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◇自動車試乗体験談4~ハイブリッドカー~2007年05月12日 06時36分48秒

車を選定するにあたって今までセダンは避けてきたのだが(でも、レクサスには乗ったが)、ハイブリッドカーには興味があったので、トヨタのプリウスとホンダのシビックを試乗してきた。

プリウスは、今回いろいろ試乗しまくっている中で、比較的早く試乗した車のひとつだ。
ハイブリッドカーならプリウスという印象が強く、ハイブリッドカーとしての性能もシビックよりも数段上という意見も多い。
以前一度試乗したときは、プリウスはセダンだったが、数年前のモデルチェンジでハッチバックに変更になったようだ。セダンとハッチバックの違いがいまいち理解していなかったのだが、見た感じは「普通の車」という印象が強かった。

試乗して見ると、意外に軽い。トヨタの走り特有のものなのだろうか、ふわっとした乗り心地である。だが、悪く言えばなんだか手ごたえがない。車を運転しているというよりは、動いているブリキ缶に乗ってふわふわ移動しているような印象。遊園地の電気カーに乗っている感じだ。
エンジン音が静かなのはいいのだが、ガソリン駆動と電池駆動がひっきりなしに切り替わっているようで、その切り替え音がヒョワーンと耳につく。
車内中央にあるナビゲーションシステムと一体になっている制御システムパネルで、駆動の状況などを色々と事細かく見ることができるが、「いや、こんなことまでいちいち報告しなくていいよ」という感じもしないでもなかった。
ハイブリッドカーとしての性能は、電池優先でできるだけガソリンを使わないような走りなので、これに関してはそのよさを実感できる気がした。

気に入らないのは、オーディオやナビゲーションシステムの選択肢がないこと。
車内中央にあるパネルモニターは、車の制御モニターと連動しているので、ナビゲーションシステムもオーディオもエアコンも全てここで制御することになり、専用のハードでしか動かない。そして、これがこの先変更がきかないらしいのだ。
ナビゲーションシステムのソフト自体は必要に応じて更新できるにしても、これから先ハードの性能を上げたくなったときに、対応できないのがいやだ。

連休明けて、シビックに試乗した。
日産、トヨタ、マツダ、ダイハツ、スズキと試乗してきて、国内三大メーカーのひとつであるホンダを最後にしたのは、実は私はホンダの車をほとんど知らないのである。ホンダの車と言われて思いあたるものがない。もともと車のメーカーと車種が一致しないどころか、車の車種もほとんど知らないので、ホンダがハイブリッドカーを出していることは知っていたが、それがシビックだということは、トヨタでハイブリッドカーの説明を受けたときに、シビックとの比較をされて初めて知ったのだった。

シビックというと、ものすごく昔の車という印象しかなかった。ハッチバックでさえない感じが今でもあるが、現在のシビックはハイブリッドタイプもそうでないのもセダンになっている。
形は最近の頭が丸っこい感じのデザインで、そう悪くはない。
運転してみると、普通のガソリン車とあまりかわらない。1300ccと排気量は少ないが、力がないという感じはまったくない。発進のときや坂道などはぐいぐいと走っていき、プリウスと比較してかなり力強さを感じる。
プリウスとの違いは、プリウスはどちらかというと電池優先なのに対して、シビックはガソリン優先ということらしい(違うかもしれない。説明を聞いた限りではこう解釈したのだが)。車を運転する中で、特に力が必要とされるときに電池の力が発揮され、余分なガソリンを使わないようにするというのがシビックらしい。プリウスが遊園地の電気カーであれば、シビックは電動アシスト自転車という感じだろうか。

シビックの嬉しいところは、電池とガソリンとどちらが使用されているかなどのアナウンスが、前面のパネルに小さく表示されているだけで、ほかに余分な説明がいっさいない。不親切といえば不親切だが、いちいち「今電気で走ってますよ~」とか車に説明されて嬉しいのは最初だけだろうと思う。どっちで走っていようが、とりあえず安全に動いて目的地につけばいいのである。
ナビゲーションシステムもオーディオも、普通の車と同じように好きなメーカーのものを好きなように設置できるのが嬉しい。
ただ、メーカーオプションがセットになっていて、そのセット以外の組み合わせには応じられないらしく、安全オプションはカーテンエアバック、横滑り防止システムなどまでほしいなどというと、フルオプションしか選択肢がなく、細かいオプション設定ができないのが難点である。


「ハイブリッドカーに乗って、車を運転するけど環境にも一応配慮したい」というのであれば、プリウスだと思う。ただ、プリウスには「車を運転して楽しい」という感覚は希薄だ。あれは車の形をした別な乗り物だと思う。
「車の運転を楽しみつつ環境にも配慮したい」というのであれば、シビックの方が「車感」は大きいと思う。

今乗っているデミオを買った後に、「次に買うときはハイブリッドがいいね」などと思っていたが、「車を運転する」というのを無意識に楽しむようになってしまっていることが、今回の試乗ではっきりと自覚してしまった。
これは、マツダの車が非常にやんちゃなことに端を発しているのだろうと思う。国産車・輸入車共にいろいろ試乗したが、マツダの車はどれも「車を運転している」という感覚を強く感じる。国産メーカーの車の中では、一番「車感」が強いようにも思う。よくも悪くもやんちゃで不親切なのだ。これに慣れてしまうと、トヨタや日産の車はどれも親切すぎて物足りない。
車に詳しい人であれば、トルクがどうとか、エンジンがどうとか説明がつくのだろうが、私は感覚的なことしかわからないので、マツダの車が他の国産メーカーと性能的にどう違うのかは説明できない。

そういう意味でいうと、プリウスはトヨタの車の中では「一番親切な車」といえそうな気がする。試乗をしまくっているうちに、「私はやっぱり車を運転しているという実感がほしい」と痛烈に感じるきっかけになったのも、プリウスだった。
プリウスの性能とコンセプトには敬意を払うが、たぶん今回プリウスを買うことはないだろう。
もしハイブリッドカーを購入するならシビックだと思うが、オプションが細かく設定できないのと、試乗の最後に車庫入れさせてもらってやっぱりセダンは運転しづらいと思ったので、シビックもたぶん買うことはないだろう。

ということで、今回の私たちの車購入計画から、ハイブリッドカーは候補から消えたのだった。



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