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◇国際口琴フェスティバルin東京「月」に行く2008年10月15日 03時26分22秒

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10月12、13日に行われた、国際口琴フェスティバルin東京「月」に参加した。
今回は、印刷物とWEBの作成と物販要員。
日本口琴協会のイベントを手伝い始めて10年弱になるが、こんなにも口琴人口が増えているのだとびっくりするほどの人が集まったように思う。
今回は、ロシア連邦サハ共和国からアヤルハーン、イタリアのシチリアからイペルクッソーニチが来日し、アイヌ民族の口琴演奏者11名と、キルギスのカリマンと石阪さんのユニット、そして日本国内から口琴演奏者が24組、口琴製作者が9名(鹿児島の長瀬さんは欠席)集合しての、口琴のイベントとしては大変に大掛かりなものだった。

サハのアヤルハーンは、2000年にメンバーのアリビナと来日したオリガが来ていて、当時14歳だった少女が22歳になりすでに結婚もしているということでびっくり。すっかりきれいなお姉さんになってしまっていた。それでも彼女は8年前のことを覚えていると言ってくれていた。
アリビナとは何度も会っていて、会話はできなくてもいつも「ありがとう、あなたは私の友達です」と言ってくれるので、今回はロシア語を勉強して少しでも話ができればいいと思っていたのだが、いざとなるとまったく単語が出てこない。頭の中でこれまで覚えた単語がぐるぐるしてしまい、何も話せなかった。それでも彼女は「会話はできなくても、気持ちが通じていると思う」と言ってくれてうれしかった。
2000年のときに一緒に来日していた、フェドーラ・ゴーゴレヴァが昨年亡くなったという話を聞いていたので、彼女の話をして二人で手を取り合って泣いてしまった。

彼女たちの演奏は、自然の造詣を声と口琴で表現するというものなのだが、その力量にはものすごく圧倒されてしまう。プレステージとして11日に東中野のポレポレ坐での演奏は、マイクなしの演奏にも関わらず壁がびりびりするほど。
鳥の声、馬のいななき、ギャロップの馬蹄の音など、今まで聞いた演奏から更にグレードアップして圧倒されて、涙が出てきてしまうくらいすばらしかった。

イタリアのイペルクッソーニチのメンバーは、非常にフレンドリーで明るい。日本食や日本の文化に非常に興味を持っていて、和柄の足袋ソックスと日本料理の本をあげたら、ものすごく喜んでくれていた。
そして、その演奏は非常のエネルギッシュでリズミカルで楽しい。シチリアの太鼓とディジリドゥ、口琴だけの演奏なのに、リードボーカルで紅一点のアリーチェの唄がこれらの楽器をまとめてどんどん客をひっぱっていく。思わず踊りだしたくなってしまうのだ。
フェスティバルの最後のステージをちらっと見たとき、宗教色の強いメロディをモチーフにして歌ったときは、最初仏教の声明を聞いているような錯覚に襲われたが、マリアの名前が歌詞に出てきたので、これはキリスト教のものなのだと気づいた。このあたりの表現方法が心地よく、なんとも不思議な気分だった。
帰り際に挨拶したとき、メンバーから「18日にもここでまた演奏するから来て欲しい」といわれたのだが、17日は病院で20日は歯の手術を控えているので来られないというと、とても残念そうにして投げキッスで見送ってくれた。


物販の手伝いはいつものことなのだが、今回は物販システムがいつもと違っていたので、大変手間取ってしまった。
最近のイベントでは口琴をすでに持っていて、買い増ししたい人やコレクターズアイテムとして購入する人が多かった。しかし、今回は口琴を初めてて購入するという人が思いのほか多く、「口琴の音を聞かせて欲しい」とか、「演奏方法を教えてほしい」などの要望が多く、二つあるイベント会場のひとつに隣接していた物販ブースは人だかりが絶えず、演奏中でもその手の要望は多く、途中で食事をとるのもままならない状態。口琴の物販でこんなに大変な思いをしたのは初めてだった。

それでも、口琴仲間(?)で久しぶりに会った面々が勢ぞろいし、ゆっくり話はできないものの、顔を見て「久しぶり」と声をかけてもらえたのはうれしかった。
中には、なんとなく疎遠になってしまった人や、ちょっとしたことがきっかけでなんとなく話しづらくなってしまった人もいたのだが、そういう人とも気軽に声をかけあい、昔のように話ができたのは収穫だった。

あまりにも物販に人が絶えず、物販ブースから見えるはずのステージもまったく見ることができず、別な会場のステージは最後にイペルクッソーニチのステージをちょっと見る程度でしかなかったのが残念。最初の約束で「見たいステージのときには物販を抜ける」ということだったのだが、状況は許してはくれなかった。
それでも、こういうイベントにスタッフとして参加できたことは光栄で、口琴好きな私たち家族にはうれしいことなのだと思う。
でもあまりにもいろいろありすぎて、ここ数年思っていた「そろそろ身体と心がつらいかな」という思いが、このイベントで強くなってしまったのも確かかも。

国際口琴フェスティバルin東京「月」
http://www.koukin.jp/IKFT1moon/



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