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◇トルコ旅行記 〜6月3日 トプカプ宮殿1〜2007年07月01日 12時29分47秒

ホテル近くのレストラン街の通りにはためく、サッカーチーム優勝を祝う旗。

■6月3日 のんびりした朝


三日目の朝は7時半に目覚める。朝食前にバルコニーに出ると、港の方から交響楽団の音楽と共に大きな船が入船するのが見えた。子供達が何かシュプレヒコールを言っているのも聞こえてくる。どこの船かはわからないが、何か式典が行われている模様。
空は日本晴れ(?)とも言える雲ひとつない青空。空気は乾いていてとても気持ちがいい。前の日の疲れはすっかりとれていたが、念のためアミノバイタルとキューピーコーワゴールドを飲む。この日は前日に行けなかった、トプカプ宮殿に行く予定。ガイドブックをチェックし、オーディオガイドがあるのでそれを利用して歩くことに決める。朝食をとって早く出発したかったが、ぐずぐずしているうちに時間が経ち10時頃ホテルを出た。

ホテルを出て、レストラン街の通りの角にある最初の日にタバコを買った商店で水を買う。着いた日から毎日ここで水を買っているので、お店の人とはすでに顔見知りである。外にある冷蔵庫から自分で水を取り出し、レジに0.5YTLを置くと「おはよう」と挨拶してくれた。
この時間、このレストラン街のお店は開店はしていてもほとんどお客の姿はない。お店の人も非常にのんびりしていて、お昼にそなえて準備をしたりしている。私たちの顔を見て「おはよう」と挨拶をしてくれる人も多いが、客引きする人はいない。たまに日陰で休んでいる人が「コリア?」と聞いてくるので、偽装ロシア人失敗で懲りた私たちは、すぐに「ジャパニーズ」と答える。「気をつけて」と笑顔で送ってくれるので、私たちも手を振って笑顔で別れる。

ホテルを出たばかりだが、行く前に英気を養いたかったので途中のカフェでお茶をすることにした。レストラン街の通りの中ほどにあるオープンエアのカフェに席をとり、トルココーヒーを注文する。トルココーヒーは鍋でコーヒー豆を煮出して入れる手法なので、砂糖もその時一緒に煮込む。砂糖の量を聞かれたので「少し」と答える。そのカフェでは店の一部を修理中で工事の音がうるさいから店の中に入らないかと言われたが、通りを見渡せるところにいたかったので「構わない」と答える。
この通りでは、道をまたがって大きな旗がいくつも掲げてある。風をはらんでいさましくはためく紺と黄色の旗はトルコの国旗ともちがうので不思議に思っていたのだ。コーヒーが運ばれてきたときお店の人に「この旗はなんの旗?」と聞くと、「トルコのサッカーチームの旗だよ。トルコのチームはチャンピオンになったので、そのお祝いだよ」と教えてくれた。サッカーのことなど何も知らないので、トルコのサッカー熱が非常に熱く街をあげて優勝をお祝いしていることをすごいと思う。
トルココーヒーは粉がきちんと沈んでいて、日本で飲むよりずっと飲みやすかった。値段はひとつ3YTL。チャイよりはちょっと高め。



 
トルココーヒー。綺麗なデミタスカップに入っていてかわいい。   カフェから見たレストラン街の風景。



トプカプ宮殿のミニチュア。

■トプカプ宮殿 その1


カフェを出てオスマンさんの店に寄って挨拶をし、トプカプ宮殿までは歩いて10分もかからず到着。前日こけそうになった坂道の上りもさほど気にならない。
トプカプ宮殿の門のところでは、清掃車が道を綺麗にしている横を観光バスが容赦なく突っ込んでくる。誰も誘導したり交通整理したりする様子もなく、それぞれで安全を確認しあっている。

一度撃沈した広い中庭を抜けると右手にチケット売り場があり、その横に公営のお土産物店とトイレのある綺麗な建物があるので、入る前にトイレをすませようとそこに入る。トイレは観光客で混み合っていて、トイレの個室のドアの鍵が壊れているため、使用中にも関わらず後から来た人がついそのドアを開けてしまったりするハプニングがあった。私は運悪くその個室に順番が来てしまったのだが、手でドアを押さえることに成功したので、用を足している途中でドアを開けられることはなかった。

トイレをすませてお土産物屋の建物を出ようとすると、出入り口のところに小さな窓口があり、切手を売っている様子。イスタンブールから実家の母にカードを送ろうと思っていたので、切手をここで買うことにした。
「あい せんど エアメール ポストカード とぅ じゃぱん.はうまっち?(「私はエアメールでポストカードを日本に送る。切手はいくらですか?」と聞いているつもり)」と窓口のおじさんに言うと、彼は「80」とだけ答えた。80YTL?(約7440円)ずいぶん高いなあと思い、しぶしぶ100YTL(約9300円)札を取り出すと、おじさんが非常に渋い顔をして私を見る。それを見ていた旦那が「0.8YTL(約74円)だよ」と言うので、やっと理解をして「つー すたんぷ」と言って2YTL出しなおし、切手を二枚購入した。旦那はいつも、でたらめな英語で平気で人とコミュニケーションをとろうとする私を冷や冷やして見ていたようだった。

10YTL(約930円)のチケットを購入し中に入ると、アヤソフィア同様荷物チェックのためX線の機械にかけられる。ガイドブックには英語ガイドが十数人単位で移動するため待たされると書いてあったが、オーディオガイドを利用すれば個人で動いてもいいらしい。入口の右手にあるオーディオガイドのレンタル所に行くと、日本語もあると書いてある。しかし利用料は一つ10YTL。旦那は一つでいいと主張するが、博物館を見るとき旦那と私の見るスピードや注目する場所がいつも異なるため、きちんと見たいなら二つ借りた方がいいと判断し二つ借りることにする。
借りるときに受付けのおじさんが「身分証明書を預けてください」と言う。私たちはその時パスポートを持参しておらず困っていると、「クレジットカードでもいい」と言う。私がクレジットカードを差し出すと、私たちの借りたオーディオガイドの番号札をつけて無造作に木の仕分け箱にしまってしまった。箱の中にはたくさんのクレジットカードの中に、赤い日本のパスポートかいくつかあった。旦那が不安そうに「クレジットカードを渡してしまうの不安でない?」と言ったが、もし何かあってもパスポートを無くしてしまうよりましである。トルコでは、何か借りるときに身分証明書を預けなければならない場合があると聞いていたが、実際自分たちがそうなることなど予想をしていなかった事実に自分で驚いたりする。

オーディオガイドの機械は、全長が15cmくらいで20年くらい前の日本の携帯電話の様相。そう重くはないが、首からかけていてもけっこうじゃまだったりする。PHS方式で音声を受信しているらしく、携帯電話のように受信圏の表示がある。展示してあるものの前に掲示されている番号を押してエンターキーを押すと、男性の声で説明が流れる仕組みである。NHKのアナウンサーのような流暢な口調だったが、説明自体はそれほど親切でもない。判らないことがあっても質問もできないので、結局説明だけ聞いてその場を去るしかないのだ。
私が渡された機械は0を押してもなかなか認識してくれず、旦那のものと交換してもらった。旦那が0を押すと普通に認識するので大変憎く思った。



    オーディオガイドの案内書。
 
 
オーディオガイドの機械。
20年前の携帯電話のようだが結構軽い。
  トプカプ宮殿の案内書。


トプカプ宮殿は、メフメト2世が18年ほどの月日をかけて1478年頃に完成した宮殿らしい。外壁内部の総面積は70万平方メートルと大変広大である。オーディオガイドのツアーリストも100〜344まである。入口右手には厨房があるのだが厨房だけでも長さ200mはある。その奥にさらに宮殿があり、左手には別料金となっているハレムもある。

Wikipedia「トプカプ宮殿」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%97%E3%82%AB%E3%83%97%E5%AE%AE%E6%AE%BF


厨房内では当時の厨房の様子や、スルタンの使った銀食器のコレクション、シルクロードを経て中国や日本から運ばれてきたという陶器の展示などがある。陶器のほとんどは中国のもので、ざくろやトルコ独特の模様が中国的に描かれていることから、スルタンに献上するために特別に作られたものだということがわかる。日本からのものは展示の最後の方に数点あっただけだったが、伊万里焼や有田焼の非常に壮麗な装飾が施された見事な大皿や壷が展示されており、その数は少ないけれど中国のものと比べて見劣りしないことが嬉しく思えた。中国産のものは磁器がほとんどなので、装飾は青い単色のものが多い。それに比べて日本の陶器は色をふんだんに使った見事なもので、一見すると久谷焼かと思ってしまうほどだ。
身の丈ほどもある中国の大きな大皿には龍の模様が描かれていたが、勘違いした西洋人が「ジャパニーズ!!」と叫んでいて「おいおいちがうだろ」と突っ込みたくなってしまった。



 
トルコの文様が描かれた中国製の磁器の大皿。   象の造形が見事な中国製の磁器の壷。
     
 
日本製の有田焼の大皿。19世紀のもの。   日本製の伊万里焼の壷。16世紀〜17世紀のもの。


トプカプ宮殿はとにかく広い。結局11時頃宮殿に入った私たちが厨房を見終わる頃にはお昼を回っており、しばらく休まなければならなかった。しかしこの辺りには休憩所はなく、中庭に面したところにはベンチもあるのだが、思い切り日向なので利用する気がしない。オーディオガイドは確かに便利だが、常に電話をかける体勢でいないといけないのが辛い。ふと見ると機械のお尻のところにイヤフォンジャックの穴がある。知っていればイヤフォンを持ってきたのだが、今ここにはないのが悔しい。
同じように疲れた観光客が中庭と厨房を隔てるゲートの間の日陰に腰をかけて休んでいるので、空いている場所を見つけてしばらく休むことにした。せめて入る前に水を買っておいてよかったと思う。
向かいに座ったスカーフをしたイスラム教徒のお母さんと子供の二人連れが、どこかのお土産物屋で買った恐竜の人形を広げて遊んでいるので、それをずっと眺めていた。

5分ほど休み、宮殿の奥にレストランがあるのでとにかくそこまで見学してお昼にしようということにした。



つづく

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