◇化学調味料とわたくし~味の素編~ ― 2008年06月10日 02時36分26秒
私は化学調味料が嫌いだ。
別にグルメぶるつもりもない。
食の安全だとか、スローフード推進的思考であるとか、そういうことはまった関係なくただ純粋に本能のままに嫌いなのだ。
なぜ突然こんなことを書き出すかといえば、化学調味料のことを考えているうちに昔のことを思い出し、私がどうして化学調味料を嫌いになったか残しておきたくなったからです。よくわからないけど、「食育」のひとつのヒントになるかもしれないので、参考にしたり笑ったりしてください。
化学調味料は子供のころから嫌いだった。
1970年代前半の頃、赤いキャップの某社の社名にもなっている化学調味料「味の素」が、少なくとも私の周囲の家庭にはどこにでも食卓の上に置かれていた。
それこそ、ラーメン屋にもデパートの食堂にも、食卓で味の素の赤いキャップを見ない日はなかったくらいだった。
さしみの醤油皿、ざるそばのつゆ、ラーメン、餃子のたれ、煮物、てんぷらのつゆ、カレー、シチュー…etc とそれこそありとあらゆるものにふりかけていたし、油断していると刺身の醤油皿に勝手にわさびを溶かれて出されるがごとく(当時これは当たり前の行為で、こうして出すのが親切だと思われていた)、当然のように化学調味料をふりかけたものを手渡されたりしていたのだ。
当時どこでどう流布された情報なのかは知らないが、「化学調味料を食べると頭が良くなる」ということをあちこちで聞いた覚えがある。
私も私の伯母にそういわれ、子供の食べるものに強制的に化学調味料を入れてくれたりしたものだった。
この頃からみのもんた的情報は主婦の主流だったようで、伯母はそれがどれだけ効力のあるものかを母に説明し、しかし悲しいことに私の母も小姑から得たその情報を鵜呑みにし、その後化学調味料の摂取を強要するようになってきたので、私はそれが普通の生活になってしまった。
最初は大人の言うことだし、反抗する理由もなかったので言われるままそれが当たり前のようになっていったのだった。
一時期は「頭が良くなるのなら」と自分から化学調味料を積極的に食べるようにしていた記憶があるが、しかし私にはどうしてもそれで食べ物が美味しくなったと感じることはできなかったし、かえって舌がしびれていやな気持ちになることもしばしばあった。
しかも、「化学調味料を食べると頭が良くなる」のなら、これだけあちこちにあるんだったらみんな頭が良くなっているはずではないのかと思い、そのことを大人に聞いてみるが、誰も納得できる答えをする人はいなかった。
「なぜ、食べるものに化学調味料を入れなければならないのか」ということを母に聞けたのはそれから数年がたってからのことだった(たぶん1970年代半ば)。このときのことは私ははっきりと覚えているのだが母はすっかり忘れているので、私の夢なのか現実なのかは定かではない。
このときの母の答えは「かければ美味しくなる」という答えだったように思う。
そこで私はテーブルの上にあった化学調味料を直接なめてみたのだ。食品にかけて美味しくなるものなら直接食べても美味しいはずだというのが、子供の頃の私の結論であった(今はどういうことで旨味を感じるのかはだいたい理解しているので、この行為自体そのような検証にはならないことを理解しているつもりだ)。
直接なめた化学調味料は非常にまずく、舌がしびれて気持ちが悪くなった。あまりに私が嫌うので母はそれ以上何もいわなくなったが、我が家から化学調味料がなくなることはなかった。
つづく
別にグルメぶるつもりもない。
食の安全だとか、スローフード推進的思考であるとか、そういうことはまった関係なくただ純粋に本能のままに嫌いなのだ。
なぜ突然こんなことを書き出すかといえば、化学調味料のことを考えているうちに昔のことを思い出し、私がどうして化学調味料を嫌いになったか残しておきたくなったからです。よくわからないけど、「食育」のひとつのヒントになるかもしれないので、参考にしたり笑ったりしてください。
化学調味料は子供のころから嫌いだった。
1970年代前半の頃、赤いキャップの某社の社名にもなっている化学調味料「味の素」が、少なくとも私の周囲の家庭にはどこにでも食卓の上に置かれていた。
それこそ、ラーメン屋にもデパートの食堂にも、食卓で味の素の赤いキャップを見ない日はなかったくらいだった。
さしみの醤油皿、ざるそばのつゆ、ラーメン、餃子のたれ、煮物、てんぷらのつゆ、カレー、シチュー…etc とそれこそありとあらゆるものにふりかけていたし、油断していると刺身の醤油皿に勝手にわさびを溶かれて出されるがごとく(当時これは当たり前の行為で、こうして出すのが親切だと思われていた)、当然のように化学調味料をふりかけたものを手渡されたりしていたのだ。
当時どこでどう流布された情報なのかは知らないが、「化学調味料を食べると頭が良くなる」ということをあちこちで聞いた覚えがある。
私も私の伯母にそういわれ、子供の食べるものに強制的に化学調味料を入れてくれたりしたものだった。
この頃からみのもんた的情報は主婦の主流だったようで、伯母はそれがどれだけ効力のあるものかを母に説明し、しかし悲しいことに私の母も小姑から得たその情報を鵜呑みにし、その後化学調味料の摂取を強要するようになってきたので、私はそれが普通の生活になってしまった。
最初は大人の言うことだし、反抗する理由もなかったので言われるままそれが当たり前のようになっていったのだった。
一時期は「頭が良くなるのなら」と自分から化学調味料を積極的に食べるようにしていた記憶があるが、しかし私にはどうしてもそれで食べ物が美味しくなったと感じることはできなかったし、かえって舌がしびれていやな気持ちになることもしばしばあった。
しかも、「化学調味料を食べると頭が良くなる」のなら、これだけあちこちにあるんだったらみんな頭が良くなっているはずではないのかと思い、そのことを大人に聞いてみるが、誰も納得できる答えをする人はいなかった。
「なぜ、食べるものに化学調味料を入れなければならないのか」ということを母に聞けたのはそれから数年がたってからのことだった(たぶん1970年代半ば)。このときのことは私ははっきりと覚えているのだが母はすっかり忘れているので、私の夢なのか現実なのかは定かではない。
このときの母の答えは「かければ美味しくなる」という答えだったように思う。
そこで私はテーブルの上にあった化学調味料を直接なめてみたのだ。食品にかけて美味しくなるものなら直接食べても美味しいはずだというのが、子供の頃の私の結論であった(今はどういうことで旨味を感じるのかはだいたい理解しているので、この行為自体そのような検証にはならないことを理解しているつもりだ)。
直接なめた化学調味料は非常にまずく、舌がしびれて気持ちが悪くなった。あまりに私が嫌うので母はそれ以上何もいわなくなったが、我が家から化学調味料がなくなることはなかった。
つづく
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