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◇ロジャー・ダルトリー横浜公演「ROGER DALTREY PERFORMS THE WHO'S TOMMY AND MORE」2012年04月28日 04時09分05秒

「ROGER DALTREY PERFORMS THE WHO'S TOMMY AND MORE」の購入したオフィシャルグッズ。

旅行記の途中だが、ちょっと閑話休題。
The Whoのヴォーカリストロジャー・ダルトリーの単独「TOMMY」完全ライブ「ROGER DALTREY PERFORMS THE WHO'S TOMMY AND MORE」に行ってきた。会場は、神奈川県民大ホール。
ネタバレも少し含むので、これから観るという人はご注意願いたい。

この日は連休前の最後の就業日なので、旦那は定時ギリギリまで仕事である。
私は午前中に病院に行き、午後から少し仕事をして先に横浜に向った。
天気は朝から雨。肌寒く、コートを着るかどうか迷うくらい。

6時30分開場だったが、会場に到着したのは30分ちょっと過ぎ。
チケット持参者の入り口はちょっとだけ列があったが、たいした混雑もなくスムーズに入館できた。

入口の真横、スタッフの目の前で堂々とタバコを吸っているやつがいて、副流煙で喘息の発作を起しかける。
神奈川県の条例では、ここは禁煙区域であり、副流煙が禁煙区域内に流れることも禁止されているはずなのに、横浜県民ホールの職員もUDOのスタッフも見て見ぬふり。「神奈川県民」ホールなはずなのに聞いてあきれる。

チケットのもぎりを通ると、他のコンサートのチラシを渡されたのだが、エイジアと東京のBUNKAMURAで行なわれる女性シンガーのコンサートのチラシ2枚のみ。
今回ギターで参加している、ピート・タウンジェントの実弟のサイモンのニューアルバムの小さなチラシが、申し訳なさそうにホチキスで止められていた。

配布されていた、サイモン・タウンジェントのニューアルバム告知のチラシ。

グッズを買おうとまずCD売り場に行ってみると、だいぶ前に再発されたThe WhoのアルバムとライブDVDのみの販売。TOMMYの公演だから、先日発売された四重人格のスペシャルボックスとかそういうのはないかもとは思ったが、肝心のTOMMYの映画のDVDもない。
チラシにあったサイモンのニューアルバムもない。
あまりのラインナップの少なさにやる気のなさを感じ、軽いショックを受ける。

オフィシャルグッズ売り場も、3列に並ぶようにうながされるが、たいした混雑もなくすぐに購入できた。
今回はオフィシャル・パンフレットの販売もない。
あるのは、今回のロジャーのツアーの開催地の一覧の入ったTシャツや、TOMMYの中の曲名でもある「We're Not Gonna Take It」のTシャツ、TOMMYのロゴ入りトートバッグ、キーホルダーなどが販売されているのみ。
何もないので、Tシャツ2枚とトートバッグを購入したが、Tシャツが一枚4000円(!?)。お金を払うときに、映画の「TOMMY」の中で最初にグッズを放り出したヘルズエンジェルの気分にちょっとだけなった。

男性のトイレ前にホワイエがあり、ワインなどが販売されている。
あらかじめThe WhoのTシャツを着て来ている人もいたが、男性の多くは購入したTシャツに着換える人が多かった。
モッズコートを着ている人が多く、「四重人格じゃなくてTOMMYの公演なんだけどなあ」と、ちょっと違和感を感じたりもした。
そんな中で、リーゼントに革ジャンといういでたちと、襟とポケットカバーがヒョウ柄の革のロングコートを着たテディボーイ風の人がいたりして、こういうところは横浜ならではなのか。

客層は、ほとんどが40代以上と見られる。The Whoのときにもそうだったのだが、たまに70代以上かと思うような方もおられて、しかも女性一人で来ている風な人もいたので、これはちょっと驚く。
客席は2階席に人はなく、一階席もちらちらと空席が目立っていた。

開演はほぼ定刻どおりの7時。
ドラムの前に透明のプラスチックの屏風がある。「The Kids Are Alright」の中でキース・ムーンが「観客が野菜を投げつけ、ロジャーがそれをマイクでぶった切る。ぼくはそれをシンバルで受け止めてドレッシングをかけて、イタリアンサラダの出来上がり」と言っていたのを思い出してしまった。

横浜公演では、「OVERTURE」からぶっちぎりでみんな総立ちになる。
最初はPAが悪すぎ。サイモンもギターの調子が悪いのか、曲の途中でしょっちゅうギターを取り替えていた。
音がやっと安定したのは「I'M FREE」くらいからで、それでも後半ロジャーがハモニカをふいている音は、私の席ではほとんど聞き取れなかった。

どちらかといえば、「TOMMY」の内容よりも「and MORE」の方が良かったように思う。
ロジャーの声は、最初はちょっと疲れているようにも聞こえたが、だんだんと調子を取り戻した感じ。後半の「and MORE」の方が楽しく歌っているようにさえ感じた。
それでも、「従兄弟のケビン」の極悪な歌詞の曲などはトーンを落として歌ったり、映画の中でキース・ムーンが担当した曲は、ちょっと似せて歌っているようにも思えた。
「AMAZING JOURNEY」や「PINBALL WIZARD」、「We're Not Gonna Take It」などで盛り上がるのは、お約束か。 曲調は、オリジナルの曲そのものではなく、どちらかというと映像を意識したアレンジ。
バックに流れるアニメーションも、TOMMYの映画を見たことがない人でもその世界観を感じられるような工夫もされていた。
特に「SALLY SIMPSON」で流れるアニメーションは、なかなか秀悦かもとも思う。

演奏された曲は、たぶんロッキンオン社のブログのライブレポートにある曲順と同じ。
アンコールもなく、予定通り終了したという感じ。
ロジャー自身、TOMMYのアルバムを発表した当時からも、映画でTOMMYを演じた当時からも、ずいぶんと歳を重ねているのだが、歌っている姿を見ていると、ふっと映画の中で見せる笑顔とだぶる瞬間があったりする。
68歳にして27歳の頃の面影を今も保ち、その頃に負けない声量で歌い、しかも体型もまったく老齢を感じさせないのは、この人は本当のパフォーマーなのだと思う。

途中のMCで、横浜に来る途中、工場がたくさん並んでいるのを見て、ロジャーが14歳の頃に工場で働いていたことを思い出したという話をしてくれたことが印象的だった。
それを、サポートメンバーの日本人のギターの人が通訳をしてくれたのだけど、途中だいぶはしょって通訳していたりして、それで笑いを誘ったりと、「and MORE」は非常にアットホームな雰囲気だった。
しかし、当のロジャーがだんだん元気になるのに反して、高齢組の観客は少しづつ手があげられなくなり、揺れも少なくなっていく。
私は肩が四十肩っぽくなって、足はこむら返りを起し、手をたたきすぎて腕が痛くなっている。
予定の曲目を終了し、袖にいったん下がったに見えたが、下がる方向を間違えて退場しなおしたりのハプニングも。もう一度出てきてくれるかと思ったが、すぐに会場の明かりがともされてしまった。

メンバーのうちの半分がいなくなってしまったThe Whoだが、常にサポートしてきたサイモン・タウンジェントが参加していたのと、私の記憶にちがいがなければ2008年の単独来日公演のときに参加したドラマーだったのは、よかったと思う(ザック・スターキーでなかったのはちょっとだけ残念だったけれど)。
ひとつだけ残念なのは、やっぱりペースがどうしても物足りなく感じること。
今回参加したベースも決して下手なわけではないのだが、やっぱりジョンが特殊すぎるのだと思う。こればかりは、ないものねだりなのだけど。

UDO主催のThe Who関連の公演では、2004年オデッセイのときにも、グッズ販売で並ぶ列でデオドラントスプレーを風上で使用する女に思い切りスプレー剤をかけられたり、2008年の横浜公演でも開場を待って並ぶ列の中で、堂々とタバコを吸うやつがいても、スタッフは無視を決め込んだりと、会場で常にひどい目にあってきた。
今回も会場前でタバコをふかすやつは、公演の前後で出入り口正面に存在していたが、まったく気にかけるそぶりもない。
喫煙場所を設けていたらしいが、その場所が他の客に影響があるのであれば、それはすでに配慮ではない。完全禁煙してほしいというわけではないが、せめて神奈川県の禁煙の条例に沿った措置をしてほしいと思う。
それに、パンフレットがなければせめてサポートメンバーの紹介や。曲目が決まっているのならその紹介を、ワープロプリントでもいいから用意するのが客への礼儀じゃないかとさえ思ったりした(公演のチラシさえもらえなかった)。

2年おきにUDOの催しに参加する度に同じような嫌な思いをするのだから、これはもう主催者に客に気持ちよく来てもらいたいという努力がないものと判断するしかないだろう。
客席には70年代ばりの警備員が配置され、ちょっとでも通路にでようものならすぐに飛んできて客席に戻るよううながされる。「SALLY SIMPSON」じゃあるまいし、「We're Not Gonna Take It」という気分。

もう二度とUDO主催の公演は行きたくないと思うが、いつも公演自体は最高なので、やっぱり次のThe Who関連の公演がUDOの主催でも、足を運んでしまうのだろうなと思った。それだけがちょっと残念で悔しい。
入りの悪かった客席でも、最大限のサービスを見せてくれたロジャー達が気の毒だとも思った。


追記: ロッキンオン社のブログの記事を見ていたら、こんな記事があって笑った。
実現したら、すごいだろうなあ。

「英オリンピック委員会、故人のキース・ムーンにオファー?」

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