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◇サハの口琴奏者 イヴァン アレクセイエフ2006年09月18日 22時47分49秒

9月12日と15日、東京青山のこども城で、ロシア連邦サハ共和国の口琴奏者イヴァン アレクセイエフの口琴ワークショップとイベントがあった。
アレクセイエフは、旧ソ連の政策で一度廃れた口琴をサハで再び火をつけた人物で、サハでは「ホムス アイヴァーン(口琴イワン)」と呼ばれて最も尊敬されている人物である。
アレクセイエフとは、2000年に一度会っているので、6年ぶりの再会となる。挨拶をした時に、彼はそのときのことを覚えていると言ってくれ、とても嬉しかった。

12日のワークショップは、サハ式の口琴の持ち方や演奏方法などが、大変に詳しく丁寧に説明された。
特に注目したのは、演奏時の口琴の持ち方である。これまで何人かの著名な口琴奏者のワークショップに参加したが、演奏時の持ち方についての音響効果に注目し、丁寧に説明していたのは彼が初めてだったように思う。

15日のコンサートでは、旦那が休みをとったので二人で出向いた。コンサート前にアレクセイエフに挨拶をした時に、旦那が自作の口琴を彼にプレゼントして、大変喜んでくれた。
コンサートは2部に分かれ、前半は日本口琴協会代表の直川礼緒氏の演奏に始まり、アレクセイエフによるサハの英雄叙事詩の演奏がなされ、この日のゲストである大谷祥之氏の演奏があった。

いつも思うことだが、サハの口琴奏者の演奏は、とてもイマジネーションあふれる演奏だと思う。もともと、自然の風景をモチーフにした曲が多く、馬、鳥、トナカイ、風などの自然の模倣を主とした演奏がサハの口琴演奏の特徴なので、模倣した鳴き声や音を聞くことでイメージがしやすいということもあるのだと思う。
しかし、アレクセイエフの演奏は、直接的な表現方法をとらない個所でもそのイメージがものすごく強く伝わってくる。もともと北海道の自然の中で育ったのだから、そのイメージは生まれ育った北海道のものと重なる部分も多く、サハの人たちが実際にイメージしているものと私の頭の中にあるものとは異なるものなのだろうと思うが、その感覚がはっきりと感じられるのだ。
これに近い感覚の演奏者は、やはりサハのスピリドン シシーギンの演奏だと思うが、シシーギンの演奏はたとえば雪野原の中に風に吹かれて立っているときの感じだとすると、アレクセイエフの演奏は、冬の寒い日にストーブのたかれた温かい家の中で、窓から外を眺めていたり、昔話を聞いたりしているような感覚に近いものがあると思う。もっとも、この日に演奏されたものが英雄叙事詩だったので、そのように感じただけなのかもしれない。

後半はアレクセイエフによる、サハの口琴以外の小さな口琴の演奏で、最初に旦那がプレゼントした口琴を演奏してくれた。
旦那の作る口琴は、五寸釘などを利用しているので、必然的にサハの口琴よりはかなり小さなものになってしまう。アレクセイエフは、旦那の口琴が小さいものであることに感激してくれ、敬意を表してくれたのだ。
最後に、アレクセイエフと直川氏、大谷氏によるデュエットとアンサンブルで演奏は終了し、最後にサハの夏祭りに踊られるオフオカイの演舞を会場のみんなで踊って幕となった。

この日のゲストである大谷氏は、口琴に魅せられ口琴演奏に大変な精進をしている人だが、その演奏技術の向上は演奏を聞く度に目覚しいものがある。この日は尊敬するアレクセイエフとのデュエットもあって緊張していた様子だったが、演奏はすばらしかった。

12日と15日の両日、イベント終了後にみんなと食事に行き、12日は雨が降っていたので、アレクセイエフと相合傘で食事の場所に向かった。最初、ロシア語もサハ語もわかる人がいなく、アレクセイエフと意思の疎通ができなくて歯がゆい思いをした。
15日は、8月に行われたサハ語講座の生徒さんたちも一緒で、アレクセイエフも楽しそうにしてくれていた。アレクセイエフがサハの古い歌になぞらえ、「あなたをトナカイにのせてツンドラに連れていきたい」と私に冗談を言ったりして、食事の場所まで腕を組んで夜の町を歩いたりして楽しかった。

次に会うときまでには、せめてロシア語で少しは話しができるようになれていればいいなあと思う。

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