◇ライポン、ゼロックス、ホッチキス ― 2006年11月15日 14時39分43秒
ほんの何年か前に、旦那の従姉妹と台所洗剤の話をしていたときのこと。その人は旦那よりも何歳か上で、私とも10も歳は離れていないのだが、「ライポン使ってないの?」と言うのだ。
ライポン。ものすごく懐かしい響きで、一瞬新しい台所洗剤の名前かと思ったがそうではない。ライポンとは、昭和30年代にライオンから発売されていた「ライポンF」という商品名である。
現在の台所洗剤は液体のものが圧倒的に多いが、ライポンFは粉状で水などで溶かして使うものだったらしい。私が物心ついたときは「ママレモン」が主流だったので、私の記憶には「ライポンF」はないのだが、昔年寄りが同じようなことを言っていたので覚えていた。
ライオンが「ライポンF」を発売した頃、台所洗剤と言えば「ライポン」だったため、台所洗剤のことをライポンであろうがなかろうが「ライポン」と呼んでいた時期があったらしい。旦那の従姉妹は「台所洗剤は使っていないの?」という主旨の質問をしたのだろうと思うが、私とそれほど歳の離れていない人がこの代名詞を使用することに驚いた。
私の幼い頃は、ライポンにかわって液状洗剤「ママレモン」が台所洗剤の主流だった。当然、ママレモンはライポンに替わって台所洗剤の代名詞となったようで、すでに台所からママレモンが姿を消した頃になっても、母の年代の人は台所洗剤のことを「ママレモン」と呼んでいた。
この手の話では、先日最近友人になったMさんが「今年入ってきた新人の女の子が上司に「ゼロックスして」と頼まれて、大変困っていた」という話をしていた。
「ゼロックス」と言えば、現在ではただの会社名でしかないが、ゼロックスが日本で初めて複写機を発売してからしばらくは、オフィス街では「コピーする」ことを「ゼロックスする」といったのだ。この言葉は90年代初めまで聞かれたが、私も当初はなんのことやらわからなかった。
ライポン、ゼロックス共、今では死語になっている言葉だと思うが、その商品が発売されたときの印象があまりにも大きいためにそのまま商品名が固有名詞的使用方法をされている例は他にもたくさんある。
たとえば、ホッチキスなどもそうだ。ホッチキスの固有名詞は「ステープラ」あるいは「ステープル」なのだが、「これステープルして」といったところで、何をすればいいのかわからない人の方が多いのではないかと思う。
ホッチキスも、アメリカでホッチキスという人が開発し、ホッチキス社というところから発売されたため、この名前がついたもので、それがそのまま日本に固有名詞として定着したものらしい。
パソコンなども、昔はIBMと呼ぶ人がいた。日本ではNECの98シリーズがMS-DOS時代に爆発的に普及したため、パソコンを98と呼ぶ人もいる。Windowsが発売されてWindows98という製品が出た頃、まだパソコンのことを98と呼ぶ人がいて、「98買おうと思っているんだけど」という話をしているときに、私はOSを買うのだろうと思って話をしていたのだが、当の本人はパソコンのことを指しているのだという勘違いもあったが、この勘違いはなかなか気づくことができなかった。
もっとすごい人になると、パソコンのことを「ワープロ」と呼ぶ人もいるのだ。80年代初めまでは、和文タイプライターの代わりに日本語ワープロ専用機が普及した時代があったのだ。日本語ワープロ専用機は基はパソコンと同じようなものだったが、パソコンはまだまだ高価で使い勝手も素人には難しかったため、難しいパソコンの知識を必要としないワープロ専用機は根強い人気があった。
もっとも、パソコンが普及しだした当時は、一般的にはワープロか表計算ソフトくらいにしか活用されていなかったので、ワープロ専用機とパソコンの区別がいまいち判別できなかったということもあるのではないかと思う。
そういえば、ワープロソフトのことを「ワード」と呼ぶ人も最近では多いかもしれない。MS-DOS時代にはワープロソフトといえば「一太郎」だったが、MS-DOSとWindowsにとってかわるとマイクロソフトの陰謀でワードがワープロソフトとしては一般化ていった。
商品名を固有名詞として使う場合に、その人の年齢的要素も大きく関係してくる。今では、こういう現象もなかなか定着しないので、この手の言葉もホッチキスのような例がなければどんどんと死語化していってしまうのだろう。
物がなかった時代、新しく便利なものが発売されると、自然に一番普及した商品名がそのまま固有名詞として使われたことが多かったのだろうが、物が氾濫した今ではあまり考えられないような気がする。新しい商品が発売されても、すぐに対抗他社が同じような商品を発売するし、そのスピードも昔とは比べ物にならないくらい早いせいもあるのだろう。
ついこの間、電車の中で若い子が「俺、i-Podほしいんだよな」と言っている。しかし、彼の胸にはi-Podがさがっているので、別なi-Podがほしいのだろうと思っていたら、彼が言っているのはちがうメーカーのi-Podの類似商品のことらしい。
思わず「それはi-Podじゃないんじゃないか?」といいたかったが、話し相手の友達は何の違和感を持つ様子もなく会話をしているので、彼らの間ではi-Podが携帯型音楽再生HDDのことを指しているのだろう。一般的ではないが、ごくごくローカルには新規にある商品名がそのまま固有名詞的使用をされているらしいことに、ちょっと興味を覚えた。
ライポン。ものすごく懐かしい響きで、一瞬新しい台所洗剤の名前かと思ったがそうではない。ライポンとは、昭和30年代にライオンから発売されていた「ライポンF」という商品名である。
現在の台所洗剤は液体のものが圧倒的に多いが、ライポンFは粉状で水などで溶かして使うものだったらしい。私が物心ついたときは「ママレモン」が主流だったので、私の記憶には「ライポンF」はないのだが、昔年寄りが同じようなことを言っていたので覚えていた。
ライオンが「ライポンF」を発売した頃、台所洗剤と言えば「ライポン」だったため、台所洗剤のことをライポンであろうがなかろうが「ライポン」と呼んでいた時期があったらしい。旦那の従姉妹は「台所洗剤は使っていないの?」という主旨の質問をしたのだろうと思うが、私とそれほど歳の離れていない人がこの代名詞を使用することに驚いた。
私の幼い頃は、ライポンにかわって液状洗剤「ママレモン」が台所洗剤の主流だった。当然、ママレモンはライポンに替わって台所洗剤の代名詞となったようで、すでに台所からママレモンが姿を消した頃になっても、母の年代の人は台所洗剤のことを「ママレモン」と呼んでいた。
この手の話では、先日最近友人になったMさんが「今年入ってきた新人の女の子が上司に「ゼロックスして」と頼まれて、大変困っていた」という話をしていた。
「ゼロックス」と言えば、現在ではただの会社名でしかないが、ゼロックスが日本で初めて複写機を発売してからしばらくは、オフィス街では「コピーする」ことを「ゼロックスする」といったのだ。この言葉は90年代初めまで聞かれたが、私も当初はなんのことやらわからなかった。
ライポン、ゼロックス共、今では死語になっている言葉だと思うが、その商品が発売されたときの印象があまりにも大きいためにそのまま商品名が固有名詞的使用方法をされている例は他にもたくさんある。
たとえば、ホッチキスなどもそうだ。ホッチキスの固有名詞は「ステープラ」あるいは「ステープル」なのだが、「これステープルして」といったところで、何をすればいいのかわからない人の方が多いのではないかと思う。
ホッチキスも、アメリカでホッチキスという人が開発し、ホッチキス社というところから発売されたため、この名前がついたもので、それがそのまま日本に固有名詞として定着したものらしい。
パソコンなども、昔はIBMと呼ぶ人がいた。日本ではNECの98シリーズがMS-DOS時代に爆発的に普及したため、パソコンを98と呼ぶ人もいる。Windowsが発売されてWindows98という製品が出た頃、まだパソコンのことを98と呼ぶ人がいて、「98買おうと思っているんだけど」という話をしているときに、私はOSを買うのだろうと思って話をしていたのだが、当の本人はパソコンのことを指しているのだという勘違いもあったが、この勘違いはなかなか気づくことができなかった。
もっとすごい人になると、パソコンのことを「ワープロ」と呼ぶ人もいるのだ。80年代初めまでは、和文タイプライターの代わりに日本語ワープロ専用機が普及した時代があったのだ。日本語ワープロ専用機は基はパソコンと同じようなものだったが、パソコンはまだまだ高価で使い勝手も素人には難しかったため、難しいパソコンの知識を必要としないワープロ専用機は根強い人気があった。
もっとも、パソコンが普及しだした当時は、一般的にはワープロか表計算ソフトくらいにしか活用されていなかったので、ワープロ専用機とパソコンの区別がいまいち判別できなかったということもあるのではないかと思う。
そういえば、ワープロソフトのことを「ワード」と呼ぶ人も最近では多いかもしれない。MS-DOS時代にはワープロソフトといえば「一太郎」だったが、MS-DOSとWindowsにとってかわるとマイクロソフトの陰謀でワードがワープロソフトとしては一般化ていった。
商品名を固有名詞として使う場合に、その人の年齢的要素も大きく関係してくる。今では、こういう現象もなかなか定着しないので、この手の言葉もホッチキスのような例がなければどんどんと死語化していってしまうのだろう。
物がなかった時代、新しく便利なものが発売されると、自然に一番普及した商品名がそのまま固有名詞として使われたことが多かったのだろうが、物が氾濫した今ではあまり考えられないような気がする。新しい商品が発売されても、すぐに対抗他社が同じような商品を発売するし、そのスピードも昔とは比べ物にならないくらい早いせいもあるのだろう。
ついこの間、電車の中で若い子が「俺、i-Podほしいんだよな」と言っている。しかし、彼の胸にはi-Podがさがっているので、別なi-Podがほしいのだろうと思っていたら、彼が言っているのはちがうメーカーのi-Podの類似商品のことらしい。
思わず「それはi-Podじゃないんじゃないか?」といいたかったが、話し相手の友達は何の違和感を持つ様子もなく会話をしているので、彼らの間ではi-Podが携帯型音楽再生HDDのことを指しているのだろう。一般的ではないが、ごくごくローカルには新規にある商品名がそのまま固有名詞的使用をされているらしいことに、ちょっと興味を覚えた。
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