看板の上にあった紙箱を取り出して私に見せた。中には色々な種類のティーパックが入っており、そこから好きなものを選べという。よくわからないので適当に二つ同じものをとって店員に渡すと、紙コップにお湯を入れてティーパックを突っ込んで渡してくれた。大抵トルコでチャイを頼むと砂糖をつけてくれるのだが、砂糖はくれなかったのが残念だったが、ふたつで1YTL(約93円)と格安だったので許すことにする。
枢密院議事場の前のベンチに座りチャイを飲みながら行き交う人を見ていると、アジア人が非常に多いことに気づく。韓国の団体さんは添乗員が韓国の国旗を目印に先導しているし、中国からきた人たちは常にしゃべっているのですぐわかる。アジア人のどの人たちも、日本人と見るとちょっと嫌な顔をするのが悲しい。アジア人といっても韓国、中国、日本以外の人はあまり見かけない。気づかないだけかもしれないが、非常に目立っているのはこの三カ国の人たちだ。まだ偽装ロシア人作戦を行っていたときに、客引きに国を訪ねられて「コリア」「チォイニーズ」「ジャパニーズ」と続くのでその都度首をふって否定したら、その次は「ベトナム?」「フィリピン」と続いたことがあったので、この三カ国以外の人たちも観光にはくるのだと思ったことがあった。でも、それを聞かれたのは一度だけだったので、あまり多くはないのだと思う。
トプカプ宮殿の第二内庭を出ようとしたときに、子猫が通りに座っていた。こんなところにも猫が迷い込んでいることに驚く。イスタンブールでは、猫はどこでもフリーパスなのか?と思いつつトプカプ宮殿を後にして、オスマンさんのお店に向かった。
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行かなかったハレムの塔。 | フリーパス(?)の猫。 | |
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第一内庭の壁。赤い花が咲き、つたがからまっていてかわいい。 | ボスポラス海峡に面した城壁。敵の侵入をふせぐために強固に作られており、見張り塔もある。 |
オスマンさんのお店で昨日約束した通りワン猫を見せてもらい、キリムやお土産を物色した後チャイをご馳走になった。
チャイをご馳走になっていると、彼の友達だという日本人の男性と昨日イスタンブールについたという日本人女性がやってきた。彼女も今日トプカプ宮殿に行きやはり4時間かかったという話をしていると、オスマンさんが「それは普通だよ ちゃんと見ると6時間くらいかかる」と言われた。彼女はハレムをメインにしていたので、一番最初にハレムに行ったのだという。それはなかなか賢いと思った。
彼女は明日カッパドキアに移動すると言っていた。私たちがイスタンブールだけの旅行だと言うと、「それはすごくもったいない」と信じられない様子だった。
オスマンさんのところで2時間くらいおしゃべりをして、食事をするために街に戻ることにした。
つづく
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