Copyright & 2006 by makura GEKIDAN Shirakaba. All Rights Reserved.
 無断転載を禁ず
Google
WWW を検索 げきだんしらかば を検索


◇冥王星の矮惑星降格における教育関係への波紋はそんなに大きなものなのか2006年08月27日 01時04分10秒

今日の冥王星

水金地火木土天海冥。
私達は、小学校の頃こうして太陽系の惑星の位置を覚えた。
途中、冥王星の軌道により海王星と冥王星の位置が入れ代わった時期もあって、「水金地火木土天冥海になったんだよね」とか言っていた懐かしい時期もあった。

今回、国際天文学連合が新しい惑星の定義を決めるにあたり、冥王星は惑星ではないという決議がなされた。最近になって、冥王星レベルの新しい天体が発見され、冥王星の定義について疑問視する声が多かったからということらしい。
科学という学問はもともと、ある現象について、それを理解するために、人が勝手にそれを定義づけるものだったりして、これまでの歴史の中でもその定義にあてはまらない現象が出てきたりすると、新しい学問ができたりしてきたものだ。そうして移り変わり、発展していくものなのだろうと思う。

そのことに気付いたのは、中学生の頃カール・セーガン博士の「コスモス」という天体を扱った番組が放映され、それを見て科学の常識がそれぞれの時代で違うことを知ったのだ。
「コスモス」はちょっとしたブームのようなものだったので、当時理科の先生が「コスモス」を題材にとり、「今私達が学んでいることは、明日には正しくないものであるかもしれないが、今このことを学ぶことでその違いに気付くことができるのだ」というようなことを話してくれ、それがとても印象に残っている。

「今日の常識は明日の常識ではないかもしれない」

科学に限るものではないが、少なくともこのことをはっきりと明確に確認することのできる歴史的な舞台の一つが、今回の冥王星の事例なのではないかと思ったりする。

ニュースやワイドショーなどでは、こぞってこの問題を取り上げ、教科書に記載されている内容の変更が来年度に間に合わず、教科書業界は大変なことになっていると伝えている。
その中で、間違った内容の教科書で勉強することで、子供達の受験に大きな影響があるようなことを言うコメンテイターもいたりするが、そんなことが本当に大きな問題なのだろうか。

確かに教科書の内容は、今回の国際天文学連合の決議によって変更は余儀無くされるだろうし、変更されるべき内容であるとも思う。このことに異論はないが、教科書の内容が突然「間違い」になったからといって、子供達の受験に影響があるとは思えないのだ。
逆に、今まで学んだことが今後違うものに変更されるかもしれない事実と、以前と現在の定義の違いを伝えることの方が、ずっと大切なのではないかと思ったりする。

少なくとも、冥王星が海王星よりも地球に近い時期は、「水金地火木土天海冥」は惑星の順序としては常識的に間違いであった。
この時期の受験の問題に「太陽系の惑星の順列を太陽に近い順に示せ」という意地悪な問題が出ていたとしたら、「水金地火木土天海冥」でも正解だったのだろうか。
「現在時間で」という注釈がついていたならそれは間違いであっただろうが、この時期に冥王星が海王星よりも太陽に近い位置にあるという「常識」を知らなければ、この問題に正解することはできないだろう。

教科書の正しい記載が間に合わないのであれば、今回の経緯を書いた印刷物を添付すればすむことである。教科書業界がそれをやらないのであれば、先生がそれをすればいいことだ。教科書にそういう変更があったことを、生徒は自分のノートに赤字で書いておけばすむ話なのだ。
教科書に書かれていることが世界の全てではないということを知ることの方が、教科書の内容が変わったことよりもずっと重要なのではないかと思う。



Copyright ©2006 by makura GEKIDAN Shirakaba. All Rights Reserved.
無断転載を禁ず