Copyright & 2006 by makura GEKIDAN Shirakaba. All Rights Reserved.
 無断転載を禁ず
Google
WWW を検索 げきだんしらかば を検索


◇猫介護生活:寝たきり2010年08月23日 03時33分04秒

うちの猫が寝たきりになって一ヶ月が経つ。
ある日突然、歩くことも立つこともできなくなった。
つい昨日まではよろよろしつつも元気に歩いていたのに、今日はささえながら立たせようとしても立たないという感じだった。
一度すっかり立たなくなると、二度と立てなくなるようで、足のひざの関節もすっかり伸びて、曲げると痛い様子だった。

人間には「ある日突然」のことだが、実はずいぶんと前から足がしんどかったのだろうと思う。猫は痛がらないというが、うちの猫は痛いときには痛いと意思表示をする猫だった。
でも、足の痛みに関しては普通にしていたので、もしかしたらずっと無理をしていたのかもしれない。

歩かなくなってからは、自分で食事ができなくなったので、強制給餌をすることにした。
市販の猫パウチ(シニア用のできるだけ高齢猫用の一般食)をすり鉢ですって、水を加えてどろどろにしたものを、スポイトで口に入れる。
介護食のようなものの方がいいのか獣医さんに相談したが、病院の介護食が嫌いなうちの猫には、好きなものを食べさせた方がいいという理由から、市販の餌を与えている。

うちの猫は3年ほど腎臓と肝臓の数値が良くなかったのに、ここ2年ほど数値が安定してきて、ほとんど問題ない数値にまで下がった。
毎週一回点滴に通い、毎日処方されたリバオールとウルデナシンを半錠づつと、ネフガード一錠と、ビオフェルミン(人用)を一錠づつ飲ませていた。
しかし、大変な病院嫌いで点滴に通うのがストレスになり、あまりに嫌がるので点滴をやめたところ、21歳にして数値が劇的に良くなったのだった。
もちろん、それまでの治療の効果あってのことだと思うが、必要のないストレスを与えて無理に長生きするよりは、すでに20歳を超えていのだし、ストレスは最低限にして快適に過ごせた方がいいだろうという判断から投薬と通院を辞めたのだった(もちろん、獣医さんと相談の上で)。

ピジョン「スポイトくすりのみ」

ピジョン「スポイトくすりのみ」
先が長いので切って使用。


スポイトは、普通のシリンダ、カテーテル用のシリンダ、スプーンなどいろいろと試したが、ピジョンの「子供用スポイトくすりのみ」が、必要以上に口の中にスポイトの口が入らないようストッパーもついていて非常に使いよく、現在は口先を少し切って短くして使っている。
口先を短くした理由は、口先がシリンダのように硬くなく、ふにゃふにゃのやわらかい樹脂でできているので、猫が犬歯で噛んで穴が開いてしまい、食べ物が吸い込めなくなったためだった。
樹脂部分は老猫が噛んだ程度では、すぐにちぎれることはない。子供が安全なように作られているためか、その点非常によくできていると思う。

ピジョン「はじめてのフィーディングスプーン」
ピジョン「食べるnoおうえん はじめてのフィーディングスプーン」
先が平べったいものは、強制給餌の際に非常に重宝した。


スプーンも新生児用のものを使っている。
最初は、コンビニなどでくれるプラスチックのスプーンを使っていたのだが、歯がまだ丈夫なので、下手をすると噛み切ってしまい危ない。
こちらも、ピジョンの「フィーディングスプーン」を使っている。
丸っこいのと平べったいのと2本セットなのだが、平べったいのはスプーンで給餌するときには、ストッパーのようなものがついているので必要以上に口に入らないので危なくない。
また樹脂はやわらかいので、犬歯が刺さってもすぐにちぎれることはなく、穴が開いてもふさがってしまうので、スプーンから食べ物がもれることはない。

おむつは近所のドラッグストアでしょっちゅうセールをしているという理由から、花王のメリーズの新生児用のものに、しっぽ穴をそのつど開けて使用している。
前にも書いたが、当初はペット用のおむつを購入していた。しかし、値段的にものすごい差があり、手間でも新生児用のものの方が得なのだ。
ペット用のものは、安くても30枚で1700円以上するので、一枚57円以上する。
しかし、新生児用のおむつは88枚で1280円で購入している。一枚14.5円だ。毎日4~5枚以上使用するので、この差は大きい。新生児用のおむつの高いものではパンパースがそうだが、それでも一枚18円弱である。

新生児用のおむつで大丈夫なのかと最初は心配だったが、やってみるとペット用のおむつよりも機能的で、吸収体もペット用よりしっかりしているのがよかった。
今回メリーズが売り切れていたので、ちょっと高いけどパンパースを購入してみたところ、その薄さに感動。腰周りもだんだんと細くなってきて、メリーズだとちょっとぶかぶかだったのが、パンパースはうちの猫にはちょうどいい感じだった。

しかし、はさみで手作業でしっぽ穴を開けるので、そこから高分子吸収体がぱらぱらと出てきてしまい、おしりの周りにくっついてつまってしまう。
また、床にぱらぱらと落ちたものや、作業をする私の手にもついてしまい、目に入ってしまい大変な思いをしたことが何回かあった。これが猫の目に入らないよう気をつけないといけない。

しっぽ穴は、サージカルテープなどで切り口をふさいで使用している。
サージカルテープはいろいろ試したが、紙のものよりはプラスチックの透明のものの方が使いやすかった。紙はしっぽ穴からおしっこがもれた時に溶けてしまうからだ。
12mmくらいのが一般的だが、少し高いが幅広いものの方がたてにも裂けるので、好きな幅に変えられて具合が良い。

それにしても、ペット用のおむつを出すくらいなら、人間用のおむつと共用できるグッズを作ってくれた方がよっぽどいいと思ってしまう。
一発でしっぽ穴が開いて、切り口もふさがってくれるものがあるといいのにと思う。
タイかどこかで、庭に高分子吸収体が落ちているのに気づかず、雨が降って飽和状態になったものが巨大なタピオカ状態で発見され、「UFOの落し物」などと話題になったと聞いた。
高分子吸収体は乾いた状態だと本当に小さいので、この扱いだけが難儀である。

今は目もあまり見えず、耳も良く聞こえていない様子。
寝ているときもまぶたが閉まらず、ずっと目を開けているので、目が乾いて目やにがべたべたになってしまう。
炎症を起こしているわけではなさそうなので、防腐剤の入っていない使いきりの目薬を一日に数回点眼する。

ずっと空を見つめて、ときおり私たちの顔を見て何か言いたげにしているが、寝たきりになってからは声を出すこともしなくなってしまった。
ときおり口をぱくぱくして、ご飯か水がほしいことをアピールする。
先日、血尿が出て病院に行った際、止血剤と抗生物質を注射したとき、「ぎゃっ」と言ったのが久しぶりの声だった。
あんなにおしゃべり好きで表情豊かだったのに、今はいつも空を見つめて、時折おしっこをするときだけ足をばたつかせるだけの姿を見ているのは、非常に切ない。

この状態が長く続くのも、飼い主としては精神的にも状況的にも辛い。
夫婦ともども実家が遠いので、この状態で帰省を余儀なくされると非常に困る。
今の状態では、負担が大きすぎて誰にも介護を変わってもらえないだろう。
かかりつけの獣医でも、たぶん断られるだろうと思うし、獣医は深夜無人になるのでちょっと心配なのだ。
そういう意味でも、精神的な負担と苦痛はかなり大きい。
ここまでずっと一緒に生活してきた家族であることはかわりないので、最期までできる限りお世話したいという気持ちに変わりはないのだが、あまりにも辛そうな姿に早く楽になってほしいと思ったり(こう思うこと自体、自分の都合のいいように考えてしまっているのだろうかと、苦悩することもある)、今日も無事に過ごせたと安堵したりと複雑である。

※2014年3月28日改訂。投稿日時は当時のまま。
※2015年7月6日改訂。投稿日時は当時のまま。



Copyright ©2006 by makura GEKIDAN Shirakaba. All Rights Reserved.
無断転載を禁ず