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◇猫介護生活:食事の仕方に翻弄される2010年06月27日 06時47分30秒

今年の夏で23歳になる我が家の猫だが、おむつを余儀なくされ、満足に歩くこともできないときもあるのに、自分の欲求を強く感じるときだけは、颯爽と走ったりする。
さっきまではよぼよぼと立てないそぶりを見せていたのに、ご飯を見るや足がすばやく動き出すらしい。
目も耳も遠くなって、近くまでいかないと呼んでも気づかないというのに、けっこう遠くにいてもご飯のパウチを見せるだけで飛んでくる。
食欲は大変旺盛で、お腹のすいた時間になって食事の用意ができていないと、私のところに来て食事がほしいとアピールすることも忘れない。
欲求というのは、本当に生きるために必要なものなのだと痛感する。

猫の介護をされている飼い主さんのブログなどを拝見すると、食事が自分でできないために、強制給餌をしているというのを見かける。
その理由はいろいろのようだ。

我が家の猫は、舌が自由に動かないらしく、昔は鼻の頭に練り薬をつけたりすると、舌でぺろぺろとそれをなめてしまったのだが、最近は食事中でも水を飲むときでも、舌が口から出ているのを見ない。
舌が溶けてなくなってしまっているのではないかと、口をこじ開けて見るとちゃんとある。
しかし、昔のように舌を出して鼻の頭をなめることさえできないくらい、舌の自由は失われているようだ。

舌で食べ物を口に運ぶことができないので、食事はかじりつくように食べることになる。皿の上にレトルトパウチのご飯を盛り上げて、そこに口をもっていき、がぶりと食べやすいようにしてあげるのだ。
食欲だけは満点なので、がぶりがぶりとやるうちに、上半身が皿からぶれて皿のふちを噛んでいたりする。猫は、食べ物でないものをかじっていることには気づかない。
やわらかいプラスチック製の皿やスプーンは、たちまち傷だらけにされ、割れてしまう。
下手をすると、プラスチックのかけらが口に入ってしまうので要注意だ。

便秘予防のために、毎日夜にビオフェルミン(人間用)を一錠飲むのだが、食事の後に投薬しようと仰向けに抱えて口元を見ると、下唇がぱっくり割れている。ちょうど、下のはぐきが歯からはがれて、口をあけているかのような傷口だ。
口内炎のようで痛いはずなのに、本人はけろっとしている。傷口をさわっても、痛がる様子もない。
すでに痛みの感覚もにぶってしまったのだろうかと思うと、涙が止まらなくなる。

自分で食べられるうちは自分で食べるようにしたいと考え、できるだけ強制給餌はしないようにするつもりであるが、近い将来必ずくるであろうその時のために、準備だけはしておこうと思う。

今朝、朝ごはんをあげたところ、口の痛みもそこそこにいつも以上にがっついて食べる姿に、少しだけ安堵する。
口が痛くて食べられない状況になると、危険だと思っていたからだ。

しかし、昨日から少し元気がなく、ずっと自分のベッドにもぐって食事の時間になっても起きてこないので、状況は安心できるものではないようだ。
食べさせれば食べるが、今までのように自分からほしがるということをしなくなってしまったのだ。

がつがつと食べる姿を見ていて、途中から口に含むばかりで飲み込んでいないことに気づく。
水の入った皿に口を移して水を口に含んでうがいをさせるのだが、口から大量にご飯が出てくるも、それ以上に口に入ってどうにもできなくなってしまっている様子。
シリンダで水を口に含ませても、水が全部出てきてしまう。

口の中をこじ開けて、少しずつ口の中の食べ物をかき出すが、下手をすると指をかじられてしまうで要注意である(今までに何度となく穴があいた)。
下唇も傷がついているので、これ以上傷を広げないようにもしなければいけない。

いろいろ考えて、割り箸を口の横方向から突っ込んで、反対側に出して、口を開けたまま固定しようと考えた。
すると、予想以上に食べ物は口いっぱいだったらしく、割り箸を突っ込むと半分以上の食べ物が口から出てきて、残りは無事に飲み込むことができたようだ。
水の皿に口を持っていくと、つたないながらも水を飲むことができたので一安心だ。

ふと、人間の老人が餅を喉に詰まらせて死亡するというニュースを思い出して、また涙が出てきてしまう。

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