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◇計画停電八日目。愚痴ぐらい言わせてほしい。2011年03月23日 02時14分36秒

2011年3月22日火曜日 計画停電八日目。

七日目の昨日月曜日は春分の日で、停電は一日中止。
22日の今日は、第1グループの私の地区は午前中9時20分から13時の停電だった。
午前に停電がある日は、一日に二回停電がある場合もあるが、今日は停電は一回だけだった。

今日の停電日記は、首都圏住民の今の生活を吐露した愚痴だから、見たくない人は文末の停電スケジュールだけ見て、あとはスルーしてほしい。
でも、首都圏の一市民が、困惑しながら生活していることも、ちょっとは知ってほしいのだけど。


昨日から少し体調が悪く、身体を暖めたいが、停電中は暖房が使えない。
給湯も電気を使うので、お風呂にも入れない。
このままだと、救急ではこばれるような状況になる危険が高まるので(冷えの症状がすすむと、腸閉塞を起こしやすくなる。今までそれで数回入院している。持病ではなく体質なので仕方がない)、カイロを使うがなかなか身体が暖まらない。
具合悪いし布団に入っているのが一番だ、と思っていたら夕方まで寝てしまった。

「今の自分に何ができるだろう」ということを考えすぎて、停電のことや物が思うように買えないことなど、思った以上にストレスになっている。
具合が悪いときは気にしなければいいのだろうが、節電を意識するとストーブすらなかなか使えない。
義援金は送ったけど、被災地に行っても私みたいな病人は足手まといになるだけだ。
「私はなんにもできない」という無力感が、心をいっぱいにする。

友達のブログを見ると、そんなことを考えているのは私だけではない様子。

文句をいっても仕方ないし、ライフラインも確保でき自宅で普通に生活している私たちは、多少被災したとはいっても「被災者」ではない。
被災したけど被災者ではない私たちは、「なんちゃって被災者」かなと思う。

もちろん、みんな計画停電に協力したり、節電したり、物を買いすぎないということは実践している。
でも、そんなことはやって当然で、この「当然」以外のことを何かしなければならないのではと、気持ちがあせってしまう。
避難所にいる人たちや、大きな被害を受けた人は、もっと辛い思いをしていると思うと、私たちが受けている不自由などたいしたことではないと思わないといけないと思わないといけないと思わないといけない……

私もそのうちの一人だ。


買い物をしていても「買占めするな」と怒号がどこからか聞こえて、たくさんかごに物を入れているお母さんが困惑している。彼女の家は大家族なので、普段の買い物もかごにいっぱいになる。たまにこうして誤解されるのが困るらしい。

うちでも旦那に「早く帰ってきてね」と言ったら、ふだんはやさしいイケダンなのに「毎日そう思って努力しているだろ」と怒られた。
地震前なら慣用句だが、余震も続いているし、停電もあるし、会社に行くお父さんは家のことが気になるらしい。
「じゃあ、毎日お土産買ってきてって言って買ってこなかったら、罪悪感感じるの?」と聞いたら、それはまったく感じないらしい(勝手な話である)。

なんとなく、街中がギスギスしている感じ。
油断していると泣いてしまう。


通勤に片道50キロを移動する旦那は、21日の春分の日も出勤だった(もともとそういう会社)。
停電のなかった昨日の帰り道、道はまるで深夜のように車が走っていなかったようだ。
家にいても、ここ数日昼間も車の音は少なく、たまに米軍の輸送機がゆっくり移動していく音が上空で聞こえる。
帰り道、家々に灯っているはずの灯りもまばらで、まるで人がいないようだったと旦那は言う。
今まで人のいない部屋でも電気がついていたり、玄関の外灯をつけていた家庭も、今は電気を消している。

この時期に出没する、夜中に爆音たてて前の道をチキンレースする馬鹿野郎達も、さすがにこの状況では車で遊ぼうとは思わないらしい。

「なんちゃって被災者」の私たちも、みんなそうしてがんばっているけれど、被災地の人が「がんばって」と言わないでという気持ちが、私たちにもちょっとだけわかる。
ただ、「なんちゃって被災者」の私たちが、おおっぴらに愚痴ったりするのもはばかられるような雰囲気がどこかにあって、なんとなく窮屈な気がしてならないのは、たぶん私だけではないと思う。


東電では26日から、5グループから25グループに区域をわけると言っている。
東電で発表している現在の区割りはかなり大雑把で、各自治体が発表している詳細な区割りも丁目ごとではあっても、その中に工場と住宅地が同じ区割り内にあったりする。
同一グループ内でも、ガスや石油の製油所などがある地域は、停電地域でも除外されていたりして、当然その周辺区域も停電しない恩恵を受けていたりする。
同じグループなのに、隣の町内は停電しないのにうちの町内は停電している、ということが実際に起きている。
25グループに分けるというのは、そういう地域格差がないように細分化するということなのだろうか。

官公庁やオフィスが集中しているからという理由で、東京23区のほとんどの地区が停電対象外なら、他県の自治体やオフィス、工場地帯がストップするのはOKなのか。
茨城県、千葉県などは、被災地域なのに停電対象区域に指定されている。未だに断水が続いている地域だってあるのに。

そういう不平等さがあるから、「みんなが納得してやっている」感がどこかで、「でもなんとなくずるいよな」って気持ちにすり変わって、それがさらに罪悪感につながるような気がして、またさらにいやな気持ちになる。
東京23区内の停電指定区域じゃない人たちの中にも、自主的に節電に協力してくれている人がたくさんいることも、ちゃっとわかっていてもだ。

茨城・福島県の農産物が現在出荷できない状況で、千葉県、埼玉県、神奈川県で生産活動ができない方が、経済活動には打撃が大きいんじゃないかと思う。少しでも地産地消で、被災地にも産物を回すくらいの活動が必要なのではないのか。
今までどれだけ首都圏が、茨城・福島産の農産物に助けてもらっていたのか、みんな知らないわけではないだろう。それは、首都圏だけの話じゃないと思う。

今の段階で、多少食べるものがあるからって、政府で指定しない地域の農産物の受け入れも拒否されたという話もある。
そんなことしていたら、本当に首都圏に食べるものがなくなってしまう。
心配な気持ちは理解できるし、政府やテレビに出てる専門家が言うことが信じられないというのもわかるが、それを疑うなら何を信じればいいのか。

東京都内で千代田区や新宿区が停電対象外なのは理解できるが、オフィスは別に東京都だけにあるわけではない。
各自治体だって、被災者の受け入れや援助品の受け入れ発送、地元住民への対応などで、ふだんよりも忙しい状況がある。

これで1ゲームに1家庭で何日分もの電気を使う東京ドームや神宮球場が野球の試合をはじめたら、いったいどうなってしまうのか。
避難所に使うんじゃないなら、スタジアムの電気はずっと使えない状態にしてほしいとさえ思ってしまうのは、計画停電にいらついている人のヒガミなのか。
野球をやって被災地の人を元気付けるなら、しばらく関東・東北以外でゲームしてテレビ中継すればいいことだ。
球場の儲けを、どこかで考えているのが見え見えなのが腹立たしい。

テレビだって、深夜の放送を自粛して、夜は音声だけのラジオ放送にすればいいと思う。
たくさんの国民が亡くなったんだから、それくらいしてもいいと思う。

グループ分けをするなら、関東の各地域で生産活動が円滑に行えるよう、再調査して停電計画を練ってほしいと思う。
夏場までこの調子だったら、計画停電指定区域で暴動が起きてもおかしくないように思うのは、私だけか?


明日の停電の予定は、

第1グループ 午前6時20分から午前10時まで 中止の予定
第2グループ 午前9時20分から午後1時まで  中止の予定
第3グループ 午後0時20分から午後4時まで  23日午前中に発表
第4グループ 午後3時20分から午後7時まで  時間内3時間程度停電実施
第5グループ 午後6時20分から午後10時まで 時間内3時間程度停電実施

追加停電
第1グループ 午後1時50分から午後5時30分まで 23日午前中に発表
第2グループ 午後4時50分から午後8時30分まで 23日午前中に発表


23日午前中に発表って、せめて前日に決めてくれよな。
ああ、また愚痴だ…。



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