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◇古い友人と鎌倉散策2006年08月03日 22時50分40秒

鶴岡八幡宮 源平池の蓮
鶴岡八幡宮 源平池の蓮

帯広在住で20年来の友人Kがこちら来る用事があるので、一日早く来てうちに泊まるということになり、それではというので鎌倉を案内することになった。

羽田空港に車で12時半頃迎えに行く約束だったが、一般道で渋滞につかまり、それでも高速道路がすいていたおかげで、約束の時間に10分ほどの遅刻で羽田空港に到着することができた。しかし携帯で電話をすると、電波の調子が悪いのか向こうでは私の声が宇宙人のように聞こえるという。到着ロビーで待ち合わせしたものの、彼女はすでに移動していて外の喫煙所にいるというのだが、羽田空港の外の喫煙所は数箇所あってわからない。詳しい場所を知りたいが、こちらの話していることが向こうには伝わっていないようだ。羽田空港は第二ロビーができて複雑になっているので、「外の喫煙所」だけではどこなのかさっぱりわからないのだ。こういうときに、住んでいる土地の感覚の違いを思い知らされる。
メールで駐車場の連絡通路の場所を教えて、約束の時間から20分ほどでやっとKと会うことができた。

鎌倉はどの季節も花を楽しむことができる。今の季節だと、蓮の花が見頃らしい。北鎌倉は好きでよく行くので、北鎌倉のお気に入りの店でランチをしたいと思っていたのだが、この時間だとランチ終了に間に合うかどうか心配だった。
それほどの渋滞にも会わず、40分ほどで北鎌倉に到着したが、お目当ての店は残念ながらお休みだった。
しかたないので、精進料理の老舗「鉢の木」に入る。ここは初めてだが、広い座敷のような部屋にテーブルと椅子がいくつかおいてある部屋に通される。椅子がレトロな感じで、庭の木が青々としていて雰囲気がいい。BGMも何もない部屋が心地よい。
出された料理は、ゴーヤのおひたし、ごま豆腐、野菜の煮物、など5品のコース。北鎌倉は「けんちん汁」の発祥の地である建長寺が有名だが、この日はけんちん汁はなく、野菜中心の精進料理だった。そのどれもが心を配った調理がされており、大変美味しかった。席に座ったときには煎茶を、食事の途中にはほうじ茶が出された気配りも嬉しいものだった。

食事を終えて東慶寺に行く。東慶寺は別名「縁切り寺」と呼ばれ、昔は駆け込み寺だったところだ。友達を連れていくにはいささかどうかと思う場所だが、こじんまりとした中に鎌倉の静けさが存在するここの庭は、私は好きでよく来るのだ。紫陽花が綺麗なのでも有名だが、残念ながら紫陽花はすでに終わった後だった。
庭を抜けて墓地の手前には、竹林と杉林をのぞむ休憩所があり、林の中ではうぐいすが鳴いている。歩く先々に蝶が飛び交い、北海道のそれとはちがう静けさが澄んだ鎌倉の雰囲気を盛り上げてくれる。観光ルートからもはずれた場所なので、お客もまばらでゆっくり堪能することができた。

お目当ての蓮の花を見に、鎌倉観光の王道「鶴岡八幡宮」に行く。八幡宮の中にある源平池では、7月に蓮の見頃だというので時期が少し遅かったし、夕刻だったので花はまばらで閉じてしまっていた。それでも、池一面の蓮は見ごたえ十分だった。
しかし良く見ると、池の水はどろどろであまり綺麗なものではない。蓮自体もあまり手入れされているようには見えず、茨城で土浦の蓮畑を見ていた私は、ちょっと残念に思った。
上海の豫園の蓮園は、観光地の蓮池ながら蓮根や蓮の種も収穫する池になっており、池の中では蓮の手入れをする人が作業をしていて、蓮はどれも綺麗だったことを思い出した。
源平池を一望できる休憩所で写真を撮ったのだが、Kの写真ポーズが20年前と変わっていないので、なんだかおかしかった。

鶴ケ岡八幡宮もゆっくり見てまわり、5時になるので鎌倉の大仏に行って終わりにすることにした。大仏近くの駐車場で、「長谷さんに行くのかい?」と駐車場のおじさんに聞かれたので、「大仏さんに行きます」というと、「ここは6時までだからその方がいい。でも長谷さんは今が一番見るのにいいんだよね〜」と言われ、長谷観音にも行きたくなってしまう。おやじ、余計なこというなよな。
大仏に到着すると、やはり観光客が引けた後なのか、人も少なく写真撮影するには絶好だった。胎内には入れなかったけれど、大仏さんを堪能するには十分だった。

あまり十分にまわったとは言えないが、観光バスなどで急ぎ足で回る鎌倉見物だったら、いつでもできる。人の手が入りながら人々が愛してきた鎌倉の自然と、歴史の静けさを堪能するには、何箇所かでじっくりと自然を楽しむのが一番いいと思う。Kにそれが伝わったかどうかはわからないが、楽しんでもらえていたら良いと思う。お気に入りの店が休みだったりして残念だったが、楽しむことができた一日だった。



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