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◇トルコ旅行記 〜ホテル〜2007年06月12日 01時30分58秒

マルマラ海の夜明け。
■アタチュルク国際空港からホテルまで

空港の外に出ると、黄色のタクシーがたくさん止まっている。見るとほとんどがルノーのカングー。日本のタクシーは大きな高級車が多いのに、トルコのタクシーはミニバンかハッチバックの小型車が多い。目の前を走っていく車もルノーのカングーかメグーノが圧倒的に多く、プジョー206、307、シトロエンのC4、C3、フォルクスワーゲンなどが多く目に付く。たまにベンツなどの大きな車も走っていくが、ほとんどがフランス車の様子。写真を撮りたかったが、すぐに迎えの車が来てしまい撮ることができなかった。迎えに来た車もルノーの小型バスだった。

その日の客は私たちだけで、送迎案内人のセフギさんから、客引きや買い物のとき値引きするようになどの注意をひととおり受け、プレゼントだとオリーブの石鹸をもらう。お礼に機内で食べようと買って食べなかった日本のチョコレートをあげると、「豚のものを使っているものか?」と聞かれたので、成分表をひととおり読んであげて大丈夫なことを確認した。つくばにいたときのトルコ人の友達は、イスラム教徒だったけどトンカツ大好きだったので気にしていなかったが、やはりイスラムの人は豚を食べないのだなあと思う。
車は海沿いの大きな道を走っていく。時間は20時を回っているが、外はまだ昼下がりのよう。交通渋滞をしている車の列の間を、花売りが道路を歩いて薔薇を売っている。海には大きな船が沢山停泊していて、とても綺麗。

30分ほどでホテルに到着する。車を降りる直前にチップの注意を受けたので、セフギさんや運転手にもあげるべきかどうか迷ったが、あげて嫌な顔をする人はいないだろうと思い、二人で分けてくれと伝えて10リラ渡す。1リラがだいたい100円弱なのでチップとしては多いかとも思ったが、相場がよくわからないのと、細かいお金を持っていなかったので、帰りの分も合わせるということでよしとすることにした。しかしやはり多かったらしく、ホテルのフロントで私がポストカードを買おうとすると、彼女がお金を払っておごってくれた。




■Hotel Historia

宿泊先 Hotel Historia前にて

今回のツアーでは、高級ホテルや一般的なホテルの中でペンション風のプチホテルの選択肢があった。どうせならトルコ風の小さなホテルに泊まりたいと最初から思っていたので、このツアーにプチホテルの選択肢があったのも、ツアーにした決め手の一つでもあった。
イスタンブールのプチホテルは、昔の金持ちの屋敷や別荘を改築したものが多く、築数十年から100年以上経つものもある。小ぶりで多くて30部屋前後の部屋のところが多いらしい。

私たちが宿泊した Hotel Historiaは、イスタンブール旧市街のブルーモスクやアヤソフィア、トプカプ宮殿から近い立地にある、オスマン式に改築されたトルコ風マンションタイプのオリーブグリーンの綺麗なかわいいホテル。ロビーには昔の魚を調理する金色の調理器具や、蓄音機、古いトルコ式のサマワールなどの歴史を感じさせる骨董品が置かれており、24時間利用できる小さなバーカウンターとインターネットを使えるパソコンが置いてある。
ホテルの階段は白い大理石のゆるくカーブした階段で、内側が異常に狭く内側を昇る癖のある日本人には不向きなように思ったが、すぐになれた。
階段の途中の棚には、トルコの名産の陶器の皿や猫の置物がさりげなく置かれている。



 
ロビーのミニバーにあった、旧式のトルコ式サマワール。ロシア式のものとは少し違うとのこと。
私があまりにこれに執着しているので、ホテルスタッフが「持って帰れば?」と言うので、「ほんとに?」と聞くと、「マネージャーにおこられてもいいならね」と言うのでしぶしぶあきらめた。
  ロビー横の休憩所にあった猫の置き物。
これも古いものらしい。微妙に招き猫でかわいいが、顔が濃いのがトルコ風。
     
 
階段の地下1階から地下2階に行く階段の途中に飾ってあった、陶器の猫。これも招き猫風。これと同じポーズで色付けしているものを、土産物屋でみつけて購入することができた。
  ロビー階から地下1階に行く階段の途中に飾ってあった、魚柄の皿。色合いがとても綺麗。少しピントがぼけてしまったのが残念。


部屋に案内され、バルコニーに出るとそこからはマルマラ海が一望できる。ちょうど夕暮れ時ですばらしい眺め。 ホテルの部屋はこじんまりとしたツインルームだったが、シャワー用とはいっても無理すれば足を伸ばしてつかることもできるバスタブがあり、トイレも明るくとても清潔な感じ。トイレのドアの内側にポプリの袋がぶらさがっており、こういう心遣いが嬉しい。部屋も灯りをつけると普通に明るく、冷蔵庫もテレビもエアコンもドライヤーもついている。

インターネットで事前に調べたときには、ホテルのすぐ横を国鉄の線路が走っているため、うるさくて部屋を替えてもらったアメリカ人の話などがあったので、普段米軍の飛行機の音に悩まされている私としては、ちょっと心配ではあった。しかし、到着したのが金曜日でイスラムでは特別な曜日だったためか夜遅くまで街中が賑やかで、部屋までその音が聞こえてきた。マルマラ海に停泊している船の汽笛、鳥の声など色々な音が聞こえてはいたが、それらはまったく気にならず、かえって異国の地にいる雰囲気を満喫することができた。窓のすぐ下を走る電車の音も確かにがたごとと大きかったが、それほどしょっちゅう通っているわけではなかったし、昔線路のすぐそばに住んでいたときのことを思い出したりして、かえって「ここにも人が生活しているのだ」という安心感があったりした。

朝食は7時30分からだったが、初日の朝は目覚ましの設定ミスで5時40分頃たたき起こされた。しかし、おかげでバルコニーからマルマラ海の夜明けを見ることができた。海は静かで、遠くの船の汽笛の音と鳥の声だけが聞こえる。窓からは周囲のホテルや現地の人の住居も見える。だいたい二階建てで、三階にサンルーム風の屋上があったりする。
部屋のバルコニーからの景色はどの日も大変すばらしく、いつまで見ていても飽きない。すずめが遊びにくることもあるし、遠くをゆっくり船が走っていくのを見ることもできる。4日目の朝に雨が降ったが、悪天候の景色も悪くなかった。
線路の反対側のグレーの家の奥さんは、毎朝家の周囲をほうきで掃除し、洗濯物を外庭と屋上に干していく。だが、休みの日に屋上の掃除をしていた旦那さんが、屋上から直接ゴミを通りに放り出したりして、奥さんは次の日またそれを掃除していた。夜は遅くまでテレビを見ている様子を毎日眺めることができた。



 
明け方の海と町並み。遠くを船が航行している。   バルコニー下の景色。線路が隣接している向こうに、働き者の奥さんの家がある。夜には手前の窓からテレビの光が毎日もれていた。
     
   
バルコニーからの右手の景色。普通の家は地味な色が多いが、ホテルなどの建物は綺麗な色のものが多い。オレンジ色の屋根瓦が印象的。    


ホテルの朝食はブュッフェ形式で、丸いパンと大きなのを切ったパンの二種類、トマト、きゅうり、ヨーグルト、青と黒のオリーブ、二種類のサラミ、白チーズ、プロセスチーズ、ゆで卵、たこ型に切ったウインナ、チーズに春巻きを巻いて焼いたもの、チーズパイ、チョコレート、クリームチーズ、バター、三種類のベリーのヨーグルトソース、シリアル、牛乳、紅茶、コーヒー、オレンジジュース、チェリージュース。デザートははちみつがふんだんに使用されたでかいケーキを自分で好きな量切って食べるようになっているのと、スイカ、姫りんご、チェリー、メロンなどの果物が日替わりで出されていた。スイカは果物コーナーではなく、きゅうりの横にいつもあったので、もしかしたらスイカは野菜の仲間として認識されているのかもしれない。メロンはトルコでは嬉しい果物らしく、お父さんがお土産に持ち帰る特別なものと聞いた。
パンを焼く機械があったが使い方がわからずいつもスイッチを無駄にいじっては使用を諦めていたが、最後の日に顔なじみのアメリカ人が教えてくれ、最後の日だけ使うことができた。最後の日以外は焼かないパンを食べたわけだが、パンは焼かないでも十分に美味しい。パンにつけるものも色々種類があったので、毎日食べても飽きない。
紅茶(チャイ)は新式のサモワールに入っていたのだが、紅茶だけだと異様に濃く、飲んだ後歯茎がしぶしぶになってしまう。後でチャイの横の蛇口のお湯で好みの濃さに薄めて飲むのだと知ることになる。二日目からは無事、おいしいチャイを毎日飲むことができた。飛行機の中で躊躇したチェリージュースは、日本のチェリージュースのようにあまったるくなく、ちょっと酸味がきいてさっぱりしていて香りもいい。サーバーからグラスに移した直後は、ちょっとだけ発泡していたので最初はサイダーかとも思った。
食事中はチェリージュース、食後にはトルコ風に砂糖を入れたチャイというのが私の朝の定番になった。



 
食堂内庭。すみにレモンの植木があり、実がひとつなっていたが、途中でなくなっていた。   初日の朝食。きゅうりがでかくて、トマトも味が濃い。オリーブは毎日10個くらい食べていた。白チーズは、日本のカッテージチーズの味が濃い感じ。グラスはチェリージュース。


食堂は屋内に十分なテーブルと内庭に3つテーブルが置かれている。内庭は籐製の丸いガラステーブルと籐製の椅子が置かれており、リゾート風の壁と青い空がマッチしてとても綺麗。
最初の日は内庭のテーブルで食べたが、どこからかキジトラ猫がやってきて食べ物をねだる。見れば妊娠している様子。たこ型のソーセージをあげたが食べないので無視していると、足にやたらとすりすりしてくる。別な白黒猫がやってくると、くるなと威嚇する始末。内庭には他にもお客がいたが、執拗に私たちにだけ甘えてくる。靴に猫の臭いがついているのだろうか。あまりのしつこいので、食堂の中に入ってしまった。
次の日には猫はいなかったが、4日目に食堂の中にまで入ってきて食べ物のある棚にまで上ろうとするので、インド人のお客と協力して食堂から追い出した。

このホテルでは、宿泊客とのふれあいやホテルスタッフとのふれあいが楽しかった。特にホテルスタッフは、私のでたらめな英語にいつもやさしく対応してくれた。私の英語のでたらめぶりは相当で、「このパソコンを使ってもいいですか?」と聞きたいのに、「あなたはこのパソコンを使いますか?」と質問したりと相当ひどかったのだ。後で旦那に報告すると、「よくそれで解ってもらえるよね」と呆れるほどである。ここのホテルスタッフの親切は、イスタンブールの一番良い思い出の一つだ。


●Hotel Historiaの紹介 (Please click)
●Hotel Historia.com


 
食堂内庭を一階の窓から撮影。食堂は地下2階にある。
最終日は生憎の雨で、テーブルセットにシートがかけられていて残念。
  食堂内庭から空を眺めたら、となりの廃虚風建物の屋根に鳥がとまっている。この日は晴天でとても良い天気だった。
     
 
食堂内庭の日陰で寝ている猫。この猫はお行儀がよかった。初日に会ったお行儀の悪い妊婦猫は、あまりに動き回るので写真を撮ることができなかった。   食堂で妊婦猫に威嚇されて、内庭に入れないでいる猫。うちの猫に似ていたのでハムをあげたかったが、妊婦猫に恐れをなして周囲をうろつくだけだった。


つづく



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