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◇トルコのヨーグルトドリンク「アイラン」:レシピ2007年10月08日 02時33分11秒

トルコのヨーグルトドリンク「アイラン」
 
 
トルコに行って一番はまったものは、アイランというヨーグルトドリンクだった。
日本でヨーグルトというと、砂糖を入れたりフルーツ味だったりの甘いのが定番で、その他はプレーンで味がついていないもの。固さもそれほどたくさん種類があるわけではなく、飲むヨーグルトかそうでないかの違いでしかない。しかし、トルコをはじめとしたヨーグルトを常食している地域では、さまざまな用途でヨーグルトを使用できるよう、ありとあらゆる種類のものがある。発酵の仕方や固さなどもさまざまあるらしい。

アイランはトルコのヨーグルトドリンクでもかなりポピュラーなものらしく、街中のあちこちでパック入りやビン入りで販売されている。トルコ移民の多いドイツのスーパーマーケットにもおいてあるらしい。
「ヨーグルトは甘くして食べるのがあたりまえ」という日本でのヨーグルトと違い、アイランはしょっぱい塩味なのだ。

ヨーグルトを料理に利用することはトルコに行く前でもやっていたし、料理に使うときは塩味をつけて食べることの方が多かったのでそれほど抵抗はないと思っていたのだが、いざ「しょっぱいヨーグルトをそのまま飲む」というシーンに出くわしたとき、やはり多少の抵抗があったのは正直なところだった。実際初めて買って飲んだときの印象は、「なんか不思議な味」というものだった。でも、暑い夏には甘味よりは塩味の方が身体にはいいと思う。実際、イスタンブールでの滞在時にアイランを飲むと、さっぱりして元気がでるような気がしたのだ。肉料理の多いトルコ料理にも、アイランは大変よく合う。一週間の滞在の間に、すっかりアイランのファンになってしまった。

夏は終ってしまったが、アイランを飲むとお腹具合もいいので今でもしょっちゅう作っている。。日本に帰国してからもアイランの味が忘れられなかったので、自作してみることにしたのだ。
トルコに行く前に日本で購入したトルコ家庭料理の本「トルコ家庭料理レシピ集」の最初に「ヨーグルトドリンク、トルコ風」という題名でアイランの作り方が掲載されていたので、それを参考にして自宅で作ってみることにした。
あまりにも簡単な作り方なのでそれだと本と同じになってしまうのだが、本のレシピの中には入手しづらい材料もあったので、うちなりに試行錯誤した結果である。


■参考レシピ
トルコ家庭料理レシピ集/アリ・タスバシ、久美子・タスバシ著(株式会社スパイク)
キリム専門店 マンモス イスタンブル
http://www.rakuten.co.jp/m-istanbul/405466/445258/

■材料(4人分)
プレーンヨーグルト 500ml
塩 茶さじ1くらい
青いタバスコソース 3~5滴
水 500ml
レモン汁 適宜(好みで入れる)

■手順
1.ミキサーにプレーンヨーグルトと同量の水を入れる。

2.塩と青いタバスコソースとレモン汁を加える。

3.ミキサーを何度かに分けて様子を見ながら攪拌する。
※攪拌しすぎるとバター状になって固くなるので注意。

4.ミキサーを止めてみて上部に泡がたったら出来上がり。

※塩とタバスコは好みで加減するといい。塩味は多少強めの方がおいしいと思う。
※レモン汁を入れるとタバスコのきつい風味がやわらぐが、これも好みで入れなくてもいいと思う。
※冷たいのが好きな人は攪拌するときに氷を入れるといい。


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「トルコ家庭料理レシピ集」のレシピには「青唐辛子を入れる」と書いてある。これがあるとないとでは格段に味に差がでるとも書いてあるのだが、これは実際唐辛子なしで作ってみると味がぼけたようになってしまうので実感した。
しかし日本のスーパーには、獅子唐はあっても青唐辛子を常備してある店は少ない。あってもトルコなどで使用されている青唐辛子とは種類が違い、辛味が大きく足りない。試しに鷹の爪で作ってみたが、どうしても風味が違うのだ。

しかたないので辛味の少ない日本の青唐辛子が出回っている夏の初めに購入して作ってみたが、当初うちにはミキサーというものがなかった。しかたないのでフードプロセッサーで作ってみたのだが、唐辛子がきちんと細かくならず、唐辛子の具入りドリンクみたいになってしまう。これだと舌触りが悪い上に、辛味もやっぱり足りないのだ。あらかじめ唐辛子を細かくきざんで入れても結果はそれほどかわらなかった。

そこで市販のタバスコソースの青いのを買って試したところ、これは大成功。手軽でいつでも手に入るし、風味も悪くない。夏にうちに遊びにきたキルギス人留学生の友人が、「キルギスにもアイランがある」と言うのでうちのアイランを飲んでもらったところ、「本物に近い味」というお墨付きをもらって嬉しかった。
うちの近所のスーパーでは辛味の強い青唐辛子をおいていないので、入手できる人はそちらで作るのもいいと思う。そのときはできるだけ細かくすることをお勧めする。

ヨーグルトはさまざまなメーカーのもので試してみたが、こうして飲むと同じプレーンヨーグルトでもメーカーによって味が大きく異なることがはっきりわかる。固さも同じようでかなり違うので、種類によって水や塩加減など好みに合わせる必要があることを知った。ヨーグルトを甘くして食べると多少メーカーによって固さや風味の違いはあったが、その味までははっきりわからなかったのだ。

うちの近所で手軽に入手できるヨーグルトで一番好きなのはヤスダのヨーグルトだが、これは500mlで数百円もするので気軽に使えない。7&iのプレーンヨーグルトは無難な感じで、明治のドマシュノは多少コクのある仕上がりになる。同じ明治のブルガリアヨーグルトと森永のビヒダスはあまり好きな味にはならなかった。コクのあるヨーグルトの方がむいていると思うので、牧場などで直販しているヨーグルトだと、もっと美味しくなるように思う。

ロシア連邦サハ共和国出身の友人は「日本のヨーグルトで一番美味しいのはヤスダ。一番サハのヨーグルトに近い味」と言っていた。つくばにいたときのブルガリア人の友達は「明治のブルガリアヨーグルトは悪くない」と言っていたが、これが果たして現地ブルガリアのヨーグルトと近いものなのかは不明だった。ヨーグルトをしょっちゅう料理に使うくせに、ヨーグルトを常食としている国の友人がけっこういるにも関わらず、あまりヨーグルトの味自体に注意を払ってきていなかったのだということをアイランを自作してみて痛感してしまった。

アイランをしょっちゅう飲むようになったおかげで、うちのヨーグルト消費量は格段にあがった。ヨーグルトを飲んでいると花粉症対策にもなるらしいので、来年の春がどうなるかちょっと楽しみだったりする。
そして、今度は種を買ってヨーグルトも自作して作ってみようと画策している。



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