Copyright & 2006 by makura GEKIDAN Shirakaba. All Rights Reserved.
 無断転載を禁ず
Google
WWW を検索 げきだんしらかば を検索


◇トルコ旅行記 〜6月5日 プリンス諸島行き定期船に乗る〜2007年08月09日 05時44分59秒


2007年6月5日現在のプリンス諸島行きの船の時間表。Eさんがトラベルインフォメーションでもらったのを撮影させてもらった。
※ クリックすると大きく表示します。

■ビュユック島に行く


この日はイスタンブールから船で一時間半ほどのところにある、プリンス諸島に行くことにする。この諸島の存在は、NHKのトルコ語講座で案内人が行ったのを見て知った。テレビの中では馬車に乗り、トルココーヒーを注文するというのを紹介しており、のんびりとしたその風景が大変印象深かった。
プリンス諸島は、マルマラ海にあるイスタンブールから一番近いリゾート地。9つある島のうち、船で行けるのはクナル島、ブルガズ島、ヘイベリ島、ビュユック島の4つ。
前の日にオスマンさんにどの島がお勧めか聞くと、彼はビュユック島がいいと言う。そして、彼が大事にしているというプリンス諸島の案内小冊子を貸してくれた。

朝7時半にいつものようにホテルの地下食堂で朝食を食べていると、「日本人ですか?」と日本語で声をかけられた。その人は私たちよりも少し早くから滞在していたアジア人の女性で、いつも西洋人の男性と二人で食事をしている人だった。これまで何度か食堂でお会いしていたが、軽く朝の挨拶を英語でする程度で話をしたのは初めてのことだった。「そうです」と返事をすると、「いつも日本人かなあと思っていたのだけど、確信がもてなかったので今まで声をかけられなかった」と話してくれた。彼女はM・Eさんと言う日本人だが、ドイツ人のご主人E・Eさんと結婚されて現在はドイツに住んでいるとのこと。これまでどこに行ったなどと話しているうちに、彼女達もその日プリンス諸島に行く予定だということを知った。
これまでイスタンブールからプリンス諸島に行く場合どこの港から船に乗るのか、聞く人によってエミノニュからという人もいればカバタシュからという人もいたが(ガイドブックにはエミノニュから船が出ていると書いてある)、Mさん達がインフォメーションで聞いたところによると、エミノニュは船着場が多くプリンス諸島航路の船着場は駅からも少し歩かなければならないが、新市街にあるカバタシュからだと乗るのが判りやすくいいらしいことが判り、私たちもそこから船に乗ることにした。Mさん達は、どこの島に行くかまだ悩んでいるとのこと。もし途中でお会いしたらご一緒しましょうと、特に約束もせずに食堂を引き上げた。

朝9時40分頃スルタンアフメットからトラムヴァイに乗り、ガラタ橋を通って15分ほどでカバタシュに到着する。駅のまん前に桟橋があり、船着場の入口には人がごった返している。時間と料金をはっきり調べていなかったので時刻表を確認していると、旦那がトルコ人の男性につかまっている。この人はビュユック島のレストラン「アリババ」の客引きで、観光客を捕まえては名刺を渡している様子。旦那が時間や値段を聞くと「40」と言うので旦那はそれを船の料金だと勘違いし、またぼったくりだと思って「高すぎる!」と抗議したが、それは次の船が10時40分に出港するという説明を勘違いしていたことが判明。「料金じゃなくて船の時間だよ」と笑われていた。そして、切符を購入する場所や名刺に帰りの船の時間などを親切に書いて教えてくれ、もし島に来たらぜひレストランに寄ってくれと言った。



 

カバタシュの船着場。ここからのプリンス諸島行きの船は定期船なので、観光客と地元の人でごった返している。
 
乗船コイン。
     
   

カバタシュの船着場に隣接するカフェのテラスから見た風景。

   


切符売り場で乗船コインを購入し、出航までにはまだ少し時間があるので隣接するカフェでお茶をしながら待つことにする。船の料金はビュユック島まで一人2YTL(約186円)。乗船コインはトラムヴァイのコインに似ている。トルコの乗り物は、紙の切符ではなく大抵このコインを自動改札機のような機械に挿入して入口のゲートが開く仕組みになっている。紙だと使い捨てだが、コインだと回収してまた使用できるので経済的だと思った。

カフェに入るが店の人が案内してくれる様子はないので、勝手に海を眺めるテラスの席を陣取り注文を取りにきてくれるのを待つが、なかなか注文を取りに来てくれない。旦那がカウンターまで「注文したいのでメニューをくれ」と言いに行くと、「席で待つように」と言われもどってくる。しばらくして愛想のないギャルソンがやってきて注文を聞くのでチャイを二つ注文する。
船着場の入口は人でごった返していたが、店の中は人があまり利用していない様子。船着場側の席では外で売っているドネルケバブで朝食を取る人などがいるが、私たちのいた海側のテラス席はお茶をしながらぼーっと海を眺める西洋人が数人いるだけだった。
この日のイスタンブール地方は雨の予報だったが、薄曇りではあっても大変良い天気で安心する。暑すぎることもなく寒いこともない。




船から乗客が投げるエサを目当てに船についてくる海ネコ。彼らのエサをとる技術は大変高いが、乗客のエサを投げる技術はあまり高くないので、多くのエサが海にうかんでいた。エサは街中で売られているパン。

■Eさんご夫妻との再会


出航の時間がせまり船着場に戻ると、改札の前は人で更にごった返している。日本だと整然と列を作って順番を待つが、トルコではその列は大変曖昧だが、気にする人は誰もいない。その列の中にEさんご夫妻いるのが見えて声をかける。
ゲートにコインを入れて船に乗り込むが、席はどこもうまっていて立っているしかない。Eさんご夫妻はまだどこの島に行くか迷っている様子だったが、ビュユック島にご一緒することになった。ビュユック島は車の乗り入れが禁止されており、交通手段は自転車か馬車しかないらしい。だが、私たちが島で自転車を借りて周るつもりだと言うと、ちょっと躊躇されている様子でもあった。

船の中では、一杯1YTLのチャイのサービスがある。お盆にチャイを乗せて売りに来るのだが、たまたまカバタシュの船着場でEさんご夫妻が会ったレストラン「アリババ」の客引きがその係で、彼らにチャイをフリーサービスしてくれたついでに私たちもご相伴に預かった。
立ったままチャイを飲みながら窓の外を見ていると、乗客が外に向かってパンを投げ、それを船と一緒に飛んでいる海ネコが見事にキャッチしている。仙台に行ったとき松島巡りの船でも同じような光景を見たが、細かい島を眺めるマルマラ海の風景も松島とちょっと似ているような気がしてしまう。海ネコの数はどんどん増えていってちょっと怖いくらい。海の中を見るとくらげが浮かんでいて、こんなところにもくらげがいるのだなあと、あたり前のことを思ってしまう。



 

海におちたエサも海面をとびながらゲットしている海ネコ。
 
仙台松島を彷彿させる風景。


ビュユック島はプリンス諸島航路の終点なので、途中で下船する人がいて空いた席に移動すると、奥の方から楽しそうな歌声が聞こえてくる。Mさんと二人で様子を見に行くと、地元の高校生が小さなジャンベを演奏しながら踊り歌っている。あまりに楽しそうなので一緒に踊りたかったが、ちょっと恥ずかしいので遠くで見ていると、高校生の一人がにっこり笑って手を振ってくれた。船の中での大騒ぎにそれを戒める人は誰もいない。演奏も歌も踊りもとても上手なので、逆にその光景をみんな楽しそうに眺めているのだ。日本だったら「うるさい」と思う光景も、旅先では楽しい光景に変わっているのが不思議に思える。
Eさんご夫妻とお話をしているうちに一時間半はあっという間に過ぎてしまい、船はビュユック島の船着場に到着した。


つづく

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
下記の文字を解答欄に入力してください。
しらかば

コメント:

トラックバック




Copyright ©2006 by makura GEKIDAN Shirakaba. All Rights Reserved.
無断転載を禁ず