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◇携帯電話のコールバック2019年09月18日 13時38分26秒

昨年(2018年)の11月に父が亡くなった。
父が亡くなってからしばらくの間は父の携帯電話をそのままにしていたのだが、死亡証明などの書類の有効期限が失効されるのを懸念し、亡くなって2か月ほどで解約した。

その後、私も携帯を変えるなどしたので、アドレス帳の整理をしていたときのこと。
間違えて父の携帯に電話をしてしまったのだ。
解約してすぐの頃は、「おかけになった電話番号は現在使われておりません」とアナウンスされていた。
しかし、父の携帯を解約して半年以上が経ったこの時、父の携帯番号は普通に呼び出し音が鳴った。
驚いてすぐに電話を切ったのだが、電話の向こうの人は律儀にコールバックしてきたのだ。

「もしもし?」という声は比較的若い男性の声だったが、それは当然の父の声ではない。
向こうも見知らぬ番号から電話がきたのでコールバックしたけど、私が誰だかわからないので、それ以上の言葉は発しない。
父の番号からかかってきた父ではない男性の声に、どのように対処していいのかわからなかった私は、「○○さん(旧姓)のお電話ですか?」と聞いてしまった。
相手は少し警戒した感じで「違います」と返事をしたので、「大変申し訳ございませんでした」と謝罪して電話を切った。

携帯電話が普及し始めた頃は、解約したばかりのときは間違って電話をしてしまう場合があるので、携帯電話の番号は最低でも3年間あけるという話だった。
しかし、携帯電話の普及で番号の割り当てが足りなくなり、今では半年足らずで別なユーザーに割り当てられるようだ。
半年くらいであれば、それが周知されていなければ別な人に電話をしてしまう可能性は大きいだろうと思う。
商用で使っていたものだったら、そういう間違い電話も多いのではないかと思ったりもする。

母にこのことを話すと、妹も少し前に父の携帯に電話をしてしまい、呼び出し音が鳴ったので驚いたらしいという話をしていた。
私の電話の着信履歴には、父の死から数か月して父から電話があったことになっている。
父にこの話をしたら、「俺の番号はいい番号だからな。すぐに貰い手がつくだろうな」と笑いながら言ったような気がする。

いずれにしても、父の番号を現在使用している方には、大変失礼なことをしてしまって申し訳ない。
妹が電話をしたときにコールバックがあったかどうかは知らないが、少なくとも私がかけてすぐにかけ直してきたことを考えると、商用の電話なのかもしれない。
ただ、電話の相手は「もしもし」としか言わなかったので、やっぱり個人用の電話なのだろうか。

父は私が電話をして出られなかったとしても、必ずかけ直してきてくれた。
それは病院に入院しているときでもそうだった。
病室では通話禁止だったので、決まった場所でしか通話ができなかったのだが、多少具合が悪くても時間がかかっても必ずその場所に移動してコールバックしてくれた。
父の番号の今の持ち主も、知らない番号からかかってきてもかけ直してくれるような律儀な方のようで、そういうところは父に似た気質の持ち主なのかもしれないと勝手な想像をしたりする。



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