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◇革製品のお手入れの思い出2006年09月06日 06時12分05秒

革の定期入れのお手入れ方法www


うちの旦那は、革製品の手入れが好きだ。
靴から鞄に至るまで、自分で使用する革製品は定期的に汚れを落とし、つや出しに精を出している。
たまに私の靴なども手入れしてくれるので、こういう趣味は歓迎したい。
しかし、つい昔あった恐怖の体験を思い出してしまうこともあるので、その度に背筋が寒くなるのだ。

まだ独身の頃なので、十数年前の話である。
当時、東海道線で藤沢から品川まで通勤していた時のこと。
その日の電車は満員とまではいかないまでも、適当に混んでいた。
川崎を過ぎたあたりで、4人掛けの椅子の前が空いたので、私はそこに移動してつり革につかまり立っていた。
私の隣には50代くらいの女性が立っており、私達の前にはくたびれた感のある会社員らしいおじさんが座っていた。

横浜を過ぎて、おじさんがおもむろに茶色の革の定期入れをかばんから取り出したので、私も隣の女性も「こいつは戸塚で降りるな」と思ったのだ。
すると、おじさんは鞄から取り出した定期入れの辺で顔をなぞりはじめた。ぞぞぞぞぞと定期入れで顔をなぞると、こんなに顔の脂が取れるものなのかと驚くほど、定期入れの端に脂がたまっていくのがわかる。脂取り紙なら一瞬にして透明になり、十枚やそこらでは取りきれないのではないかと思うくらいの量である。
そしておじさんは、定期にたまった脂を指で革になすりつけ始めたのだ。
左ほほ、右ほほ、額とまんべんなくなぞってはなすりなぞってはなすりしていくうちに、茶色の革の定期入れはみるみる黒くつやつやになっていく。

私がふっと隣の女性に目をやると、隣の女性も私の顔を見て「気持ち悪いわね~」といいたげな顔で苦笑した。私もつられてひきつった笑顔で応じたが、戸塚に着くやいなや隣の女性は笑いながら逃げるようにして電車を降りていってしまった。
定期を用意したおじさんは戸塚では降りず、私達のことなどはまったく気にする気配もなく、定期入れのお手入れに余念がない。

おばさんの後を追うようにして、私も別な車両に移動した。
藤沢で下車するとき、ちらっと見るとおじさんはまだ電車に乗っている。どこまで行くのかわからないが、その後そのおじさんに会うことはなかった。

革製品のお手入れを見ると、この時のことを思い出してしまう…。

コメント

_ なり ― 2006年09月10日 10時18分57秒

おひさしぶりでございます。

これは・・おじさんというより 汚じさんですね。

_ makura ― 2006年09月10日 18時06分06秒

なりさん、ごぶさたです^^
“汚じさん”ですか(*  ̄m ̄)ぷぷっ
この汚じさんのことは、いつまでも私の「通勤の思い出」として残りそうでとてもいやですが、当時通勤中にこの手の変な人にはよく会ったんですよね。でも、この人がベスト1だったようなきがします。

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