◇トルコ旅行記 〜6月4日 スーパーマーケットに買い物に行く〜 ― 2007年07月27日 02時57分51秒
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トラムヴァイの車内の路線図。 |
■民族楽器屋に行く
ボスポラスクルーズから戻った頃にはすでに夕方になっていたので、地下宮殿はあきらめ違う日にしようということにし、来る途中スィルケジからエミノニュまでの間にトラムヴァイから見えた民族楽器屋と、オスマンさんから教えてもらった地元の人たちが利用するスーパーマーケットに行くことにした。楽器屋はちょうどスィルケジ駅のすぐ近くだったが、ちょうど帰宅ラッシュなのかエミノニュのトラムヴァイの駅は人だかりがしている。スィルケジ駅までは歩いてもそう遠くない距離だが、その後行く予定になった場所までは歩くかタクシーを利用するしかなかったので、とりあえずトラムヴァイでスィルケジまで行く事にする。
トラムヴァイのスィルケジ駅前は、国鉄の駅も隣接する大きな商店街のある通りである。国鉄の駅はレンガ造りの重厚なもので、なんとなく東京駅の丸の内側を彷彿させる。外には昔の蒸気機関車が展示されている。
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帰宅ラッシュでごったがえすエミノニュ駅。人と同じくらいの数の鳥が電線に停まっていた。 |
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レンガ造りの国鉄スィルケジ駅。 |
スィルケジ駅前に展示されていた、蒸気機関車。 |
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スィルケジ商店街で撮影した“歩く”人用信号機。 クリックすると別ウインドウでAVI形式のムービーを見ることができます(一部の機種とソフトのバージョンでは、正常に見ることができない場合もあります)。 |
スィルケジ駅前の商店街の一角に、小さな楽器屋がある。「トルコの古い楽器の店」と表の看板には書いてあるが、店頭には楽器の他にエアガンやアーミーナイフなども展示されている。そう広くない店の中は天井にも棚にもところせましと楽器が飾られていて、身動きとるのも一苦労。店に入ると、店主が「ひやかしはごめんだよ」といいたげな表情でこちらを見ている。店主に口琴を見せて「こういう楽器を探している」と言うと、「ここはトルコとアフリカの楽器しか置いていない」と言う。店の中には、アフリカの太鼓やトルコの擦弦楽器「ケマンチェ」、弦鳴楽器「ウード」などが多い。
ケマンチェは、形はちがうがモンゴルの馬頭琴と大変似ている。本体の部分が馬頭琴よりも細長く、大きさも50cmくらいから1m50cmくらいのものと色々ある様子。
お土産物だという60YTL(約5580円)のケマンチェを触らせてもらうが、昔少しだけ二胡をいじったことがあるものの弓で演奏するのは久しぶりで上手に音が出せない。100YTL(約9300円)のものを見せてもらうと、こちらの演奏技術を見切ったのか「それはプロ用だから」と言われるが、「買うなら80YTL(約7440円)にしてもいい」と言われる。楽器としてはそう高くはないしもう少しねばれば安くもしてくれるのだろうが、店主の態度があまりにも「どうせ買わないんだろう」と言いたげだったのと、楽器はハードケースがないと機内持ち込みになってしまい、取り扱いが難しい。大変興味はあったが、他の客が店に入ってきたのを機会に「また来ます」と言って店を出てしまった。
ふだんだったら買っていたかもしれないのだが、なんとなくエジプトバザールの毒気にあてられて疲れてしまい、購買意欲がまったくわかないのだ。
※こちら↓でトルコの民族楽器を見ることができます。
音楽文化総合研究所楽器資料室
http://www1.kcn.ne.jp/~omori/MCRC/inst.html
店を出た後、深夜に失敗した“歩く”人用信号機の撮影に成功した。
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一杯のチャイはトルコでの癒しのひととき。 |
■スーパーマーケット「Greens」
この後の目的のスーパーマーケットは、ちょうどスィルケジとその次のギュルハーネ駅の中間地点に位置する。かなり疲れていてタクシーに乗りたかったが、トルコのタクシーは危険と聞いていたのと、そこの通りはトラムヴァイと普通の車が行き交う細い道でタクシーを停めるには向かない様子。旦那が「歩いていこう」というのでしぶしぶ同意するが、地図では確かに近そうな位置にあるものの実際は急な坂道が続く丘の上にその店はあり、疲れた身体にむち打ちながらの歩行は大変に疲労が増す行為であった。
スィルケジから南東の方角へ坂道を登っていくと、地元の人たちが利用する文房具店や小さなスーパーがある商店街があり、その先にはまたドミトリーなどの安宿が並ぶ通りがあったりする。どんどん坂を登っていくと、イスタンブール高校が見えてきてその西の先に「Greens」という名前のスーパーマーケットが見えてくる。そこまでくると私たちはくたくたになってしまいお茶でも一杯飲んで休みたいと思うが、通りのお店はどこもレストランで“ちょっと”休むくらいですむような雰囲気ではない。エジプトバザールの前に行ったレストランで「チャイだけの客なんて…」と言われたことが気になり、気軽に入ることができないのだ。
「Greens」の二つ隣の古い小さなレストランで通りに席を設けていて、店先に店員が出ていた。私と目が合ったので、何か言われる前に「チャイを飲む」というボディランゲージをすると、店員はちょっと笑って「OK」と言ってくれた。時間はちょうど6時頃で夕食の時間帯。やはりチャイだけというのは断られるだろうと思っていたので、この「OK」は本当に嬉しかった。
お金を支払うときに「ここのレストランは食事も美味しいから、是非帰りによっていってね」と声をかけられた。レストランでチャイだけを頼むといつもこのセリフを言われるが、この時は本当に疲れていたので「帰りによってもいいかな」と心底思った。
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クノール「ピラウの素」。 |
ヤプラク・サルマの缶詰(開封直後)。 |
オスマンさんに紹介してもらったスーパーマーケットは、本当に「地元の人たち」のためのものだった。店員のほとんどは英語が話せないし、イスタンブールに来て一番「不親切」な店だった。観光客相手の人たちは必要以上に観光客にかまってくるが、ここではまるでそれがない。日本のスーパーマーケットと同じように、店員は自分の仕事をもくもくとこなしているだけだ。店頭にクッキーなどの詰め合わせが山と詰まれており、その向かいにはおいしそうな野菜がものすごく安い値段で売られている。
買い物の目的は、トルコの食材と綿棒を買うことだった。お店の奥に綿棒を探しに行くが見当たらないので、品出しをしていた若い店員に声をかけるが彼は英語が話せないと言うのであきらめる。あちこち探して綿棒を無事発見。その後食材コーナーに行き、ヤプラク・サルマと書かれたぶどうの葉のドルマの缶詰と、めちゃくちゃ濃厚と噂のトマトピューレ、オリーブオイル、クノールのピラウの素、蘭の球根から採った粉の飲み物でトルコの冬の定番だというサーレップのインスタント、それとトルコチャイの茶葉を購入した。
缶詰等の食材はとにかくどれもでかい。普通サイズで500mlくらいある。オリーブオイルも一斗缶に近いものが普通に売り場にある。思えば、昔は日本のスーパーでも醤油が一斗缶で普通に売られていて、よく冬にボブスレーをひきずって買いに行かされたのを思い出す。オリーブオイルも一斗缶で欲しかったが、帰りにどうやって運ぶのかという問題が生じ小さい缶で断念した。
店の奥にはサラミやソーセージ、チーズなどが売られていて、エジプトバザールなんかよりもずっと安い。品物が違うといわれればそれまでなのだが、普通にみんなが食べている食材で十分なんじゃないかと思えば、スーパーマーケットを利用した方がずっといいと思ったりした。
旦那が会社のお土産にお菓子の詰め合わせが欲しいというのでそのコーナーに行ってみると、箱詰めのお菓子は棚の上の方にある。私の旦那も手が届かないので、近くにいた背の高い店員さんに「パルドン(すみません)」と声だけかけて棚まで来てもらいあれが欲しいとボディランゲージで伝えると、それまで「なんなんだ」といぶかしげな顔をしていた彼は、旦那をちらっと見た後くすっと笑って一箱取ってくれたのだった。
レジで並んでいると、イスラムの黒いかぶりものをしている女性が列に横入りしてくる。だが、それを戒めるボキャブラリーは私にはないので、そのままむっとしていたがレジの店員はそんなことはおかまいなしに事務的に仕事をしている。無事にお金を払って店を出ると、今度は疲れた身体に重い荷物が大変辛い。お腹もすいてきたし食事をとって帰ることにした。
つづく
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