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◇東京下町散策 谷中〜根津2006年08月21日 01時58分51秒

 
谷中ぎんざ入口  

随分以前から、東京の下町巡りをしたいと思っていたのだが、なかなか行く機会がなかったので、この夏休みに実践することにした。何年か前に、亀戸で餃子を食べてから亀戸線に乗って向島、隅田川沿いを歩いて浅草を巡ったことがあるが、今回は日暮里から谷中〜根津、かっぱ橋〜浅草を歩く事にしてみた。
 当初の予定では、午前中に家を出発するはずだったのだが、朝テレビをつけて見ると東京は大停電で一部電車が止まっているという。うちの沿線も止まっているらしいので、少し様子を見ることにしたのだ。お昼近くになって復旧したとのニュースを確認し、お昼過ぎに家を出ることにした。下町でそばを食べるのを楽しみにしていたのだが、うちの最寄り駅の駅前で、ニューオープンしたスープカレーの店を見つけ、そこで昼食を食べ出発した。新宿から山手線に乗り換えたらポケモン電車で、スタンプラリーをする親子連れがせわしなく電車を降りたり乗ったりしていた。

   
  質屋おぢさんの看板  
   
  焼肉サラリーマン   路地

この日はお盆の中日であったが、天気も良く絶好の散策日和。JR日暮里駅で電車を降り、谷中ぎんざ方面に向かって歩く。このへんは「谷(中)根(津)千(駄木)」と呼ばれて最近は観光地化しているが、今でも東京下町の雰囲気が残っている。しかし、お盆のため休みで店を閉めているところが多いのが残念だ。
  谷中ぎんざの商店街は、看板を統一して町並みを綺麗に見せているようだが、雑多な商店街の感じがまだまだ色濃く残っている。お店が休みなので、外に飼猫の餌を大量に店の前にだしているところもあったりする。お店の名前も、「焼肉サラリーマン」「質屋おぢさん」「やきとん」とユーモラスなものが多いが、なだらかな下り坂を歩きながらちょっと路地に目を向けると、古い住宅の中にもんじゃ焼きのお店や餃子専門店、竹細工のお店の看板が見えたりする。昔ながらの喫茶店の看板もあったりするが、どこも休みのようだった。
 竹細工のお店で、杉の木のお櫃とうるし塗りのお箸を購入した。藤つるのバッグもとても綺麗で欲しかったが、2万円〜という値段だったので諦める。
 食べ物屋が多い中、「99円でお肌がつるつる 魔法の化粧水」と派手なアナウンスを通りに流しているあやしげな化粧品屋、イラン料理の店などもあったりしてなかなか面白い。お惣菜屋でコロッケ、「ざくろ」というイラン料理店のテイクアウト店でチーズコロッケを購入して、食べながら歩く。チーズコロッケは電子レンジで温めてくれたので、ほくほくしておいしかった。
 途中、招き猫のお店を見つけて、今戸神社風の手作りの白土の招き猫と、おおよそ日本風ではないバタくさい顔の招き猫を購入する。旅の途中ですでに買い物が大量になってしまい少し後悔するが、あちこちで招き猫を購入して集めている私は、思わぬ出会いに荷物の重さも気にならない(というか、途中から旦那が荷物を持ってくれたからなのだが(^^;))。

   
左官屋の鏝絵   道ばたのいちじく  

谷中ぎんざを抜けて谷中霊園の方に向かい、桜の木の並木道を通って根津の方へ移動する。 お盆ということもあり、谷中霊園は墓参りの人でにぎわっていたが、通りはとても静かで夏の日ざしの中蝉の声だけがせわしく聞こえるだけだ。東京というけれど、緑も多く静かでとても居心地が良い。
 途中、左官屋さんの建物に龍の鏝絵を発見したり、道のわきにいちじくの木が実をつけていたりするのを見つけ、なんだか嬉しくなった。
 普段だともっと活気にあふれた場所なのだろうが、やはりお盆ということもあり、観光客も地元の人もそれほど多くなく、普通の町の中にぽっと入ったような感覚があってなかなか楽しい。

谷中霊園を抜けた後で、根津神社に行くべく三崎坂をてくてく歩いていくと、江戸手ぬぐいのお店やおしゃれなカフェなどが並ぶ中、神社仏閣があちこちに点在している。行き交う車の中に、小さなバスが何度となく通り過ぎていく。よく見ると「めぐりん」と書いてある。「めぐりんってなんだろう?」 。行く前に十分に調べなかったのが悪かったのだが、谷中、千駄木、根津、上野、浅草あたりを東西、南、北とそれぞれ3コースの観光用100円バスが運行しているのだ。谷中ぎんざを日暮里から抜けて谷中霊園に行き、その後根津に向かうということは、日暮里駅から千駄木駅方面に向かい、また日暮里駅方面に戻って再び千駄木駅方面に歩くことになる。めぐりんに乗っていれば、楽に早くついたのに…。それでも、下町の今と昔が混在する町並みを楽しめたのでよしとする。

 途中「へび道」と呼ばれる住宅街を抜けて根津に向かったが、一つ気付いたことがあった。私の住んでいるあたりでは、お盆というと家の軒先きにお盆のお飾りが飾ってあったりして、あちこちの家の前に13日過ぎには迎え火、16日過ぎには送り火を焚いた後が残されていたりするのだが、このあたりではそれがまったく見られない。新興の家も多いが古くからあるような家でもそれを見ることはできなかった。
 へび道を抜けて根津神社の近くまで行き、少し休憩するためにクリーム餡蜜とところてんを食べる。隣でかき氷を食べている人をうらやましく思うが、身体が冷えてしまうので我慢する。

根津神社は本殿前が工事中であまり景観が良くなく残念だったが、根津神社の前の道路はものすごく大きな幹線道路なのに、境内に入るとひんやりとした空気が心地よく静かで気持ちがいい。池の鯉に餌をやりつつほとんど鳩に横取りされていたロシア人観光客や、鯉の中で優々と泳ぐ亀をながめたりした。根津神社の裏にある金太郎飴のお店も楽しみだったのだが、ここもお休みで残念だった。

 
  鴎外荘 中庭

5時近くなって、その日宿泊する水月ホテル鴎外荘に向かった。この宿は森鴎外の居住地をホテルにしたもので、東京温泉も楽しめる宿とのことで楽しみにしていたのだ。ホテルのフロントに入ると、客がみんなフロント前のラウンジにたむろしていて騒がしい。チェックインすると、様々な説明の最後に「実は、本日空調が故障していまして… 現在、業者が入って夜までには復旧する見込みです」と言われ、愕然とする。だから客がみんなラウンジにいるか…。暑い中歩いてきてホテルで涼めないなんて…と思うが、その日は東京が大停電していたことを思い出し、仕方ないと諦める。客室に入り窓をあけると、夏の夕方の涼しい風が入ってきて心地よかった。エアコンなんかよりずっといいと思い、フロントで蚊取りマットを借りて窓を開けて過ごすことにした。
 私達の宿泊する新館はビジネスホテルそのものの作りだが、新館から旧館に抜ける途中に鴎外の家がそのまま残る中庭があり、そこの前を抜けて温泉に行く。鴎外の家は宴会場になっているようで人のいる気配はしないが、中庭は端正された樹々に被われており、東京とは思えない閑静さだ。森鴎外はここで「舞姫」を執筆したらしい。東京も昔は随分と暮らしやすそうな場所だったのだなあと思う。
 温泉に入ると、黒いお湯が心地よく疲れも抜ける気がした。温泉の後ホテルに併設されたスウェーデン・リフレクソロジーで足の疲れをとってもらい、予約していた「鴎外懐石」を十分に楽しんだ。
 夜、テレビのニュースを見ていると、小泉首相が次の日靖国参拝をするのかどうかで盛り上がっていたが、半日歩いた疲れからすぐに寝てしまった。エアコンは夜には動きだしていた。

谷中のホームページ http://www.st.rim.or.jp/~hajima/yanaka/index-j.html
 根津神社 http://www.nedujinja.or.jp/

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