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◇その後のおひつ生活2011年07月22日 03時59分14秒

2011年7月現在の我が家のおひつ
2011年7月現在の我が家のおひつ。


2009年の9月に本格的におひつを使うため、3合の江戸おひつを購入した。
ご飯を炊いて保温して保管することに疑問を持ち、おひつを利用してみようと思ったのだが、実際に続けられるのかは心配だった。

購入当時でもいろいろな素材のおひつが売られていたが、買うなら木のおひつにしたいと思っており、試しで安価な木のおひつを利用してみて、これなら続けられるだろうと判断して今のおひつを購入したのだ。
その時のことは、2009年09月29日に「◇おひつ生活」という題で記事にしている。
今回は、我が家のその後のおひつについてのご報告である。


■お手入れ

我が家のおひつは、2年で冒頭の写真のような状態である。
2009年の写真と比較すると、あきらかに薄汚れている。
黒っぽくなるのは、水道水の成分の影響のようだ。
おひつの手入れ方法などで、酢などで漂白すると書いてあるが、毎日のように使うものなので、もう気にしなくなってしまった。
最初はご飯につく木の香りが気になることもあったが、そのうち慣れてしまった。

普段のお手入れは、基本的にはブラシでおひつについたご飯粒を、徹底的にこすり取るだけ。
特に、おひつの底と側面の間の溝の部分は、ご飯粒が残りやすいので気をつけている。
ご飯の保管以外には利用しないので、洗剤なども必要ない。水とブラシだけだ。

おひつを洗うには亀の子タワシが一番いいという人もいるが、亀の子タワシは意外と目が細かいので繊維の中にゴミがたまりやすく、タワシ自体の汚れがなかなか取りにくい。
おひつを洗っていると、かえってタワシについたゴミがついてしまったりすることもあった。
これは、私のタワシの利用方法が悪いのかもしれない。
根菜類の泥汚れや薄い皮をこそげ取るのにタワシを利用しているので、共用すること自体がそもそも間違いなのかもしれない。

おひつ用にしているブラシ
おひつ用にしている小さなブラシ。

我が家のおひつは3合用で、内寸で15cmくらいと小さいので、大きい亀の子たわしだと底の溝のところが洗えない。
100円ショップなどに売っている小さなタワシでも、使い勝手があまりよくなかった。 L字型で角のところがとがった形のブラシや歯ブラシなど、いろいろ試してみたが、現在は直径5cmくらいの小さなブラシを愛用している。

このブラシ、写真を撮るのがはばかれるくらい、すでに年季が入りまくっているのだが、購入後に同じものに出会えないので、買い換えることができない。
なので、ずっと同じものを使用していて、取替え時期の歯ブラシのような状態になっている。これがいよいよダメになったら、小さな亀の子たわしを再度チャレンジしようと思う。

このブラシでご飯粒を手で確認しながらこそげ取り、全体を水ですすいで、よく乾かす。
普段のお手入れはこれだけだ。

一度だけ、外食が続いて数日気づかず、おひつに入れたご飯をカビらせてしまったことがある。
その時は、水でよく洗った後、ひたひたに50%の酢水を入れて一晩おいた後、よく水ですすいで、よく乾かした。
その後は普通に使用しているが、ご飯がすぐにカビるようなことはない。

ただし、我が家のおひつはタガが銅でできている。
金属は酢に弱いので、酢を利用する場合は外側につかないように注意している。


■ご飯の保管

今年の6月までは、炊飯は10年以上使用している電気炊飯器を利用していた。
今年の震災で節電気質が高まり、電気炊飯器が壊れるのを待たずに、使用しているガスコンロ専用の炊飯鍋を愛用している。


リンナイ炊飯専用鍋 RTR-03D


一回3合炊いて、2名4食分でほぼ完食する。
保管する期間は、炊いてから丸一日だ。

冬場はご飯をおひつに入れて、常温で保管する。
環境にもよるだろうが、2日~3日くらいは、ご飯が傷むことはない。

去年まで夏の暑い日は、おひつごと冷蔵庫に入れていた。
温めなおして食べる分には問題ないのだが、おひつの吸水作用+冷蔵庫での乾燥のため、ご飯がぱらぱらになるため、お弁当利用には向かない。

また、おひつ自体が冷やされてしまい、木も乾燥するため、タガがゆるくなってしまう。
木のおひつでも、そのまま電子レンジで温められるものもあるようだが、木はデリケートなので大きな温度変化を加えるのには向かないと思う。
冷やすことも、おひつには良くないような気がしている。

去年の猛暑時でも、夏場におひつで常温放置で2日くらいならご飯が傷むことはかったが、去年までは猫の介護のためにエアコンをフル活動させていたため、部屋の中の温度は常に一定に保たれていた。

今年はエアコンを使っていないので、夏場の保管状態は去年よりも不安が残る。
前述した「ご飯をカビらせた」事件は、今年の6月始めの梅雨時期に起こった。
気温も湿気も高い状態で、外食することが続き、5日ほどおひつのご飯の存在を忘れていたのだ。

おひつのご飯がいつ食べられない状態になるのかは、実験したことがないので判らないが、状況が悪いと一週間はもたないらしい。
この2年間の経験で、夏場でも常温で2日程度ならもつと思うが、なるべく早く食べきるにこしたことはない。


■ガス炊飯鍋+おひつ生活

震災後の節電意識をきっかけに、ガス炊飯鍋を使用するようになったが、ご飯を炊くのも保管するのも、電気炊飯器を使わない方がおいしくご飯を食べられるような気がしている。
電気炊飯器を使っていたときには、冬場はそのまま電気で保温してしまうこともあった。
今年の冬からは電気炊飯器は使わないので、おひつがフル稼働するだろう。

今時期の暑い季節では、温めなおさずにそのまま冷ご飯で食べるのにも抵抗がないし、かえってその方がさっぱりしておいしいこともある。
朝などは、冷ご飯に納豆と野菜でも十分なのだ。

うちは木のおひつを使っているが、たまに陶器のおひつなどもどうなのだろうと思うことがある。
手入れのしやすさは、木よりは陶器の方がいいだろうし、冷蔵庫に入れたりすることを考えると、陶器の方が湿度調節がいいこともあるような気がする。

常温でもいいとはいっても、昔と比べて湿度も温度も高い日本の夏に、昔ながらのおひつがどこまでむいているのだろうという心配がまったくないわけではない。
おひつを使いながら、おひつを冷蔵庫に入れることを「邪道だ」と思う人もきっといると思う。

おひつを2年使って、冬場の使用には満足しているが、エアコンに頼らない夏場の保管には、まだ課題があるような気がしている。
夏場は、できるだけこまめにご飯を炊くのが一番いいのだろうが、少人数でご飯の炊く量も少ないと、はやりある程度はまとめて炊きたいと思うのが正直だ。

お弁当用に梅干を入れて炊いたときには、おひつ自体の香りも気にならなかったりしたことがあったので、いろいろ工夫してみたいと思う。



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