Copyright & 2006 by makura GEKIDAN Shirakaba. All Rights Reserved.
 無断転載を禁ず
Google
WWW を検索 げきだんしらかば を検索


◇忙しいということ2012年09月28日 05時07分36秒

ここ数年、自分自身で「忙しくしない」というのを信条にして生活をしてきた。
私のような業種はどうしても時間にしばられることが多く、流れ作業の中で自分だけが時間をとってしまうと、どうしても最後の作業をする人達が割を食ってしまう。
だから、できるだけ時間や締め切りはきっちりやりたいと思うと、どうしても無理をする必要が出てくる。
無理をすることが当り前になると、「忙しい」ということが文字通り「心を亡くす」という形で生活に出てきてしまう。
気配りをする余裕もないし、周囲を気にする余裕もなくなると、いよいよ人間だめになってしまうような気がしてならない。

「なくす」は「無くす」ではなく「亡くす」である。
「無くす」は失ってしまうけど探せば見つけることができるような印象があるのに対し、「亡くす」は永遠に失ってしまうという意味のように感じている。
心を亡くしてしまうということは、それを二度と取り戻すことは叶わないということだ。
これは気づくと非常にまずいと思うのだ。

今年受けた仕事は、私の気持ちを非常に「忙しく」している。
時間的には自分で調節できるのに、なんとなく気ぜわしい生活がずっと続いていて、夏が過ぎた今なんだか気持ちがぐったりしているのだ。
やらなければとあせると眠くなる。ちょっと寝ようと思うと、すでに夕飯の時間だったりする。

気分転換に、台風の影響で風が強い中、買物がてら散歩にでかけた。
そんな気分になったのも久しぶりのことだった。
近所の消防団の前にある、通学路の小さな横断歩道を渡ろうとしたとき、左手から車が来ていたのだが、私は距離がまだあるので十分停まれるだろうと歩を進めた。すると、その車は横断歩道めがけて突っ込んでくる。
ドライバーの女性はあわてて対向車のいない右にハンドルを切ったのだが、私は猫のように後ろに下がってしまったため彼女がハンドルを切った方向に逃げる形になった。

車は直前で停車し、私は何事もなく無事だったのだが、ドライバーは私を横断歩道で轢いてしまう危険があったのに、そのまま車を進めて立ち去ってしまった。
その時のドライバーの顔を見たとき、なんだか気ぜわしい顔付きで余裕のない様子だった。
向こうも肝を冷やしただろうが、もし事故になれば私の方が被害は大きいだろう。
追いかけて謝罪を求めようと思ったが、彼女の顔を見てやめてしまった。
もしかしたら、私も彼女と同じように、余裕のない顔をして歩いていたかもしれないと思うと、事故にあったかもしれない事実と、横断歩道での事故は100%ドライバーの責任であることを凶弾しても仕方ないと思ってしまった。

ドライバーの態度には腹立たしさを感じつつも、とりあえず命拾いした今日一日に感謝しようと思った。



Copyright ©2006 by makura GEKIDAN Shirakaba. All Rights Reserved.
無断転載を禁ず