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◇ひさしぶりだがなんだかバタバタしている。2012年03月02日 01時34分09秒

久しぶりの書き込みである。

去年の震災以降、なんだか得体の知れないもやもやしたものが、餅のように大きく膨らみ、なんだかそれに支配されてしまった。
それは正体のわからないもので、心のどこかに「でもなんとかなるさ」といつもあったものが、探さないと見えなかったり。
急激に地震の前と後では、心持ちがちがってしまった。

関東の西部で暮らす私の被災状況など、真の被災地に比べたら、別に「だからなに?」というようなものだ。
それでも、周辺に広がる放射能に対する反応や。
確信のない情報や、納得のいかない対応。
がれき処理のように、誰かが「みんなで助けよう」と言っても、簡単に首をたてにふれない周囲の状況。
みんなそれぞれ持っている苦悩が違うから、誘われても足並みをそろえることができない。
あれこれ

「絆」なんていってもどこかそらぞらしく、自分の周辺にあるものさえ信じられず、だからといってそれを説明できないもどかしさ。
そして一番は、結局は何もできない自分自身の非力さと、現実を受け止められない葛藤が問題なのだろうと思うのだ。
今でも、被災地の映像を直視できないくせに、それを毎日目の前にしなければならない人には、何もしてあげられない。


アタゴオルのヒデヨシみたいに、

『腹いっぱい空気をすいこみながら両手をあげ
よおしといいながら
片足を出し
両手をふりおろします

これを5・6回やれば
心の悩みなんかいっぺんでふきとんでしまいますよ』
(ますむら・ひろし著 アタゴオル物語「こちらはゴロニャオ」より)

となれればいいのだけど、
何回やっても、なかなかそういう心持にはならなかった。


なんちゃって被災者の私でも、震災の前と後では、すっかり見える風景も違ってしまったのだ。

少し落ち着いてきた頃、私の周囲を見ると、なんだか、同じような心持になっている人がたくさんいる。
自分で気が付いている人もいれば、まったく気づかず、でもその違和感に苦悩する人もいる。
そういう状況であることさえ、気づいていない人もいる(まあ、それが一番幸せなのかもしれないが)。

最近、自分のことを自分で見えるうちは、まだましかなと思う。
でも、自分で見ているものが、本当に真実であるかどうか、自分で判断できるのか、まだ不安だったりもする。
それでもまだ目が開いているうちに、見るべきものはきちんと見ておこうと思ったりする。
せめて自分と家族だけは、きちんと見ておきたいと思ったりする。
自分に何もできないのに、他人にあれこれ“施す”ことなど何もないのだ。
目をそらしていても、これだけは判る。

春というのにまだ寒く、今年は梅の花もまだ見かけない。
宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」にでてくる冷害の飢饉の前触れのようだと、なんだか不安にもなる。
ブドリは火山の研究をし、最後は住民の生活を守るためにその身を投じるのだ。

でも、運転免許の書き換えもあるし、確定申告やら、花粉症対策やらと、やはり現実は何かと忙しい。
忙しいのに、気がまぎれることもない。
それでも、期限までにのんびりと思っていたのだ。

一年ばかり、意識するのとしないのとで、ものごとをあまり考えないようにしてきた。
考えないようにしても、いろいろなことを考えざるをえない。
だから、なんとなく忙しくしないできた。
それがくせになって、なんだか身体も心も動かない。

そんな中、ちょっと大きな依頼があった。
依頼人は旧知の人物だ。
私が今までやってきたことと比較しても、感覚を最大限に使わなければできない内容。
友人の期待にも応えたいので、「のんびり」などとは言っていられない。
よそにふっても、それ相当のものはできるかもしれないが、私にしかできないものであると、自負することも必要だ。

春に覚醒するように、自分の感覚を研がなければ動けない。
感覚を覚醒させて、震災一年を迎える気持ちの準備もしなければならないのだと、自分に言い聞かせる。
新しい気持ちで、いろいろなものを見る目を開かないと、自分に対しても何もできないのだと、自分に言い聞かせる。

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