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◇トルコ旅行記 〜6月2日トラブル続出〜2007年06月14日 08時42分01秒

この日の進路。
画像をクリックすると、スルタンアフメット地区の大きな地図が表示されます。記事を見ながら、大きな地図で場所を参照してご覧下さい。

■6月2日の朝

前の日に携帯のローミングがうまくいかず、日本のソフトバンクに電話する。夕べの状態では、メールとWEBの送受信はできるが電話がかけられない。日本で保存しておいた国際ローミングの設定方法をもう一度確認したがうまくいかず、旦那の携帯だけがやっと電話できる状態だったので、そちらから電話して確認した。ソフトバンクの国際電話対応の担当者は、電話するとすぐに折り返しホテルに電話をくれた。なんのことはない、私の電話は国際電話送受信拒否設定をしてあっただけのことだった。
ただ、同じ国内にいる同じ契約の携帯電話でも、お互いに日本以外で電話をするときは国際電話をかけることになり、気軽に利用しているとかなり高額になる。トルコのローミングサービスは3社ほどあり、電話料は会社によって50円くらい価格差がある。
とりあえず一番安いTULK CELLに設定し、イスタンブールでの緊急の場合はできるだけ安いショートメールで対応することにした。イスタンブールではWEBにも対応できたので、緊急時にリアルタイムで為替を確認したりすることができ、お金はかかるけど結構便利だった。

昨年、旦那がノルウェーに出張にいったときも思ったが、ソフトバンクは元vodafoneのサービスが現在も残っているため、海外にはめっぽう強い。Docomoも最近は海外でも利用できる範囲が広がっているらしいが、vodafoneの強みはヨーロッパだ。3Gは利用できないまでも、最低でもロングメールが使えればなんとかなる場合が多い。普段自分が利用している電話機をそのまま利用できるのはありがたかった。


※ソフトバンクの国際ローミング及び国際電話の利用は、MySoftbankにて事前の申し込みが必要。
また、詳しい設定方法は機種によって異なるため、携帯版MySoftbankの海外での利用の記述を参照。
ソフトバンク・オフィシャルサイト http://mb.softbank.jp/mb/



その間旦那は、前の日に撮影した写真を、持参した小型パソコンに移そうとがんばっていたが、メモリーリーダーのデバイスが合わず、写真がうまく転送できなくていらいらしている。このままだと喧嘩になりそうなので、ロビーにある共用パソコンに一度写真を移し、USBメモリーに移動して更に小型パソコンに移すことで事なきを得た。デジカメは便利だが、沢山写真を撮ろうと思うとその他にいくつもグッズを持っていく必要があるので、便利なんだか不便なんだかわからない。デジカメのメモリの大きい容量のを2〜3枚買えばいいのだろうが、普段そんなに使わない事を考えると無駄な浪費は抑えたかった。
ホテルの共用パソコンは誰でも利用できて便利だが、セキュリティが十分でない様子でちょっと不安。本体前面にある二つのUSBのうちひとつは壊れていた。

出かける前に、旅行会社からもらった注意事項を熟読する。1YTLは日本円でだいたい90円くらい。公衆トイレは有料で1YTL。タクシーは初乗り運賃が1.73YTLなので、利用するときはきちんと料金がリセットされていることを確認することなどが書かれていた。都市化が進むイスタンブールだが、タクシーは観光客相手に前の客の料金をリセットせずに上乗せして請求するドライバーがいるから注意とのこと。

結局、この日は10時すぎにホテルを出ることになった。




■アラスタバザール→ヒッポドローム→アヤソフィアへの遠い道のり

ホテルの前の道のつきあたりに、アラスタバザールという小さなバザールがある。イスタンブールの観光地になっているグランドバザールやエジプトバザールほどの大きな規模ではないが、こじんまりしていて良い雰囲気。ホテル側から入ると、すぐにオープンエアのカフェがあり、揚琴とトルコの民族楽器の演奏が行われていた。
左手に行くと、絨毯屋や土産物屋が軒を連ねている。客引きを覚悟していたが、声をかけてくる人は少ない。トルコの魔よけの目玉ナザールボンジュや、ラクダの骨を彫刻した人形など魅力的なものも多かったが、その日はお土産を買う予定をしていなかったので、価格も聞かずに眺めるだけ眺めて通り抜けてしまった。

アラスタバザールの西側の出口を抜け、ブルーモスクの裏側を通り、ヒッポドロームに着く。
ヒッポドロームはブルーモスクのすぐ西横にある大昔の競技場跡。大昔はかなり広い競技場だったようだが、現在は小さな公園の中に高さ25.6mの二本の石柱と、途中でぽっきり折れた8mの青銅製の蛇の柱が残されている。石の柱は北側に切り石を積んだ今にもくずれてくるような気がする「オベリスク」、南側にヒエログリフの刻まれた柱がある。
ブルーモスクや美術館や博物館が隣接している地域なので、大きな観光バスが細い路地に続々と入ってくる。公園内には観光客の西洋人の他に、トルコの小学生が先生に連れられて遺跡見物をしている様子。その前を色とりどりの水あめのようなものをトレーに入れて売っているおじさんがいたりした。


 
中央にある、青銅製の「蛇の柱」。   北側にある、切石積みの「オベリスク」。
     
   
南側にあるヒエログリフが刻まれた石柱。    


ホテルから見てアラスタバザールを左に抜けてきたということは、私たちはブルーモスクの西側が現在地である(別ウインドウの地図[1])。この日の目標はトプカプ宮殿。トプカプ宮殿はホテルの北に位置するので、私たちはやや逆方向に来たことになる。しかし、旦那がホテルの位置を勘違いしていて、どんどん西側に歩を進めていく。急な坂道を登りきったところで道がなくなり、やっと勘違いしていることに気づいた様子(別ウインドウの地図[2])。途中で道端の日陰で休んでいるおじさんに道を聞き、やっとトラムヴァイの通りにでることができた。
しかし、道を教えてくれたおじさんは「トラムヴァイを右(東)へ」と言ったのに、左手に小さなモスクがあると言って旦那は左(西)へ行く。急な坂道を登ってきたのでいささか疲れていたため何も言わずについていくが、どう考えてもこちらの方向にトプカプ宮殿があるようには思えない。何度も旦那に「右(東)でないの?」と言ってみるが聞いてくれない。

来る前に見たイスタンブールの注意の中で、「街中で『地球の歩き方』などを広げていると、日本人だとすぐにばれるので要注意」というようなことが書かれていた。日本人は世界中から見て最強のイージーターゲットである。私たちのいたスルタンアフメット地区は観光地でもあるため、油断していると気軽に日本語で声をかけてくるトルコ人に、高級な絨毯屋に連れていかれてぼったくられるという強迫観念があり、できるだけガイドブックを出さないようにしていたのも道を確認できない要因の一つでもあった。
空港で入手した英語のイスタンブール市内の地図は、あまりにも範囲が大きくおおざっぱすぎて役にたたない。

トラムヴァイ沿いを西に向かってどんどん歩いていくと、小さなお墓から観光客が出てきて、通り沿いのその先にイスラム風の建物と、小さなモスクが並んでいる(別ウインドウの地図[3])。後で地図を確認すると、私たちは目的地のスルタンアフメット駅の西側の次の駅の手前まで思い切り遠回りしていたらしい。
日差しの強さと一時間たっぷり坂道を歩いたおかげで、ちょっとふらふらしていると、日陰で休んでいたおじさんが英語で「日本人か?」と声をかけてきた。客引きではなさそうなので「そうだ」と答えると、「日本のどこから来たか? 大阪か?」と聞く。「東京の近くだ」と答えると「good」と言って親指を立てて笑った。そのおじさんに再度道を確認し、言う通りにトラムヴァイ沿いを東(今まで歩いていた方向と逆)に向かって歩いていくと、道の向こう側にある公園のわきにTravel Infomationの看板を見つけて飛び込む(別ウインドウの地図[4])。この公園こそホテルから5分もかからない場所に位置し、ブルーモスクとアヤソフィアの目の前にあり、一時間ほど前私たちがいたヒッポドロームの端にあるすぐそばの公園だということを知るのは、この後すぐのことであった。(ちなみに、目的地のトプカプ宮殿は、Infomationのすぐ東向かいにあるアヤソフィアの裏にあり、ここから歩いて10分もかからないのだ。)

Infomationに入り「英語のフリーマップをください」と言うと、Travel Infomationのおじさんは「フリーマップだってよ」とちょっとばかにしたように言って詳しい地図を渡してくれた。
「日本人か?」と聞かれたので「そうだ」と答えると、そのおじさんは日本語で「自分は日本人の奥さんがいて旅行のエージェントをしている。イスタンブール以外に行きたいところがあれば相談にのる」と言うので、「すでに自分たちにはエージェントがいるし、旅行の日程もすでに決めてある」と答えると、それまで満面の笑みで話していた笑顔が急に消えて真顔になり「そうか」と言ってだまってしまった。
外国人から見ると、日本人は本音と建前があって本心がわかりにくいというが、このときトルコ人の思い切り判りやすい本音と建前を垣間見た気がした。親日家で親切なトルコ人が多いのは確かだが、この後このトルコ人の「満面の笑みが消えた後の真顔」をちょっと怖く感じるようになった。



迷った道で見かけた、街角の映画ポスター。
こういう発見は楽しいのだが、きつい坂道の途中で、日陰もなかったので、初日から息絶え絶えだった。


道を渡りアヤソフィアの前に出る。一時間半ほど前に目の前に見えていたブルーモスクが、噴水のある公園のすぐ目の前に見える。やっと目的地がはっきり見えた安心感もあってかもう疲れきって歩けず、「どこかに座りたい」と訴えるが「お昼までにはまだ少し間があるので我慢しろ」と諭される。
せめてチャイでも飲みたいと思っていたときに、噴水のある公園のそば(別ウインドウの地図[5])で赤いシャツを着た細身でイケメンの若いトルコ人の男性が日本語で「日本人か?」と声をかけてきた。この公園はスルタンアフメット駅のすぐそばで、日本で事前に調べたときにネットで「しつこい客引きとぼったくりのひどい危ない店」と紹介されていた旅行エージェントと土産物屋のすぐそばである。これはあからさまにあやしいと思い、とっさに
「ロシア人だ」と答えると、
「ロシア人?ロシアのどこから来た?」と、ロシア人だと言っているのに何故か日本語で攻防が続く。
「ヤクートだ」と答えると
「ヤクートってどこだ?」と聞くので
「ロシアの一番東側だ」と返事をする。
しかし、これはすぐに嘘だとばれてしまって、途中でお互いにふきだしてしまった。
彼は実際に絨毯屋(ネットで紹介されていた危ない店なのかどうかは不明)の客引きなわけだが、笑ってしまい仕事にならないと思ったのか、「自分は良い店を知っているので紹介したい」ようなことを言うが、何度か断ったら「イスタンブールを楽しんで」と言って去って行った。しかし彼とはこの後3回も同じ場所で出会い、それぞれ違う方法で客引きされることになる。

当初の目的地のトプカプ宮殿は、現在いるアヤソフィアのすぐ裏にあることは判った。ヒッポドローム以外にまだ何も見ていない私たちは、結局広大なトプカプ宮殿は後回しにして目の前のアヤソフィアに入ることにした。
アヤソフィアに入ると、すぐに休憩所がありドリンクなどが売られている。日陰のベンチはすでにいっぱいだったが、隅の方が空いていたので一番最初にカフェに駆け込む。私はトルコ名物のしょっぱいヨーグルトドリンク「アイラン(1YTL)」を、旦那はチェリージュース(1YTL)を注文する。私たちの前に会計をしていた西洋人が、10YTLを出したら「細かいのはないのか」と言われて小銭を出している。10YTLを出したら同じことを言われたが、小銭はあいにく持ち合わせがなかったので「のーこいん」と言うと、店員は「ノーコイン」と甲高い声で復唱して笑って5YTL札と1YTLコイン3枚でおつりをくれた。


つづく

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