◇THE PUBLIC iMAGE IS ROTTENを観る ― 2021年10月29日 04時57分14秒
映画『The Public Image Is Rotten ザ・パブリック・イメージ・イズ・ロットン』予告編
コロナ禍でどうなるのかと思っていたが、緊急事態宣言解除後に横浜で上映されることを知り、上映開始2日めの日曜日に観に行く。
日曜日ともあり上映開始10分前くらいには、「ああ、若いころパンクだったんだろうな」と思うような人たちが、映画館のロビーにわらわらと集まっている。自分もこの中の一人なのだと思うと、なんとなくこっぱずかしい気分。
まあ、それはいつものことだ。
PILのジョン・ライドンは、セックス・ピストルズのジョン・ライドンだった人だが、ピストルズのマネジメントをしていた、マルコム・マクラーレンとのいざこざは、よく知らなかった。ピストルズ側から見た記事は見かけることはあったけれど、グレイト・ロックンロール・スウィンドルがジョニーが脱退した後に撮影されたものだということも知らなかった。
セックスピストルズ グレイトロックンロールスウィンドル
セックス・ピストルズはロンドンパンクのシンボル的な存在で、パンクムーブメントの中心にあるバンドだったけれど、私が本格的に洋楽を聞くようになった頃には、ピストルズはすでに解散した後だった。
PILは、70年代後半に登場し、80年代初めには来日している。私にとってはPILのジョン・ライドンの方がリアルで、ピストルズはなんとなくビートルズ的な感覚で接していたバンドだった。
時代はパンクムーブメントからニューウェイブに移っていたからだ。
映画は、ジョニー・ロットンがどうしてジョン・ライドンになったのか。
PIL結成のいきさつから、90年代以降の再結成までの度重なるメンバー・チェンジと、パブリック・イメージという「会社」がどう移り変わっていったかのドキュメンタリー。
今まで、なんとなく疑問に思っていたピストルズとPILの関係が、ジョニー・ロットン側の立場で描かれている。
そして、PIL内部に起こるジョンとメンバーとの軋轢。
映画は、パンクのシンボルをふりほどいても、表現することを選んだ一人のアーティストの姿を描く。
ひとつの時代を彩ったアーティストの、最盛期と今を知るには、なかなか見ごたえがあってドキュメンタリーとしては面白かった。
ただ、できればストーリーだとかインタビューとか考えず、映画の中で流れるPILのそれぞれの楽曲を、一緒に歌って踊れる時間もあったら最高だろうなと思う。
ドキュメンタリー映画だから、Queenの「ボヘミアンラプソディー」やTalking Headsの「ストップ・メイキング・センス」や「アメリカン・ユートピア」のような胸熱上映はちょっと難しいだろうことも、今はそういう時期でもないことも承知の上なのだけれど。
映画館の椅子の上で、楽曲に合わせてゆれる身体を抑えるのは、大変だった。
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