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◇バンクーバーオリンピック 男子フィギュアスケートを見て思ったどうでもいいこと2010年02月20日 01時53分24秒

今回の冬季オリンピック。
スポーツ観戦がまったく趣味ではないので、見て楽しいと思えるのはフィギュアスケートくらいしかないのだが、今回の男子フィギュアは見ていてとても面白かった。

男子フィギュアの中では、4回転を飛ぶか飛ばないかで論議が分かれているようで、名だたる選手がころころとジャンプに失敗する姿は、リンク自体に何か欠陥でもあるのだろうかと疑いたくなるほどだった。
あんなにジャンプを意識して、みんなが失敗してしまっては、競技にならないのではないのか。

その中で、無難に自分のできる範囲の技を完璧にこなし、プラス抜群の表現力を発揮した、金メダルのアメリカ エヴァン・ライサチェク選手は大変に素晴らしかった。
彼の演技は、ショートプログラムもフリーも彼のイメージにとても合っていたし、ジャンプも4回転はなかったものの、完璧に美しいフォームが際立っていたように思う。
特に、ショートプログラムの「火の鳥」での、炎を表現するマイムは圧巻だった。
本当に炎が燃えているようだった。

4回転を重視するのか、それとも全体の構成を重視すべきかは、ここで素人がどうこう言ってもしょうがないと思う。
世界王者を自認するロシアのプルシェンコ選手の「4回転がなければただのアイスダンスだ」という発言も、フィギュアスケートが「スポーツ」である以上は納得できる意見だと思う。
しかしそれを差し置いても、彼の一連の行動は、あれはアスリートとしてどうなの?と個人的には思ってしまう。
技の難易度の進化を望むことで、4回転ジャンプを飛ぶことに重視し、それを完璧に飛ぶ技術は大変なものだと思う。
その技術は世界一といっていいものなのだろうし、世間もそれを認めているのだろう。
しかし、いくら自分が一番だと思うからといって、彼の演技は

「俺が一番なんだぞー どーだ すごいだろー 見ろ!!!」

と言わんばかり。
曲の表現は二の次で、ただただ自分を誇示するためだけのものでしかなく、ショートプログラムの「アランフェス協奏曲」の美しく叙情的なイメージは、まるで無視されていたのが気になった。
フィギュアというのは、難易度の高い技をいかに完璧に決めるかプラス、曲に合わせた芸術性を表現するスポーツではないのか。
彼の演技はジャンプの技術はすごいと思ったが、ステップもスピンもマイムもただただ大げさで、繊細さに欠けて全体に固く、見ていてちっとも美しく思えなかった。

銀盤を降りた後の発言も、ジャッジやライバルを批判するのはけっこうだが、やりすぎはかえって見苦しく映ってしまうのは、私が日本人だからだろうか。

意見は他にもいろいろあるのだが、競技にはまったく関係ないところで気になったことを、忘れないよう(いや、忘れてもいいんだけど)書いておこうと思う。

●カザフスタン代表 デニース・テン選手の唇がぱっくりと割れていたこと
あれは痛そうである。かなり深く切れている感じ。
昔私は、リップクリームが嫌いで、しょっちゅう唇を切っていた。
真ん中のしわがざっくり割れて、大変に痛い。
カザフスタン料理は辛いものも多いので、しみるんじゃないかと思ったりした。
誰かはちみつ塗ってパックしてあげろよ と突っ込みたくなる。

フリーのときにはちょっと改善していたが、V字にあいた胸元にでっかいにきびも発見した。
ストレスで胃でも悪くしたのだろうか。

それにしても、フリーの曲はヨーロッパ系でそろえてきていたが、彼には是非カザフスタンの民族楽器ドンブラの演奏曲で演技してもらいたいものである。
その際には、是非テミルコムズの演奏も入った曲にしてほしい。
まだ16歳ということで、将来が大変楽しみだ。

●点数がでるまでの控え席での、女性の座り方
日本人女性は、織田選手のお母様や、アメリカ代表のアボット選手のコーチを勤めた佐藤有香さん、高橋選手の長光歌子コーチなど、数人が控え席に選手と共にテレビに映っていたが、外国人女性のほとんどは足が開いていたのに対して、日本人女性はみんなひざがきっちりと揃っていた。
外国人は気にしないのだろうけど、あのへんは日本人の美意識なのであろうと思った。

●演技が終わったあとのお辞儀
西洋の選手の多くは、手を挙げて自分を誇示し、胸に手を当てる姿はさすがにスマートで堂に入っているのだが、その後のお辞儀の仕方が美しくない。
特に頭を完全に下げたとき、手の位置がぶらぶらと下に垂れ下がっていてみっともない。
日本人はお辞儀をしなれているせいか、きちんと足の線に腕を沿わせて美しい。
お辞儀もやはり、日本人の美意識が表現される動作なのだと思った。
ヨーロッパにもお辞儀の文化はあるはずなのに、そのあたりは曖昧なのだろうか。
日本の小笠原流みたいなのって、ヨーロッパのお辞儀道には存在しないのか。
きっと外国人はそんなこと気にしないんだろうな。

でも、ビートルズがステージでお辞儀をした映像は、ちゃんとしていような気がしたが。

●謎の緑色の液体
北京のときにも思ったのだが、選手が飲んでいる蛍光緑色の液体。
あれはゲータレードとか、そういった類のものなのだろうか。
水を飲んでいる人も多かったが、フィギュアのときに小塚選手も飲んでいて気になった。
北京のときは、女子卓球の選手がみんなあれを飲んでいて、なんとなく不気味な感じがしていた。
スポーツードリンクは白い白濁というイメージが、自分の中で定着している証拠なのだろうと思う。
それにしても、ものすごくまずそうに見えるのだが、どんな味なんだろう。

●アメリカ代表 ウィアー選手はKABA.ちゃんに似ている
演技が終わったあと、何度も十字を切っていたのを見ると、敬虔なキリスト教徒なのだろうと想像するできる。
女性アイスダンサーの恋人がいるとの報道もあるので、ゲイではないとは思う。
しかし、あの中世的なセクシーさとかわいらしさは、やっぱりいろいろ疑ってしまう(決して好みではないが)。

フリーの後の点数がでるまでの控え席で、ファンからもらった赤い花束と赤い花冠がやけに似合っていた。
笑った顔が、KABA.ちゃんに似ていると思った。

フリーで完璧に近い演技をしたのに、点数があまり伸びなかったことへの客席のブーイングに対し、笑顔でそれを収めようとするパフォーマンスが印象的だった。

●カナダ代表 パトリック・チャンの目力
なんだかとても、目に力の入った人だと思った。
トリノで銅メダルだったジェフリー・バトルのあとを引き継ぐかのような表現力は圧巻だった。
しかし、バトルは永遠のベビー・フェイスといわれるほど柔和な顔立ちをしていたが、新しい銀盤の貴公子は、りりしい顔立ちが印象的。

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それにしても、今回はジェフリー・バトル並みの美男子はいなかったなあ。
強いて言えば、フランス代表のブライアン・ジュベールくらいだろうか。
彼は、オリンピック前のNHKのドキュメンタリー番組で、将来は5回転にもチャレンジしたいと話していたのに、今回まったくいいとこなしで気の毒だった。



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