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◇お盆の思い出2009年08月17日 03時09分33秒

灯篭流し
 
 
近所の川で灯篭流しがあることを、今年初めて知った。
このあたりでは、お盆の13日には家の前で迎え火を焚き、16日にも送り火を焚く習慣がまだ根強くあるらしく、スーパーでも7月と8月の新旧のお盆の時期には、お盆グッズが売られている。

灯篭流しも、一時期河川の汚染につながると禁止される地区も少なくなかったようだが、流した後の灯篭を回収するということで、あちこちの川で夏祭りの一環として催されているところも多いらしい。

このあたりでは、きゅうりやなすの馬も作って、玄関先に飾っているのを見たりもするが、北海道の少なくとも私の周囲では、そういう風習を見かけたことはなかった。
きゅうりやなすの馬をお盆の時期に作るという話は、知識として知ってはいたものの、実際に見たのは関東に来てからだと思う。

北海道育ちの私は、お盆というと、小学校の校庭で盆踊りが催され、浴衣で参加したということか。あとは花火大会。
送り火などをするかどうかは、自宅に仏様がいるかどうかで違っていたのかもしれない。
自宅に仏壇のなかった我が家では、特に迎え火をしたりということはせず、父の実家に親戚一同集り、お経をあげて宴会をするというのが毎年の催しだった。
一度だけ、お盆に親戚が集る前に父の実家に行き、13日に畑の端にある先祖のお墓へ続く細い道へ、ちょうちんを下げて歩いた記憶がある。
街灯もない山の中の真の闇はとことん暗い。
目が慣れてくるにしたがって鮮明になる、畑の奥へ続く山の暗闇を、本当に本当に怖いと思った。

昔は、お盆に水に入ってはいけないと、プールや海や川に行くことを禁じられた。お盆は地獄の釜の蓋が開くので、水に入ると引っ張られると言われた。
なので、お盆帰省のニュースで、田舎で何をして遊んだかというインタビューに、子供が「川遊びをして楽しかった」とか、「海で遊んだ」などと答えると、ものすごく違和感を感じる。

16日の灯篭流しは、先祖の霊をお送りする送り火の役割を果たすのだろう。水の中にあるというあの世へ続く道へ、ご先祖様をお送りするという意味があるのだろうか。
私の生まれたところでは馴染みのない灯篭流しだけど、川に流れる光はお盆を感じさせるのに十分な美しさであった。



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