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◇THE 100 CLUB 1977 / The Jam2007年11月21日 14時14分44秒

 
 
ラジオで初めて彼らの音を聞いてから27年。やっぱりThe Jamが好きだ。
全盛期には、NME誌の人気投票で絶大な人気を誇り、未だにヨーロッパでは再結成してほしいバンドのトップ10に入るほどの人気があるにも関わらず、The Style Councilは知っている人が多くてもThe Jamの日本での知名度は低い。それでもアメリカなんかに比べればずっと高いのかもしれないが、彼らがイギリスで残した功績は大きく、70年代や80年代に影響を受けた最近のバンドの中には、The Jamの影響を如実に感じるバンドも少なくない。

そのThe Jamの幻のライブ盤「THE 100 CLUB 1977」のCDがイギリスでGoodtimes MUSICからやっと発売になった。
このアルバムは、1977年に7月30日にロンドン100Clubで行われたライブを収録したもの。もともとはセカンドアルバムとして発売されるものだったらしい。Goodtimes MUSICは過去の廃盤になったものをリイシューしているレーベルのよう。

この頃のThe Jamは、スピード感あふれて若さが爆発している感じがする。Mod Fatherなどと言われる現在の渋いPaul Wellerもいいが、もてあましたエネルギーを発散させてもまだ足りないけど、生意気でどこかリリカルなこの頃のThe Jamがやっぱりいいと思ってしまう。

初めてThe Jamの演奏を聴いたのは、初来日した1980年。日本青年館での来日公演の様子をNHK-FMで放送したものだった。
当時(今もか?)The Jamはパンクにカテゴライズされていたのだが、パンクバンドにありがちな暴力的で瑣末的な雰囲気がまるで感じられず、ものすごい勢いとリリカルな雰囲気が私の中に入ってきたのだ。
聴いていると歌詞もわからないのに一つの情景がはっきりとうかんできて、まるでその中に自分がいるような錯覚に襲われる。曲を聴いた後でレコードの歌詞の対訳などを読むと、聴いたときの情景がそのまま歌詞になっていてひどくおどろいたりする。
そして何より私が彼らから離れられないのは、聴いたときに胸の奥がぎゅーっと熱く苦しくなるような不思議な感覚があるのだ。それは彼らの英国人独特の音の表現を感じたときなのかもしれないと思ったりしたが、英語がわからない私が聴いた瞬間に感じるこの感覚がなんなのかは今もわからない。今でもThe Jamを聴くと必ずこの感覚におそわれ、ラジオで初めて聴いた頃の感覚がまざまざとわきあがってくる。
胸の奥に感じる不思議な感覚と共に、わきあがる情景の中に身を委ねるのは心地よかった。そして何より、会ったこともなくライブを見たこともないこのバンドと確かに繋がっていて、私は確かにこの感覚を呼び起こすこのバンドが好きなのだという満足感みたいなものがあった。後にも先にもこのような感覚があるのはThe Jamだけで、歌詞を理解できる日本の曲でもこのように感じることはなかった。

それから音楽雑誌を読み漁り、彼らが影響を受けたといわれるバンドを追ったり、ロックに限らず自分の感覚に合う音楽を追求したりと、The Jamを基点として私の音楽生活は一変してしまった。
それだから、The Jamを知ってわずか2年程で彼らが絶頂期の中解散を発表したときは、ものすごくショックだった。
The Style Councilになってファンク色が強くなり、カフェミュージックなどと言われて日本でも流行したりしたが、何故だかThe Jamの後期と同じ曲を聴いても入っていけず、この頃のPaul WellerはすでにThe Jamの彼ではなく、彼の声にはBruce FoxtonのベースとRick Bucklerのドラムが必要なのだとしばらく思っていた。
今年The Jam結成30周年ということで、Paul Weller以外の二人のメンバーがThe Jam名義でツアーを行ったらしいが、再結成に全く興味のないPaul Weller抜きのThe Jamも、やはりThe Jamではないだろうと思ったりする。

「THE 100 CLUB 1977」は、ライブ盤としては解散間際に発売になった「Dig The New Breed」よりは、リマスターしたわりには音は良くないが、同じ日の同じ会場で行われた演奏をまとめたものとしてはそれがかえって当時の彼らのライブの雰囲気がよく伝えているような気がする。

若い三人が爆発しているこのアルバムを聴くと、初めて彼らの演奏を聞いた1980年のあの感覚がよみがえってくる。


BARKS / The Jam
http://www.barks.jp/artist/?id=1013091

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