◇トルコ旅行記 〜6月5日 新市街・イスティクラール通りで買い物をする〜 ― 2007年08月23日 02時08分33秒
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世界一短い地下鉄「テュネル」。 |
■世界一短い地下鉄に乗る。
トラムヴァイでカバタシュ駅からカラキョイに戻り、カラキョイから出ている「世界一短い地下鉄」テュネルに乗って新市街に行くことにする。テュネルの駅は、トラムヴァイのカラキョイの駅のすぐ近くにあり、入口もホームも古くて薄暗い。この地下鉄が開通したのは1875年のことらしく、当然乗車コイン「ジェトン」の自動販売機はそれよりももっと後に作られたのだろうが、自動販売機もゲートも何もかも古い。まるで地下倉庫の一画に駅のホームがある感じで、ホームには広告もなければ何もなく、ただむきだしのコンクリートの壁がじっとりしているだけだった。
カラキョイ駅からテュネル・メイダス駅までの一区間しかなく、車両は2車両だけで丸の内線の旧車両を更に古くして小さくした感じ。一区間しかないのに、0.9YTL(約84円)と料金はちょっと高めだ。
一円玉よりも小さなジェトンは、注意していないとすぐに落としてなくしそうで、案の定旦那はジェトンをゲートに入れようとして失敗し、薄暗闇の中に落としてしまった。ちょうど地下鉄がホームに入ってきたところでゲートは人の出入りがはげしく、薄暗闇の中で小さなジェトンを探すのは一苦労だった。ゲート脇の乗務員がいる窓口からその様子を見ていた駅のおじさんが親切に探して拾ってくれたため、なんとか買いなおさずにホームに入ることができた。
テュネルは朝7時から夜9時までの運行で、このときすでに8時を回っていたため、帰りは地下鉄を利用できないのが残念だった。
昔の列車のような直角の椅子に座っていると、向かいと隣の席に外国人の8人連れの団体さんが乗り込んできた。私の向かいには、30代くらいのアラブ系のような顔立ちの黒髪の女性が座った。
車両の中は何故か蚊のような小さな虫がとびかっている。手で払っても後から後から周囲をとびかってくるので、壁にとまったのを見て素手で叩き潰したら、向かいに座った女性がそれを見てびっくりして「グレイト」と言って親指を立てて喜んでいた。
地下鉄はあっという間の2分ほどでテュネル・メイダス駅に到着した。
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新市街を走る旧式のトラムヴァイ。 |
■新市街・イスティクラール通り
テュネル・メイダス駅から地上に出ると、目の前に大きな商店街のイスティクラール通りがあり、そこに旧式車両が走る新市街トラムヴァイが走っているのだが、「なんかかわいい路面電車だねー」などとのんきなことを言っていたら、それが目的のトラムヴァイであることに気づいたのは電車が出てしまってからのことだった。新市街の目玉であるタクシム広場は、テュネル・メイダスの駅からトラムヴァイでイスティクラール通りを抜けた3つ目の駅である。歩いていってもいいのだが、空はまだ明るいけどぽつぽつと雨が降り出してきている。それでもにぎやかな商店街はかわいい電飾で装飾されていてそこを歩いていくのも悪くないと思い、折りたたみ傘を取り出して次の駅までイスティクラール通りを探索することにした。
イスティクラール通りのお店は、旧市街と違って建物自体は古いが垢抜けたディスプレイがされている。商品も現代的なものが多く、日本の小さな地方都市の繁華街といった感じ。小さな商店も多いが百貨店風のお店も多い。夜も遅かったこともあり、観光客よりは現地の人やこの界隈をうろうろしている人が目立っている。
大きな壁のある場所にはびっちりとコンサートや映画などのポスターが貼られており、マリリン・マンソンのポスターがあったりして「こんなところでもアメリカ人のロックコンサートをやるのだなあ」とごくあたりまえのことを感心したりした。
道端では楽器を持って弾き語りをする若者などがあちこちに点在しており、中南米の民族衣装を着てペルーの歌を唄っている人や、アコギでスモーク・オン・ザ・ウォーターを熱唱する二人組などがいたりして楽しい。スモーク・オン・ザ・ウォーターの二人組のうちの一人のギターには、何故か漢字で「愛」とでっかく手書きの文字が書かれていた。
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イスティクラール通り。 |
イスティクラール通りの小さな商店。遅くまで営業しているのは旧市街と変わらない。 |
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壁にびっしりと貼られたイベントのポスター。 マリリン・マンソンのコンサートがあったらしい(写真右)。 これを撮影していると、通りにいたトルコ人に笑われてしまった。 |
しばらく歩いていると、右手に綺麗な本屋を見つけたので入ることにする。トルコの楽器の本と料理の本がほしかったので覗いてみると、各国の言語に訳された料理の本がいろいろあって楽しい。トルコの楽器の本がなかなか見つからないので、レジの人に色々と質問して探してもらったが、日本語に訳されたものはなかった。トルコ語のものは当然あったのだが、ものすごく分厚いので購入を断念した。探してくれた店員さんは、ものすごく親切に注文を聞いてくれ、まるでコンシェルジュのよう。日本でもこれくらい親切に本を探すのを手伝ってくれる店員さんが、大きな本屋にいたらいいのにと思ったりした。
ここの店は、本のほかにもCDが売られていたのだが、旧市街の土産物屋で見た価格よりもずっと安い値段で売られている。やはりスルタンアフメットあたりは観光客向けの店が多いので、値段も高めなのだと知り、もう少し値段を調べてから購入すべきだったとちょっとだけ後悔した。
本屋を出た頃にはすでに外は真っ暗になっていて、雨も多少はげしくなってきていた。時間もすでに9時をまわっている。不思議とお腹がすいていないが、とてもタクシム広場まではたどりつけそうになく、この日はイスティクラール通りを適当なところまでいって、タクシム広場は次の日に行こうということになった。
しばらく歩いていくと、右手にのびるアイスクリームの店があり店内でも食べることができるようだった。しばらく店の前をうろうろしてアイスクリームがびよんと伸びているのを眺めていたのだが、多少寒かったので腹具合がおかしくなるのを躊躇してしまい、次の日タクシム広場に行ったときにしようと結局食べなかった。今から思えば、次の日は予定を変更して新市街には行かなかったので、この時食べておくべきだったのだ。結局この後もう一軒のびるアイスクリームの店をみかけたのだが、のびるアイスクリームは食べず仕舞いに終ってしまったのだった。ああ、後悔!。
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お菓子屋のドライフルーツ売り場。いちじく、マンゴー、あんずなどさまざまなドライフルーツがある。 |
お菓子屋のナッツ売り場。日本のでんろく豆のようなものや、春日井のグリーン豆そっくりのものもあったりして面白い。 |
またしばらく歩いていくと、右手に大きなショーケースが両側にあるお菓子屋を見つけ、入ってみる。そこにはさまざまな種類のナッツやドライフルーツ、ロクムなどが売られている。ロクムは1kgで25YTLと、エジプトバザールよりも旧市街よりも安い価格で店頭表示されていた。お店も明るく綺麗で清潔な雰囲気。お店の店員も異常に明るく、バザールのときのようなあやしげな雰囲気はみじんも感じられなかった。
他の店もそうだが、ここの通りは全体的に旧市街やバザールよりも値段は安めな感じがする。店頭表示価格ですでに安いので、旧市街やバザールがいかに観光客向けに高く値段設定してあるかがうかがえる。お店のお客も観光客よりは現地の人の方が多いようで、たくさん買い物をするのであればこちらの方がよかったのかもしれないと思ったりした。
ロクムはすでにたくさん買っていたので、ナッツを購入しようと色々と試食する。緑豆に塩のコーティングがされている“春日井のグリーン豆”のようなものや、醤油味ではないかと思われる“でんろく豆”風のものまである。もちろん、塩で味付けしただけのピスタチオやピーナッツ、アーモンドなども売られている。ドライフルーツは、ショーケースからはみださんばかりに山積みされており、あんず、ぶどう、バナナなど種類も豊富だ。パッケージも真空パックにしてくれ、湿気の心配のないように包装してくれるのも嬉しかった。
私の父が大変なナッツ好きなので、お土産にしようといろいろとりまぜたものを1kg購入したらものすごいでかい真空パックが出てきてびっくりしてしまう。その他にお土産のお菓子の箱詰めとアンズといちじくのドライフルーツを200gづつ購入し、30ドルというところを25ドルに負けてもらったのだがドル札がちょうど23ドルしかなく、「これしかドルがない」と空の財布を見せると「ノープロブレム」と言って23ドルにしてくれた。私たちが会計している間に、小学生くらいの女の子が5YTLコインを持ってナッツを買いに来ていた。表示価格そのままで購入していったので、私たちが買った価格が安いのか高いのかがちっともわからないが、「ノープロブレム」と笑っていたということはもう少し値下げできたのだろうかと思ってしまった。しかし、これだけ買って2800円弱なのを考えるとかなり格安なので、あまり深く考えないことにしたのだった。
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夜のガラタ塔。 |
通りのお店もちらほらと閉店になり、小さなドラックストアのような商店ばかりになってしまったので、この日はホテルに戻ることにした。雨はすでにあがっているが、テュネル・メイダス駅を過ぎた地下鉄沿いの坂道はけっこう急ですべりやすく、道も暗くて少し怖かった。小さなロカンタは空いているが、そのほかの店はほとんど閉まっている。通りにロカンタもなくなったところには、ハマムなどがちらほらあるばかりで、道は外灯もまばら。たまにすれ違う人がみんな悪い人なのではないかと思ってしまう。途中右手にガラタ塔がライトアップされているのが見え、なんとなくほっとする。
坂道をおりきったところに大きな道が現れ、トラムヴァイのカラキョイの駅が見えてきて本当にほっとする。電車を待つ間「今日の夕飯はどうしようか」と相談するが、なんだか疲れすぎていてあまりお腹がすいていない。トラムヴァイでスルタンアフメットまで戻り、駅の近くのドネルケバブ屋で3.5YTLのドネルケバブとアイランで夕食をすませてしまうことにした。
ホテルまでの帰り道、最初にロクムを買った店でトルコ石の指輪とネックレスを買ってもらった。この手の貴金属を買ってもらうのは、結婚して初めてのことである。
指輪はなかなか合うサイズがなく選ぶのに苦労したが、お店の店員は熱心に選んでくれた。金属部分がシルバーのものだったので、値段もそれほど高価ではない。もしかしたら石も偽物かもしれないが、石がとても綺麗だったのでそんなことはどうでもよくなっていた。二つで75ドルのところを60ドルにしてもらい、お土産用に箱入りロクム500g、15YTLを一つ購入した。ロクムは新市街でナッツを購入した店で買ってもよかったのだが、やはり味がこの店の方がよかったのだ。
指輪を選んでいる最中に一度店の外へ出てディスプレイされている棚をみようとしたら、店の入口に10cmはあろうかというでっかいなめくじがいてびっくりした。
この日は10時すぎにホテルに戻り旦那は疲れてすぐに寝てしまったが、私は写真の整理とネットでメールのチェックをするためにフロントに下りていたので、ホテルの夜のスタッフと夜半すぎまでおしゃべりをしていた。
つづく
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